246 小学校入学 ①
あれから1年の月日が流れ、もうじき小学校へと入学する事になる。
そのため必要になる物を買うためにリストを持って少し離れた複合専門店へと来ている。
ここは少し値段は高いけど色々な物が階層ごとに置いてあるので殆どの物は買い揃える事が出来る。
「え~と・・・買うのは色鉛筆とクレヨンと絵の具に習字道具か。」
「そういえば小刀と彫刻刀とかも無かったかな?」
するとアズサが以前に入学した時の記憶から抜けている物を教えてくれる。
しかし、それに関しては既に皆は市販の物よりも良い物を持っているので買う必要はない。
「それは以前に渡した奴があるけど多分そっちの方が良い物だぞ。」
「そうなの?」
みんなそれぞれに厳島で回収して来た私物を渡してある。
その中には前世で使っていた道具類も入っていた。
しかもそれはアンドウさんに頼んでスキルで作ってもらい、俺が強化した物なので錆も浮いていない。
逆にそれでなければ工具の方が力に耐えられずに壊れてしまうので周りが危険だ。
「だから帰ってから使ってみて手に馴染まない様なら新しいのを作ってもらおう。」
「そこは買わないんだね。」
「レベル100を超えてるとその辺が大変なんだよな。だから他のも予備をしっかりと買っておこう。」
ただし、それ程までに力加減が下手なのは俺だけだ。
小学生の姿だと以前の能力に比べて10倍はあるので加減がかなり難しく、常に手加減のスキルを使っていないと生活すら難しいほどだ。
そろそろ手加減が上位のスキルに進化してくれないだろうか。
そして、それ以外だと文房具の定番で鋏やホッチキスなども購入し、新しい木槌も追加しておく。
「ねえ、お兄ちゃん。木槌なんて何に使うの?」
「し~・・・それは聞いちゃダメですよ。きっと私達に手を出した相手を呪い殺すために使うのですから。」
「それはありそうだね。」
するとアケミとユウナが背後でヒソヒソと会話を始めた。
しかし言っては何だけど、そういった奴は呪いなんて面倒な事はせずにこの手で始末する。
呪う方法は知っているけど材料を手に入れたり時間や条件があって面倒なのだ。
ちなみに教えてくれたのは俺のお嫁さんの1人であった安倍家のルリで彼女は色々な術を知っていて暇つぶしに教えてくれた。
「それよりも皆は買わないのか?」
「私は・・・買おうかな。」
アズサは今まで木槌を使った事は無いけどスキルと言うか魂が何かに反応したのかもしれない。
前世では箸よりも木槌を持って作業している時の方が長かったからな。
「なら私達も買っておこうかな。そうすればみんなお揃いでしょ。」
「そうですね。杖で殴るよりは良いかもしれません。」
危険な事を言っているようだけど3人の外見を一言で表せば紛れもなく美少女だ。
たとえ幼くても周囲の視線が向く時も多く、変な奴らが湧いてもおかしくはない。
それに今は少なくても成長すれば悪い虫は絶対に寄って来る。
俺の方で可能な限り始末・・・ゴホン!
追い払うつもりだけど1人だと必ず穴はあるから自衛は必要だ。
ただし、あの白い木槌が赤く染まらない様に頑張らないといけない。
その後は買い物を終らせ、お昼にはしっかり過ぎる程のご飯を食べて店の人を驚かせて家に帰って行った。
そして家に帰るとそこには今では違和感を感じる事の無くなったゲンさんとトウコさんが茶を啜っている。
どうやら俺達の両親も全員集まっている様で何か大事な話をしていたようだ。
「それで今日は急にどうしたんだ?確か予定は無かったと思うんだけど。」
「そうじゃな。まずはこれを見ると良い。」
そう言ってゲンさんは俺達4人にそれぞれ紙を手渡した。
そして、それを読むと最初に「九十九学園入学推薦状」と書いてある。
推薦者は学長であるゲンさんと経営者のトップであるトウコさんだ。
確かここの小学校に入学するには2通りの方法があって1つが今の様な推薦入学と、もう1つが試験によって合格する方法だ。
試験に関しても2通りあり、頭で合格するか肉体で合格するかのどちらかになる。
但し卒業までに成果が出ないと一般の中学へと追い出されるのでかなり厳しい。
「ちなみに俺達は卒業までに何をすれば良いんだ?」
「その心配は無い。お前たちは既に大学までの資格をクリアしておるからな。」
「もしかしてこの資格の事か。」
そう言って俺は戦闘許可証、魔法使用許可証、特殊医療行為許可証を取り出した。
どれも子供では取る事がほぼ不可能と言って良い物ばかりだ。
「そうじゃな。その特殊医療行為許可証だけでも既に就職先は引く手数多だからな。もちろん戦闘許可証もあるに越した事は無い。何せあの学園は儂らが作った場所じゃからな。」
そういえば以前に行った時にもアイコさんとヒョウドウさんが物騒な会話をしていたので、なんだか世紀末学園みたいなところを想像してしまいそうだ。
「それで今年は何クラス作るつもりなんだ?」
「2クラスじゃな。中学からは小学生の時の数から1~2クラス追加すると決まっておる。高校からは幾つか専攻で分かれるようになるな。」
ちなみに小学校に関してだけは毎年クラスの数が違っていて3クラスの時もあれば4クラスの時もある。
簡単に言えば才能のある子供が多い時ほどクラスは多くなるという訳だ。
必ず一般入試で1クラスは作るらしいので今回は推薦と合わせて半々と言った所だろう。
そこから考えると今年は不作と言える年だったのだと予想が出来る。
「それなら学費の方はどうなんだ?あそこは私立だからそれなりに高額だろう。」
「小学校から大学までとなると1人が1500万と言ったところか。」
確か今の金の価格がグラム5000円って所だ。
それなら4人分で6000万円だから金が1,2トンもあれば十分に賄えるだろう。
「それならトウコさんにまたお願いがあるんだけど。」
「なに?」
「金とか宝石とか買い取ってくれる人を紹介して欲しいんだ。実は大量にあって売るタイミングを狙ってたんだよね。」
俺が転生してすぐの頃は金の値段が上がり始めて数年と言った所だった。
でも今は更に高くなっていてこれからも上がり続けるだろう。
「見せてもらっても良い?」
「良いよ。」
ただ、出すのは小判ではなく砂金の方だ。
金脈を発見してゴッポリと持ってるけど売るには身分証が必要になる。
それで年齢が分かるので姿を変えて売りに行く事も出来ない。
子供がこんなのを大量に持って売っていると怪しまれるのは確実だ。
「凄い量だけどどれくらいあるの?」
「これで1割くらいかな。いまの上がり続ける金の価格を考えるとしばらく持ってればそれだけで利益が出るんじゃないか?」
「そうね。『チラ。』」
そしてトウコさんはアズサの顔色を確認してから大きく頷いて見せた。
どうやらこの交渉は本人としても十分に納得のいく物だったらしい。
「それを大学にまでの資金に割り当てます。不足分は再度請求する事もあるけどそれは構わないわね。」
「ああ、そうだった。それと宝石の鉱脈もあって沢山持ってるんだった。」
そう言って原石ではあるけど大人の拳くらいの物を幾つか並べておく。
俺にはあまり価値が分からないのでこれも売ってもらいたい。
「・・・あなたはこういうのを何処で拾って来るの?」
「海の底から。世界中の海を50年かけて探し回ったら沢山見つけたよ。欲しいなら幾つかあげるけど。」
そう言って追加で幾つか渡しておけば追加を寄こせとは言われないだろう。
「くれるなら有難く受け取る事にするわね。暁に頼んで職人に加工してもらえば入学式には間に合うかもしれないし。」
「間に合った時には見れるのが楽しみだ。」
ただ宝石の原石に関してはカッティングなどの都合で元のサイズよりもかなり小さくなるらしいから、あまり期待しない方が良いだろう。
ただこれで俺達の学費の心配は消えたので10年以上は安心して学校生活を送れそうだ。
その後、俺達は推薦用紙に名前とサインを書き、その横に拇印を押して手続きを終了した。
これで来年度からは九十九学園の生徒としての生活が始まるだろう。
そして用紙を受け取ると次に説明用のパンフレットを渡された。
どうやらこれには学業に必要な物が書き込まれており、注意事項とかも書いてある。
まずは必要な物を見てみると今日買って来た物と変わらないようなので追加で買いに行く必要は無さそうだ。
ただし最後に自分が必要と思う物と追記がしてあるので、これは既に頭角を現している者に対して言っているのだろう。
人によっては既に自分の手足の様に使える道具を持っている可能性があり、俺なら剣やナイフと言った所だろう。
ただし銃刀法は守る様にと書いてあるので気を付けないと怒られてしまいそうだ。
それに関しても俺達は既に戦闘許可証を持っているので関係は無い。
「そういえば各校舎にヘリポートが設置してあるみたいだな。」
「空歩通学者の為に作ってるの。皆も申請はしておくから初日から飛んで来ても良いわよ。満員電車って危ないでしょ。」
そう言っているのはトウコさんだけど言葉の穏やかさと違って体からは殺気を放っている。
もしかすると痴漢にでも遭った事があるのかも知れない。
恐ろしい事をする奴が居たものだけど、きっとその時の痴漢は手首から先が失くなっているだろう。
電車内での殺人事件がニュースになっていないので多分生きているはずだ。
「それには賛成ですね。俺も何かあった場合は電車を脱線させかねません。」
それどころか車内に惨殺死体か撲殺死体が出来上がる可能性が高い。
今はともかく今後を考えると最初から公共交通機関は使わない方が良いだろう。
最悪のケースとして攻撃と判断した不思議防御壁が完全に衝撃をブロックする事になり、そうなると気付かない可能性もあって触られ続かる事になる。
たとえ直接触られていないとしても悪意を持って痴漢をしている奴を俺が許す可能性は0と言っても良いだろう。
それはここに居る全員の総意であり、この家にそれを止める者は1人も居ない。
逆に何もしないで見逃した時には制裁が加えられることになる。
「もし起きた時の事は置いとくとして制服は無いみたいだな。」
「小学生の間はね。中高は一応作ってるけど着るかは自由選択にしてあるわ。特にスカートだと飛んでいる時に見えちゃうしね。」
「御尤もです。」
これに関しては以前にアケミとユウナの制服姿を既に見ているのでアズサのも見たいというのは俺の我儘だろう。
ただし俺がお金を出して頭を下げれば着てくれるかもしれない。
いざとなれば初日だけ着てもらってその日は車で通学にでもするか。
しかし、それはまだ6年以上も先の話なので、その時になってから土下座するかどうかを考えよう。
・・・今の内から練習しておこうかな。
「その時には更衣室を準備しておくから楽しみにしてるわね。」
「ク!心を読まれたか。流石トウコさんだ!」
「フフフ、心の声が駄々洩れよ。」
「何と!」
どうやら心を読んだのではなく声に出ていたようだ。
なんだかアズサからの視線が冷たく感じるけどアケミとユウナは少し楽しそうに笑っている。
だって見たいものはしょうがないじゃないか。
これも男の性と言って間違いない筈だ。
良し・・・今日から1日1分は土下座の練習をしておこう。
そうすれば約6年半はあるから40時間くらいは練習できる。
それくらい時間を掛ければ称号かスキルをゲット出来るかもしれない。
ローマは1日にしてならず!千里の道も1歩からだ!!積み重ねこそが最大の力となる!!!
「コイツはいつもながらに残念な奴じゃな。」
「情熱の方向性が頻繁にズレてるのよね。」
ゲンさんとトウコさんが何か言ってた気がするけど気のせいかな。
なんだか生暖かい視線を感じるけど何か可笑しな事でもあったのだろうか。
そして2人とも大まかな説明を終えるとニコニコしながら帰って行った。
その後を大まかに言えば俺だけが忙しい日々を送っている。
いつの間にか週に2日だった訓練教官が5まで増え、日本中を飛び回る様になっていた。
そのため家に居ない事も多くなったので今ではアズサとアケミとユウナの3人が付いて来る事も多い。
その代わり3人には救護班や魔法の訓練に参加してもらっている。
そのおかげでお金を持っていなかったアケミとユウナも少しはお金が入る様になり、自分で服を買ったり食べ歩きが出来るようになった。
それにやっぱり女の子の服は子供用でもそれなりの値がする。
中身はお年頃なので今までは気を使って我慢をしていたのだろう。
そして、そんな事をしているとあっと言う間に入学式の日がやって来た。
「みんな綺麗におめかしをしてるね。」
「だってこれでやっとハルヤと一緒に九十九に通えるんだもん。この日を何度も夢にも見てたんだから。」
「私だってそうなんだよ。兄ちゃんが怠けて約束を守らないからいけなかったんだからね。」
『グサ!』
「以前はギリギリセーフでしたけど、やっぱり一緒に学生として通いたかったです。」
『グサ!グサ!』
「グフ!・・・申し訳ございません。」
あれは紛れもなく俺の過失だ。
全ての努力を怠り落伍者へと成り下がっていた。
恐らくはあの時にダンジョンが発生しなければアズサとの繋がりも一生取り戻す事は無かっただろう。
そしてこの半年の成果を見せる様に自然とその場に手をついて見事な土下座を披露するのだった。
「ハルヤ・・・本当に練習してたの?」
「いえ、まだまだ拙いものですがお納めください。」
「・・・分かったからちょっと立って。」
そう言ってアズサは俺の体を掴むと綿でも持ち上げる様にヒョイッと簡単に立たせてくれる。
さすがレベル100は飾りでは無いらしい。
「なら俺は何をもって償えば良いんだ・・・。」
俺の頭ではそこからの事がまるで分らない。
たとえ加護で頭が良くなったとしてもこの事に答えが出た事は無い。
やっぱり今も昔も俺が馬鹿である事に変わりはない様だ。
「ん~と、それじゃ・・で返して。」
「ん?もう一度言ってくれないか。」
急に小声になるから肝心の所が聞こえなかった。
すると顔を赤くしているアズサが更に顔を赤くして俺の耳元に顔を寄せるとちゃんと聞こえる声で呟いてくれる。
「愛で返して。」
そう言ってアズサは微笑むと頬に軽くキスをしてくれる。
それは以前にもまして初々しくて苺の様に甘酸っぱい気持ちが胸の底から湧いて来る。
するとすぐにアケミとユウナも飛び付いてくると左右から同時に頬へとキスをしてくれた。
「私も愛があれば十分なんだよ。」
「相思相愛が最強です。」
どうやら難しく考え過ぎていただけらしく俺だって皆の事を心の底から愛している。
しかし愛で片付けるのは甘えではないかと思っていたけど皆はそれで十分だと言ってくれる。
それに200年以上も生きた今でも俺は3人に心を救ってもらうばかりだ。
「ありがとう。この命が燃え尽きて魂が砕けるまで俺は皆を愛し続けるよ。」
そう言って3人を抱きしめると同じように頬へとキスを返した。
ただし良い雰囲気の背後ではツクヨミたちの鋭い視線が飛んで来ている。
彼方も最近はゲームばかりしていたのであまり構ってやれてなかったけど、そろそろ俺もゲーマーとしての力を見せつける時が来たかもしれない。
そう!これは生まれ変わった俺の力を見せつける時なのだ!
但し、今は入学式が最優先事項なので、そちらは帰ってからとさせてもらう。
「それじゃあそろそろ行こうか。」
「うん!」
「は~い!」
「ここから私達のレジェンドが始まりますね。」
ユウナの言う通りだで今は本当に生まれ変わった様に体と心が軽い。
さあ、会場へと出発しよう!
「「「その前に!」」」
すると出発しようとした直前にアズサ達に止められてしまった。
既に準備万端のはずなのにどうしたと言うんだろうか?
「もしかしてその恰好で行くの?」
「え?もちろんだよ。これは俺にとって一番動きやすい服装なんだ。」
この服は靴下とシャツは各100円でズボンとパーカーが各300円と超お手頃価格だ。
最近は子供服でも男物は安いのが売っており、それぞれに変なキャラが縫い付けてあるけど見た目よりも安さだろう。
「「「アウトーーー!」」」
すると3人から息の合ったダメ出しをされてしまった
俺は再び理解が追いつかず混乱の中でされるがままに服が脱がされてしまう。
しかもユウナがパンツまで脱がそうとしたのでそれは全力で阻止させてもらった。
そして、いつの間に買っていたのか黒めのデニムジーンズと赤いシャツを着せられ緑の靴下に足を突っ込まれて最後にズボンと同じ色合いのデニムジャケットを着せられてしまった。
もしかすると日頃の行動から俺がどんな服装で行こうとするのかを読んでいたのかも知れない。
しかし生地を見てもしっかりした物でどう見ても安物で無いのが分かる。
下手をしたら総額が最初に着ていた服と比べて2桁は違うかもしれない。
そうなると・・・これは・・・1万円以上もするのか!
「そ、そんな・・・。俺は皆にそんな散財を・・・。」
「何で6000万円相当の金を出したり億はしそうな宝石の原石をポンと出すのに服にお金が掛けれないのかな?」
「装備品ならお金なんて気にせずに作るのにね。」
「お兄さんは時々基準がおかしいです。」
俺は散々に言われながらも心の中では言い訳を呟いている。
あの6000万円は皆と楽しく学校生活をする為だし、装備品は皆が怪我をする可能性を1パーセントでも下げる為だ。
俺のはついでやオマケみたいな物なので本音を言えば残った材料を繋ぎ合わせた物でも構わない。
ただ、何時もツバサさんに依頼するとちゃんとした物を俺にも作ってくれていただけだ。
だから俺の基準は常に俺以外の大事な人が最優先になっている。
それに実を言うと最大の懸念があり、今日は可能な限りお金の掛かっている服は身に着けたくないのだ。
「ありがとう。なるべく壊さないようにするよ。」
「大丈夫だよ。ハルヤなら簡単に壊さないから。」
「そうだよ。誰がそんな事を出来るの?」
「私も想像が出来ません。」
もしかすると皆は忘れてるかもしれないけど入学式には毎年恒例のデモンストレーションがある。
それに巻き込まれると俺でも無傷では居られないかもしれない。
「ゲンさん。それとトウコさんも怪しそうだよね。」
「「「あ!」」」
ようやく思い出してくれたみたいで聞いた話だと去年もかなりの大立ち回りを演じたらしい。
相手をしたのはアンドウさんとツキミヤさんらしいけど大敗したと言っていた。
すなわち去年の入学式で全力を出せなかった2人のフラストレーションは今年まで持ち越されている事になる。
そうなれば今年は去年以上の事が起きても不思議ではない。
「俺がどうしてあんな格好だったか分かってくれた?」
「ん~~~・・・信じてるからね!」
「お兄ちゃんならだいじょ~ぶ!」
「愛があれば無傷で勝てます!」
すると3人は微妙な態度で両手を握り締めて強気な声援を送って来るので、これは今まででは最大の試練と言う事になる。
負ける気はサラサラないけど無傷という点がハードルを高くしている。
これは久しぶりに殺す気で戦う必要がありそうだ。
又はゲンさん達が自重してくれる事を願うか・・・それだけは絶対に無さそうだな。
そして覚悟を決めると今年最初の決戦の地へと向かって行ったのだった。




