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235 現代の状況

病院に到着するとそこには既に結界が張られていた。

しかも、その周りには沢山の魔物が群れを成し結界を破壊しようとしている。

周囲では人の避難誘導が開始され、数人の警察官が戦っているのも見える。

どうやら今の日本では警察が魔物の相手をするのは珍しくないようだ。

その中にハルアキさんの姿が無いのは結界を維持するのに集中しているかアズサとアイコさんをを守っているからだろう。

結界の中には多くの一般人も避難をしているので、この状況も仕方が無いかもしれない。

しかしそのおかげで十分に考える余裕がある。

俺はこの時代が法治国家である事を考慮しながらこれからどうするかの考えをまとめて行く。


「まだ身バレは得策じゃないよな。」


正体がバレてしまうと報道関係が色々と面倒になりそうだ。

それに今は試験を受ける資格はあっても資格そのものは持っていない。

戦闘に参加するためにどんな資格が必要なのかも分からないし、今後に資格を手にするために違反行為はマイナスとなるかもしれない。

今はまだ顔くらいは隠した方が良いだろう。

そういえば人間に転生した時にスキルの1つが変化していたのを思い出した。

アレを使えば正体もバレずに戦いに参加できるはずだ。


「悪いけど他の人間は後回しだな。現況をどうにかしないともっと多くの魔物が集まってきてしまう。」


俺は子供の姿で魔物の間を擦り抜け結界の中にある病院へと入って行った。

さっきから見ているけど魔物は通れないけど人間は素通りできるようなので、さすがハルアキさんの張った結界は性能が高い。

そして病院内で混乱する人々を躱しながらアズサの許へと向かって行くと目的の場所へと到着した。

ただ、ここは数日前までは俺が居た場所でもある。

既にスキルで何処に居るかは分かっているので迷う心配も無い。

ここに居た間は暇だったのでスキルや周囲の確認くらいしかやれる事が無かったからな。


「それにしても予想よりもずっと早かったな。まさか本当にポンと産んだんじゃないだろうな。」


そんな事を言いながら扉を開けて中に入るとそこではアイコさんが赤ん坊のアズサを抱いて世話をしている。

しかし俺が入ってすぐにその視線がこちらに向きを変え、言葉にならない声を出しながら手を伸ばして来る。

俺は逸る気持ちを抑え込みながらアズサの前まで行くと小さな手に俺の手を差し出した。


「ただいまアズサ。」

「あふは~。」


そして俺の手を握ると赤ん坊では考えられない力を込めて来る。

これで言葉にはならなくてもこれが俺の知っているアズサだと教えてくれる。


「今回はお前に悲しい思いはさせないからな。」


そして以前にミズメが使っていたリボンを取り出すとそれでアズサを覆い、ハルアキさんへと視線を移した。


「ここはお任せしますね。」

「もともとそのつもりだよ。ハルヤ君もヤリ過ぎないようにね。」

「その保証は出来ないかもしれませんね。」


こうして大事な人たちと接するのも100年ぶりくらいなので、どうしても心の昂りを制御する自信が持てない。

そして来た道を今度は外へ向かって歩き出し、昔使っていたフードの付いたマントを頭から被った。

更に最も長い相棒であるSソードを手にすると半獣人のライオンタイプに姿を変える。


ちなみにライオン以外にも狼、山羊、鯨に姿を変える事が出来るので、これなら俺だとは到底思わないだろう。

そして病院から外に出ると刀で武装した警察官たちが命懸けの攻防を続けていた。

しかし既に満身創痍の者も多く結界内に避難して寝かされている者も多い。

それに今はさっきまでは居なかった私服姿の人達も戦っている。

恐らくここの近くに居た戦える者が有志で集まって来ているのだろう。

それなりに動きが良い者も居るので組織から応援が来ているのかもしれない。


「前衛は居るけど後衛が不足気味か。そうなると倒れている奴らを最初に回復させるか。」


病院から医者が出てきて魔法で治療しているけど全く間に合っていない。

あれでは戦線に復帰する頃には戦いが終わっているだろう。

それに傷は癒せても欠損部はそのままだ。

重傷者もかなり居て腕が取れかけていたり、指や耳を失った者も居る。

目が抉れている者も居るので早く治療してやるのが良いだろう。

なにせ彼らはアズサを含めたその他大多数を助けるのに怪我をしているのだ。

そう考えれば足先から頭の天辺まで、天然ハゲ以外は全て治してやろう。


俺は歩きながら倒れている奴らを順番に回復させていく。

そして、それが終わると魔物が集まる結界の方へと向かって歩き出した。


「せ、先生!怪我人が全員回復しました!」

「なに!誰がこれほどの処置を!?失ったはずの手足まで生えているぞ!」


なにか後ろが騒がしいけど治ったのが分かったなら早く叩き起こして戦闘に復帰させて欲しい。

せっかく魔物が攻めて来てるのだからレベルを上げる大チャンスだ。

ただし、だこのままだと死人が出るのも時間の問題なのでとっとと介入して数を減らす事にした。

俺は駆け出して魔物の中に飛び込むと刀身を伸ばして周囲に居る魔物を一掃する。

すると目の前から魔物が消えた事でこちらに視線が集中しその中の1人から声が掛かった。


「そこの君は何者だ!そのフードを取って顔を見せなさい!」

「ふっふっふ!」


そう言ってくれると思ってたぞ。

さあ、この姿を脳裏に焼き付けるが良い!

俺はニヤリと笑みを浮かべるとマントをバサリとなびかせてフードの下から顔を半分ほど覗かせた。


「我が名はライオンマスク!君たちの危機を見過ごせず参上した。」

「「「・・・。」」」


あれ?何故か反応が返って来ないうえに呆れた顔を向けて来てるぞ?

俺が倒したのなんてほんの一部なんだから早く動かないとまた囲まれちゃうよ。


「おっと、空からも魔物が来たな。・・・ゴアーーー!」


この姿だと咆哮の威力が跳ね上がるから1撃で全滅させる事が出来た。

後は地上の奴等を倒し切れば大丈夫だろう。

それに警察関係の応援だと思うけどスナイパーも配置に付いている。

さっきまで怪我をして気を失っていた人たちも戦闘に復帰し始めているので少しは持ち直すはずだ。

しかし、この姿なら驚きか喝采を送られると思っていたのに、あまりにも反応がおかしい。。

ん~・・・やっぱり体が小さい状態で鬣が無いのが原因かもしれない。

これだと長靴を履いた猫が良いところなので次回からはもっと見た目にも気を使おう。


そう考えている間にも俺の腕だけはしっかりと仕事をして魔物を殲滅させている。

周辺の魔物に対して挑発と漢探知を使えばあちらから襲い掛かって来てくれるのでとっても簡単だ。

そして、そろそろ終わろうかという所で足元から地響きが聞こえて来た。

しかし、この感覚には覚えがある・・・と言うよりはこれを俺が忘れる事は絶対にない。

それに空間把握を足元に向けると予想通りの魔物が地面の下を突き進んでいる。

そして結界を超えた所で向きを変えて地上へと飛び出して来た。


「キシャーーー!」

「な!魔物が結界内に入ったぞ!」

「全員で直ちに討伐に向かう!」

「その必要はない!」


俺は周囲の魔物を放置して最優先でそちらの魔物へと向かって行った。

何故ならコイツは俺とアズサにとっては憎むべき相手で、この時代では最優先で倒すべき魔物だからだ。


「この百足野郎が!お前だけは絶対に逃がさねーからな!」


コイツは俺が高校に上がる前にハルアキさんがその身を呈して封印した魔物で間違いない。

俺は怒りを込めて拳を叩き付け上半身を粉砕すると下半身を石の槍で地面に縫い付け、炎の渦に閉じ込めて完全に焼却してやる。

霞になるまでとか悠長な時間や思考は一切なく、完全な消し炭になる様に一瞬で焼き尽くした。


「これでここも大丈夫だな。」


さっきまでは生まれたアズサに引き付けられて集まっていた連中も、リボンのおかげで今はアイコさんにだけ引き付けられているはずだ。

だから誘因力はかなり低下しているので俺の関知範囲内では魔物は向かって来ていない。

ここに居る奴等を片付ければ終わるはずなので後の残りは任せても大丈夫だろう。


「これでヒーロータイムは終了だ。後の処理は任せたからな。」

「お、おい待て!」

「それではさらばだ!シュワッチ!」


俺は何処かのヒーローの様に空の彼方へと飛び上って消えて行った。

そして肉眼で捉えられない距離から降下して家に戻っていく。

病院にはハルアキさんの結界があるし今はこれで大丈夫だろう。

何かあれば再び勇者の称号が反応して呼んでくれる。


その後は無事に家まで到着すると中に入って再び椅子に座った。


「ただいま。この時代でも魔物って結構いるんだね。」

「・・・ああ!ハルヤなのね。一瞬誰かと思ったわ。」


そう言えば変身を解いてなかったな。

俺はその場で元に戻ると大きく一息をついた。

やっぱりこっちの方が動きやすくて息もしやすく、獣の場合は舌が長くてちょっと呼吸の邪魔になる。

そしてテレビを見るとついさっきの事なのに既にニュースで報道されていた。

どうやら今回の事ではかろうじて死者は出なかったみたいだ。

ただ魔物が襲撃して来た原因は不明と出ているけど、これについては信用しない方が良いだろう。

組織があの時から今に至るまでちゃんと存続し続けて来たのなら何らかの文献は残っていてもおかしくない。

ハルアキさんも居るので何らかの情報は既に持っているはずだ。


しかし警察官へのインタビューで気になる事を言っている。

そのため耳を傾けて詳しい内容を聞いていると無意識に首が傾いてしまった。


『それで、今回は謎の人物が現れたという話ですが?』

『何でもその者はライオンの様な姿をしていたと言っている人も居ますが何者なのでしょうか。』

『それに関しては既に目星は着いています。近日中には相応の対処をさせていただく予定ですのでご安心ください。』


まさか、あの状況で俺の真の姿を見破った奴が居るのか?

しかし、あそこに居た連中でそこまでの力を持っている奴は居なかったはずだ。


「それにしてもハルヤは強くなって帰って来たんだな。」

「そうね。日本史の教科書にも出てたけど想像以上ね。」

「は?歴史?教科書?」


一体何を言っているんだろうか?

俺がそんな物に載る様な事を仕出かした記憶が思い当たらない。


「世界史にも出てるからな。ライオンならアフリカ辺りだったか。」

「でも各地で子供に聞かせる様な物語も幾つかあるわよね。ヨーロッパとアメリカ辺りはそっちも多いわよね。どっちも呼称は悪魔王だけど。」


なんだか父さんと母さんの話はよく分からないけど、リクさんとナギさんの言っている事には心当たりがある。


「そういえば少し前に映画でやってた『タイタニッ〇』でも最後に出てたらしいじゃない。」

「最後に鯨が人々を助けるなんて馬鹿々々しい展開だと世間で騒いでたが制作側も色々な証拠を出して史実だと反論してたぞ。」

「あれ程の魔法が使える者は限られるからすぐに身バレしてしまうな。」

「それに毎回同じ名前を誰かに名乗ってるものね。それにこれ。」


そう言ってナギさんは雑誌を開いて俺に見せてくれる。

それには何処となく見覚えがある様なゴミの写真が載っていた。

恐らくはコンビニやスーパーでも買えるオニギリやお菓子の袋だろう。

ただ、よっぽど古いのか字は擦れて読めなくなっていて、それを現代の科学で分析しているようだ。

それによれば今から十数年後の賞味期限が書いてあるそうだけど、これは数百年前から保管してあったらしく、それが世界の各地で発見されているらしい。

なんでも教皇庁でも保管してあったらしく、そちらはコーヒーに合うお菓子の袋だ。

そういえばアンドウさんに頼まれて少し譲った事があったな。


「きっと俺が処分するのを忘れてた奴だね。」

「ゴミはしっかりと処分しないとダメよ。地域によっては美術館に保管されてたり、国家機関が保管してたり、オーパーツとして崇めてる所もあるらしいわよ。」


そうならない様になるべく集めて処分していたのに途中からは俺が見ていない所で食べられたりしていたので目が行き届いていなかった。

それにしても俺の関わっている事で幾つも歴史が変わってるようだ。

これだとイザナミ様にアズサ達と再び出会えるようにお願いしておいて正解だった。


「この調子だと歴史も変わってそうだし色々と習わないとダメだね。」

「その辺は大丈夫よ。そういうのは全て学校で教えてくれるから。ハルヤはそれまでに以前との違いを修正しておきなさい。」

「そうするよ。それよりもお客さんだね。」


なんだか凄いデジャブを感じるけど家の周囲をパトカーが囲んでおり、まるで犯罪者を逃がさない様に包囲しているようだ。

そして、その中の1台からと言うか、見慣れたバイクから下りて来た若い男性が扉の前までやって来た。


『ピンポーン!』

「あ、俺が出るよ。」

「お願いね。」


そう言って立ち上がると玄関へと向かって行く。

そして扉を開けると見覚えのある面影をした男性が俺を見下ろしていた。


「よ!久しぶりだなハルヤ。」


そう言って白い歯をキラリと光らせているのは爽やか笑顔を浮かべるツキミヤさんだ。

以前は刑事だったと思うんだけど今はちょっと様子が違う。

腰には刀を差し、手足の見える所には手甲などの装備を身に纏っている。

上半身にも服で見えないけど鎖帷子のような物を着こんでいるようだ。

しかし、さっきの戦闘現場には居なかったので向かっている途中だったのだろう。

この人の戦闘は人機一体のアクロバティックな動きをするのでとても目立つので居れば絶対に分かる。

それにこの人が居ればあそこまでの状況にはなっていなかっただろう。

なにせその横には光学迷彩を使って姿を隠しているハクレイも一緒に居るからだ。

この時代には居ないはずなのに何でここに2人で一緒に訪ねて来ているのだろうか?


「まあ、立ち話もなんだから入ったらどうだ。」

「ああ、それじゃあお邪魔しようか。色々と言わないといけない事もあるからな。」


どうやら俺の事は既にバレていると言っても良いだろう。

ハクレイなら姿を変えても見分けることが出来そうなのでしらばっくれても意味は無さそうだ。

そして、部屋に戻るとハクレイも光学迷彩を解いてツキミヤさんと一緒に余っている椅子へと着席した。

ただし、その姿は以前のメタリックな外見とは大きく異なる。

これではまるで俺達と同じ人間と全く見分けが付かない。


「その体はどうしたんだ?」

「こちらの世界に来る前に再生技術で作って来た物です。99,99・・・パーセントこの世界の人間に似せて作りましたから・・・その、子供も作れるのですよ。」

「そ、そうだったのか!」


するとハクレイの横に居るツキミヤさんが声を上げて驚いた。

どうやら子供が作れる件に関しては知らなかったみたいだ。


「それはよかったな。それで、クオナはその事は知っているんだよな。」

「もちろんです。母は今もこの世界に居ますが此方と彼方の世界との関係を繋ぐための架け橋になっています。この世界で言えば海外派遣をされている外務省の役員と言った所でしょうか。」


そう言えば鯨の時に一度だけ会っただけで、その後は1度も会えずに気にはしてたけど元気にやっているみたいだ。


「それなら何で光学迷彩なんて使ってるんだ。普通に来れば良いだろ。」

「今は色々とあって、この人も今は大学生ですし、私も同じ学校で・・・ゴニョゴニョ。」


すなわちツキミヤさんは警察官ではなく現地協力者みたいな感じなんだな。

ハクレイは学校に通う必要は無いだろうに一緒にラブラブなキャンパスライフを満喫しているという事か。

この調子なら周囲に話していない秘密も多そうだな。


「細かな所までは詮索しないから仲良くやってくれ。それよりも話があって来たんだろ。」

「そうだった。これをお前に渡さないといけないんだ。」


そう言ってツキミヤさんは俺に数枚の紙の入った封筒を差し出して来た。

開けて中を見てみると俺のこれからの予定がびっしりと書き込まれている。

どうやらあの人も無事にこの時代へと転生を果たしているみたいだ。


「この形式はアンドウさんからだな。いつもながらに厳しいスケジュール管理をしてくる。」


あの人とはアメリカで別れてからは1度も会っていない。

ただ船を動かす時の予定表には分単位での予定が書き込まれ大変だったのを覚えている。

だから出発はともかく、到着時刻の調整が大変だったのは今でも良い思い出・・・とは言えないな。

ハッキリ言って後半の方では次第に時間短縮もされてノイローゼになりそうだった。

そのくせ本人はアメリカ先住民の代表だから各国の王や教皇と優雅にコーヒーを楽しむ始末。

俺だけあんなに働かせやがって現代なら訴えられてもおかしくないぞ!


と、既に時効になっている事を言っても仕方ない。

それに前々世の事なのでいまさら言っても意味の無い事なうえに山羊を扱き使っても罪には問えないと思う。

それよりもこの予定表が問題だ。

何でも学校の無い子供の内に必要な資格を取っておくようにと言うことらしい。

それには俺も賛成だけどかなりの数がある。

するとツキミヤさんがさっきから幾つもの荷物を取り出しているのが目についた。


「何をしてるんだ?」

「いや、資格に関しての教本だよ。これを読まないと始まらないだろう。」


俺はその1つで水上歩行についての本を手に取ってみる。

その中にはすれ違う時にどちらを通るとか、背負って移動する時は何人までとか、非常時の時は救助に参加する必要があるなど色々と書いてある。

所謂、常識的な範疇の事が書いてあるようだ。

後は歩ける距離で免許のランクが決まるらしいけど、そんな制限がある事を初めて知った。

覚えたのがオーストラリアにアイコさんを迎えに行った時であまり余裕が無い時だったからな。


ちなみに空歩についても同じような事が書いてある。

今の俺なら数千キロは歩けるだけでなく飛ぶ事も出来るのであまり関係が無さそうだ。


「戦闘に参加するのにも資格が要るのか。」

「それに関してはこの部屋だとハルヤ以外は持ってるぞ。それは実技と簡単なアンケートだけだから余裕だろ。」


確かにそれに関しては紙が1枚あるだけだ。

見せてもらうと本当に常識的な事が書いてあるだけだった。


「何々、『アナタは他者とトラブルになった時にはどうしますか。言葉で話し合う・肉体言語で話し合う・威圧する』これは簡単だな。肉体言語で・・・イヤ、ここは威圧しながらの方が効果的か。でもそうなると答えが2つあるぞ。もしかしてこれは答えを選ばないのが正解なのか!」

「「「・・・」」」

「これは常識から教えないとダメね。」


俺が回答に悩んでいると周りから溜息が聞こえて来る。

しかし確かに俺の頭にあるのは戦国時代での常識が一番多い。

これだと私生活すら苦労しそうだから早くこの時代に合わせた常識を取り戻さないといけない。

それに俺が現代で取った資格なんて車の運転免許くらいだ。

だからこんなに資格を取る様になるとは思わなかったけど頑張る他に道は無い。

まあ、資格なんて取ってしまえば後は惰性でどうにかなるものだ


「まあ、これから頑張って資格を取っていくよ。」

「そうしてくれ。」


そして定期的に開かれている資格試験で一番最初に取る様に書いてあるのは非常時における戦闘参加資格。

これを取らないと武器を持ち歩けば銃刀法違反になってしまうため、試験に備えて次の週末に行われる試験に参加する事となった。

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