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閑話 私にだけ聞こえる声

閑話なので少し短いです

私の名前はミュラ・クロスハート6歳。

家はカーデリオン王国の公爵家で、代々武官を務めているすごい家系みたいです。

この家に生まれてきた長男・長女は国を支える相応しい人材になるために、とりあえず最低限の修行が5~6歳の頃から課せられ、最終的には家の跡を継いだり王族のお嫁さんとして家を出ていくことになるそうです。


…情報源は銀髪のメイドさんです。


ですが正直言って、私には王族のお嫁さんになる気もお父さんのような騎士になる気もなく、どちらかと言えば冒険者になりたいと思っていました。

…だって、勇者様はみんな冒険者だったんですよっ!

弟のゼノンがアベルに言い聞かせていた<テンプレ勇者>のお話しではそうでした、間違いはないはずですっ!


ゼノンはクロスハート家始まって以来の天才と言われているんですから、きっと今回も正しい事なんだと思います。


だから私は6歳になったある日、お父さんに騎士ではなく冒険者になりたいと相談しました。


「…ふむ、ミュラがもし本当にそうなりたいと思っているのなら、好きなようにするのがいいだろう」

「ほんと!?それじゃあ私は冒険者がいい!これで私も<てんぷれ>になれる!」


私はお父さんが認めてくれたのだと思い嬉しくなり、てんぷれ勇者の物語を思い出したりで妄想が止まりません。


「…だが、もしミュラが家を飛び出し冒険者になったときに、<上手くいかない>という理由だけで投げ出す事だけは許さない。本当に冒険者が嫌いになってしまったのなら仕方がないが、好きな事から背を向け逃げ出すような事だけはするな…約束できるか?」

「うん!」

「…よし、それじゃあ明日からは訓練内容を変更し…冒険者の訓練を始める」


そうして私は憧れのヒーローに一歩近づいたのでした。


明日からは冒険者の訓練です、それに備えて今日はもう寝るとしましょう。

…私は自分の部屋へと向かいました。



──その日の夜。



─聞こえますか?─


「んう…だーれ?……あれ?」


声が聞こえた私が目を擦り起床した時、周りを見渡してみましたが誰もいませんでした。

ただ、綺麗な声だけが聞こえてきます。


─どうやら無事にコンタクトが取れたようですね…よかった。私はこことは違う大陸にいる女神<アテナ>と言う者です、今回は折り入ってあなたに相談があり話しかけています。…どうか話だけでも聞いていただけませんか?─


「わーっ!これってゼノンが言っていた<ちーと回>ってやつかなっ!?やっぱり私はてんぷれだったのかもしれない!」


その声の主さんは何か用があるみたいでしたが、その時の私は不思議な現象に驚き、お話しを聞くどころではありませんでした。

…そして、気づいたときにはお話しは終わっていたようです。


─…ということなのですが、協力していただけませんか?─


「え?いいよ!やるやるっ!これで私も勇者様だっ」


─そうですか、ご理解いただけたようでなによりです。それでは貴方に全てを蹂躙する力を授けましょう…いずれ世界の全てが変わるはずです、…くふ─


綺麗な声がそう呟いた瞬間…私の体に何かが入り込み、目の前に文字が現れました。


【名前】ミュラ・クロスハート(アテナ寄生80%)

【種族】人族

【Lv】5


【ステータス】

魔力量:5000

筋力:100

耐久:100

持久:100

敏捷:50

賢さ:10

精神:9990


【スキル】



(ノーマル)

アクティブ:

元素魔法(火:Lv.2/水:Lv.4/光Lv.4/闇:Lv.4/無Lv.1)

隠ぺいLv.10

剣術Lv.1


パッシブ:

魔力感知Lv.10

魔力操作Lv.10



(エクストラ)


アクティブ:


魔法剣Lv.1

【説明:使用した魔法の効果を武器にも乗せることができる】


(ユニーク)


アクティブ:

神格化

【説明:1日に1回、1分だけ無敵状態になる】



(アンリミテッド)


アクティブ:

戦神アテナ

【説明:アテナをその身に降臨させる】



「…あわわわっ、なにこれぇ!?」


─それは更新されたあなたの能力です。私が知る限りその魔力量を超える者は存在しないでしょう─


「…ふむふむ、それなら私はもう冒険者になれるよね?お父さんに相談しよう!」


居てもたってもいられないというように、部屋を抜け出しお父さんに相談しようとしたとろで待ったがかかりました。

…体が動かないのです。


─言ったでしょう?力を与える代わりに、私の事をバラさずに力を蓄えるのが条件の一つだと。…それにまずは冒険者ではなく、騎士を目指し力を蓄えなさい。そして力を隠し、蓄え、ある程度成熟した頃…今度は直接あなたのところに迎えに行きましょう─


「あぅ…聞いてないよ?……ひっ」


なんの事かわからずに反論しようとしたところ、心の中から例えようのない恐怖がこみ上げてきました。

私はその恐怖に一瞬で屈してしまい、声の言いなりになるしかありませんでした…


もしこれがギール兄さんだったのなら…

弟のゼノンだったなら…




未来は変わっていたのかもしれません。



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