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124 ファイスの異変

それじゃさっそくだけど、外道勇者さんには退場してもらいましょうかね。


「じゃあ覚悟はいいかな?」

「…ま、まて!俺に手を出したらどうなるか分かっているのか?今や王族も貴族も俺の手の内にあるも同然なんだ。お前がどうやってあの地下牢から抜け出したかは知らないが、いま手を引くなら許してや…グベェッ!」

「ちょっと煩いぞあんた」


とりあえずワンパンで仕留めさせてもらった。


なにやら話している間に魔道具の力で魅了魔法を発動しようとしていたみたいだが、まあ無駄な足掻きだな。


ちなみに鑑定結果を見た限りでは、所持している金貨をチャージしてガチャを回す能力みたいだったので、とりあえず金目の物はぜんぶ奪い取っておいた。

…これでもう何もできまい。


「フ、フン!なによアンタ、やっぱり強いじゃないの。作戦通りとはいえ、この私を助けに来たことは褒めてあげるわ!…ほらっ」


赤面したツインテちゃんが手を差し出しこちらをチラチラみてくるが、俺にどうしろっていうんだ…

エセ貴族の俺にはなんのことかさっぱりわからないよ。

あ、もしかして魔道具を遠くまで投げた腕を評価してほしいのかな?


「そうだな、作戦通りだ。魔道具もずいぶん遠くまで投げたみたいだし、良いパワーだったぜ…まさにゴッドハンドだよ」

「そうじゃないわよバカッ!」

「あだっ!?」


思いっきりはたかれた…

なぜだ…俺の何がそんなに間違っていたというんだ。


「ここは手を差し出した女の子をエスコートする場面でしょ!あんた本当に公爵家なの!?」

「…ん?…あぁっ!」

「あぁっ!じゃないわよっ…はぁ~、一瞬でもドキドキした私がバカだったわ。罰としてアンタは今日が終わるまで私の世話係りね」


ハイ。


そうしてツインテちゃんの世話係になった俺は、魅了の魔道具を破壊し意識が飛んでいる勇者をひきずって、王族たちの様子を見にいくことにした。

なにやら正気に戻った王族達が慌てふためいているようだ。


「…うん、全員正気に戻ってるっぽいな」


やはりあの魔道具が魅了魔法の核だったらしい。

スキルで出したって言ってもしょせんは魔道具の力だし、本体が壊れれば持続性はなくなるんだろうな。


慌てているところ声をかけても余計慌てるだけだと思うので、しばらく勇者を拘束しながら見学しといた。


「…いつもの事ながら余裕そうね、その態度だけは認めてやっても良いわ」

「まあ実際余裕だったしな…」


少し拍子抜けしたくらいだ。


そうしてしばらくボンヤリと眺めていると、向こうもこちらの勇者の存在に気づいたようだ。

王様っぽい格好の人がこの場を代表して近づいてきた。


「…まさかとは思うが、君達がその外道を拘束してくれたのかね?」


もはや王族達の間でも勇者ではなく外道扱いらしい。


「ああ、そうだよ。もう分かっているとは思うけど、この勇者のスキルで召還したアイテムであなたがたをコントロールしていたみたいだ。もう魔道具は破壊したから洗脳されている人はいないと思うけどね」

「…そうか、やはりヴァルキュリアの言っていたとおり、無暗に勇者召還などするべきではなかったのかもしれない。…礼を言おう少年。謝礼も含め詳しい話しをするためにも、今回は城に泊まっていくと良い」


ヴァルなんちゃらさんって人も勇者召還には反対していたみたいだな。

勇者の暴走をいったん抑えたのもこの人だったらしいし、いろいろと正確な判断ができる人のようだ。



「まあその辺は構わないよ。一応協力してくれた仲間もまだいるから、他のメンバーも一緒でいいかな?」


みんなもいざってときの保険のために頑張ってくれたしな、報酬を受け取る権利は当然ある。

余談だが、伯爵の家を飛び出してすぐにこういう事態になってしまったために、まだあっちのほうの報酬は受け取っていない。

まあいつか戻ったときくらいでいいだろう。


「構わぬ。それでは話しは明日にするとしよう、よくやってくれた」


どうもどうも。



その後は王城の騎士達が勇者を連行していき、魔封じの牢へと監禁したようだ。

…ただ気になるのが、あの勇者がどうやってガチャを回すだけの金銭をあそこまで補充できたのかってとこなんだよね。

なんかの拍子にまわしたとたん魅了魔道具が出たならまだしも、世の中そううまくいくはずがない。


おそらく何回も回すだけの金があったとみて間違いないだろうし、そうなると勇者を裏で支援していた貴族なんかがいる可能性もある…

…これはちょっと気をつけておいたほうが良いかな。


「じゃあみんなの所にいったん戻るかな」


オアシスのもとへ瞬間移動だ!


…すると王城付近の例の草むらに戻ってきた、…もう全員潜入済みだったようだ。

さすがファイス部隊だぜ…


「さすがファイス部隊だな、もう王城に潜入済みだったか」

「そのファイス部隊っての止めやがれ…お前の顔をみるに、もう勇者の奴はぶっ飛ばし終えたようだな」

「まあそんな感じだな」


ファイスたちには悪いが一人で全部終わらせちゃった感じだな。

でもなんかあったときのために保険は必須だし、これはしょうがないと思う。


…そしてその後、今回の経緯を皆に説明しておいた。

それぞれ勇者に対して思うところがあるようで、各自様々な意見が飛び交っているようだ。


「…それでそのあと、アイツが私のピンチに颯爽と駆けつけてきたんだからっ!よっぽど私のことが大事だったみたいね、…フフン?」

「えへへ、それは自意識過剰なんじゃないかな…?」

「ホ、ホホホホ。こ、この女、そろそろお灸を据えてあげないといけないですわね…」


…なんでや!

なんでちょっと目を離した隙にユリア爆弾が投下されているんだ…

おじちゃんもう対処できないよ、ファイス先生今回も守ってください!


………

……


「…あれ?ファイスどっかいった?」

「…ほんとだね。さっきまで難しい顔してなにかを考えていたみたいだけど、用事でもあったのかな?」


ファイスがいきなり消えていた…はて?


まあ、あいつのことだし、しばらく放置してたら勝手に戻ってくるだろう。

ほっとこ。




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