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127 姉妹女神

国王から話を聞いた後、しばらくしてからこちらの事情も伝えておいた。

いつもの様にどこまで伝えるか迷ったが、魔王ハドウのことだけ伏せておけば良いだろうという結論になった。


「…という訳で、こちらの大陸で召喚された勇者から事情を聴き、俺たちにとっては別大陸の事情を探っていたんだよ」

「ふむ、やはりそちらでも勇者召喚の儀式が執り行われていたのだな。人々の平均レベルにもだいぶ差があるようだが、君たちを見ているとそうは思えんのだがな…」


まあ言ってしまえばチート持ちの転生者だしね、例外中の例外だからしょうがない。

ヴァルなんちゃらさんも相当強いみたいだが、孤児院のアリサさんも俺の方が数段強いみたいな事を言っていたし、戦って負けることはないと思われる。


だが仮にもスキルなんて物がある世界で、力が上だから絶対に勝てる…なんて保障はどこにもないわけだ。

それ故に、相性とかもろもろ含めたら警戒するに越したことは無いだろうという結論に達し、まずはヴァルキュリアの戦力について伺う事にした。


「それでなんだけど、…結局アテナの侵攻を止めるためには、最大の障害となるだろうヴァルキュリアと戦う事になると思う。その際ヴァルキュリアを止めるにしても倒すにしても、相手に負けたらなんにもならない訳だし注意点とかあったら聞いておきたいな」


聞くだけならタダだし、じゃんじゃん聞いておこう。

万が一にも負けたらシャレにならないしね。


「オホホホッ!なにを言っているんですの?私の理不尽ゼノンが負けるわけないですわっ!」

「そうだよっ!ボ・ク・のゼノンくんが負けるわけないよ?」


いや、恐らく負けそうとかいう話しじゃなくて、絶対に負けないための質問なんだけどね。

仮に俺が負けなかったとしても、今のメンバーに被害が出ないとも限らない。

それに相手がこの大陸最強の存在である以上、完璧な状態で挑まなければならないのも事実だ。


あと俺は俺の物だよ二人とも…


「ちげぇだろ。ゼノンは少しでも不確定要素を無くして俺たちに被害が出ないようにしてんだよ。悔しいが今の俺じゃあゼノン級のやつとやり合うのは無理だ、客観的に見た事実としてな。相手もそのランクである以上、こいつなりの配慮ってやつだ」

「…ん、その通り。悔しいけど今はまだムリ」

「…そうだね、ファイスの言う通りさ。僕たちも相当強くなったとは思うけど、ギールさんやハドウ、ゼノン級を相手にできる程じゃない。…今の段階ではヴァルキュリアと戦えないのも事実だよ」


考えていた事を3人が代わりに語ってくれた。


まあ言っちゃ悪いがそう言う事だ、うちの前衛をやっているエレンでさえギル兄さんとハドウが相手ではかなり分が悪い。

エレンでダメなら他のメンバーにしたって同じことだ。


「ふむ、ヴァルキュリア戦での留意点か。…あまり広めてほしくないのだが、歴代のヴァルキュリアは窮地に陥ると戦神アテナが降臨し、戦況を一瞬で覆したとされている。私もこの目で見たわけではないが、おそらくは事実であろう」

「…やっぱり最終的には神が相手か」


孤児院で<魔王の怒り>をもらった時からなんとなく察してたけど、やはりヴァルキュリア戦では神が相手になるっぽい。

やっぱり聞いておいてよかった。


…だがさすがの俺も神が直接相手となるとちょっと分が悪いな。

人の身に宿っている程度である以上、戦神アテナの全力が発揮される訳ではないだろうがそれでも脅威だ。

これはパーティメンバー全員を強化しないとマズイな、もしかしたら返り討ちに会う可能性もある。


何か無いか…、なにか…


…あ、そういやアレがまだあったわ。


「突然で悪いんだけどさ、この地図に見覚えとかってない?…とあるダンジョンでドロップした物なんだけど、ここに来るときに空から見た感じ地形が似ていたんだよね」

「む?…どれどれ」


アカデミアから闘技大会に向かっている途中、空島のダンジョンで嫌というほどドロップしまくった地図をつなぎ合わせた物だ。


まだ完全とはいかないが、ある程度形にはなったので知っていれば分かる程度にはなっているだろう。

これがそのまま強化につながる訳ではないだろうけど、いますぐやれることと言えばこれしかない。


…そしてしばらく地図を眺めたあと、国王から反応があった。


「この地図をどこで手に入れたかは知らないが、場所は王家に伝わる<女神の姉妹像>がある場所と一致しておるな…」


なんだ姉妹像って…

この大陸では女神アテナが一柱目の女神だろうし、他の女神もいるってことかな?

もしかしたら俺たちの大陸の女神もなんか絡んでいるかもしれない。


すると突然、今まで黙っていたツインテちゃんが騒ぎ出した。

ユリアお嬢さん、どうしたというのだね…


「あぁっ!ここって私が聖女認定された所じゃないっ、なんで別大陸から来たアンタがもってるのよ?」

「いや、そんな事聞かれても…ダンジョンでドロップしたとしか?」

「ダンジョンでドロップする訳ないじゃないっ!私に嘘は通じないわ…よ…?あれ、本当に嘘ついてない…」


本当ですよユリアさん、ちゃんと「女神が管理している」ダンジョンでドロップしましたよ。


「なんでアンタがここを知っているのか知らないけど、ここには何にもないわよ?ただ貯金箱みたいにコインを入れる場所と、2人の女神様が祭られてるだけね。片方は戦神アテナ様みたいだけど、もう片方は分からないっていう謎の神殿よ、ものすごく大きいの」


貯金箱ってあんた、まさかお賽銭!?

なんでや!

わたあめ羊のメダルは全部お賽銭だったんか…!


ちょっとショックだ。


だが、わざわざドロップさせなきゃいけないお賽銭なんだし、コインを入れたらなんかしらイベントがあるに違いない。

…そう思っておこう。

聖女の認定儀式をするくらい重要な神殿なんだし、まさかただのお賽銭なわけがないと思う。



「よし、次の行先が決まったな。…とりあえずヴァルキュリア戦に備えた強化のため、この地図の場所に行ってみようと思う」

「…まぁ、今の所やる事といえばそれしかねぇわな。賛成だぜ」


ファイスを含め、全員が同意した。

それにユリアが場所を知っているみたいだしね、大助かりだ。


「あの神殿に行くのか、…君たちの事だから必ずなにかアテがあるのだろう。なんとしても女神アテナ様と、この無益な戦争を止めてくれ。私に出来る限りの支援はすると誓おう」

「…了解。どこまで出来るかってのはまだ分からないけど、自分達の大陸で好き勝手なんてさせないつもりだよ」


よし、それじゃあちょっくら姉妹女神の像までいってきますかね!



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