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213 邪神が封印された世界で ②

俺達は祭りを周りながら町を歩いているけど俺達だけが楽しんでいるのは良くないだろう。

こうしている間も1人のくノ一が密かに俺達の後を尾行しながら警戒をしてくれている。

しかし気配を殺し、店や屋台も覗けないのなら祭りを楽しむ事も難しそうだ。


「ハルカちょっと来てくれ。」

「もしかして何か問題でもあったの?」


するとハルカは素早く影移動すると姿を見せずに足元から声をかけて来る。

最近は本当に本物の忍びみたいになって来たので最初に比べると自然と笑みが浮かぶ。


「今日は家族が増えた祝いだからお前も参加しろ。」

「い、良いわよ。家族水入らずに私が居たら邪魔でしょ。」

「良いから出て来い。お前も今は家族みたいなもんだろ。」


それにさっきからミズメがハルカの事を気にして視線を彷徨わせている。

ただ、そんなに甘い潜伏はしてないのでレベルが高いだけでは見つける事は不可能だ。

最低でも同レベルでスキルを完全に使いこなさないと気配を感じる事も出来ない。

今のこの町でコイツを見つける事の出来る奴が何人いるのだろうか。


「でも良いの?私はくノ一だよ。」

「そこも良いからお前も参加しろ。警戒なら俺が代わりにやってやるから。」

「ハルヤって意外と女誑しかもね。強引だけど悪い気がしないもの。」


ハルカは周りの喧騒に紛れて何かを呟くと素早く影から飛び出し腕を絡めて来る。

コイツは時々スキンシップが過多になるけどミズメ達も怒らないので好きにさせている。

そして皆と合流すると顔を知らないクレハにハルカの紹介を行っておく事にした。


「そうなのですね。それではこれからも末永くお願いします。」

「何か困った事があったら言ってね。それとハルヤだとやり過ぎる事があるから注意して。」

「フフフ。分かってます。」


どうやら2人の仲も大丈夫そうだけど、俺を出汁にするのはどうかと思う。

誰も否定しないし笑っているから聞き流すけど俺ってそんなにやり過ぎだろうか?

ちなみにレベルが上がったからか、蘇生してから体の調子がとても良くなっている。

感覚を広げると都よりも広い範囲を探ったり把握する事が楽に出来るようになっていた。

だから今日みたいに特別な時間くらいは皆で楽しんで良い思い出を一緒に作ってほしい。


「それよりも何か記念になる物でも買わないか?」

「そういう事なら私はハルヤに選んで欲しいな。」

「あ、私も私も!」

「私も・・・欲しいです。」

「お兄ちゃんに選んでほしいな~。」

「私は兄さんの選んでくれる物なら何でも大歓迎です。丁度あそこに良いお店が!」


皆が俺に選んでくれと言って来るのは嬉しいけど、ユウの示した先には何故かセクシー下着の店が建っていた。


「あんな所に男を入れようとしない!」


特にこのメンバーだと俺がどんな男に見られる事か分かったものではない。

現代でそんな事をすれば通報間違いなしで、変態、ロリコン、性犯罪者のレッテルを張られる事は確定だ。

そしてネットに上げられ有名になればそれを踏み台にして妹党という政党を立ち上げて・・・。

おっと、思考が変な方向に脱線してしまった。

俺はユウの額を軽く小突いて注意を行い、細工師が多く住む地域へと向かって行った。


到着するとそこには色々な小物が売られており、中でも目を引くのが女性が髪に飾る簪や櫛だ。

俺はその内の1つである簪を扱っている店に声を掛けた。


大治ダイジさん、こんにちは。」

「おう、ハルヤじゃないか。死んだって聞いてたけど俺の聞き間違いだったのか。」

「ははは、俺はこの通りピンピンしてるよ。」


確かにさっき生き返ったばかりだけど嘘は言ってない。

だから皆で揃ってジト目で見るのは止めてくれ。


「そうだよな。それよりも今日は目出てえ日だからよ。安くしとくから買ってかねえか?」

「そのつもりで来たんだ。少し見させてもらうよ。」

「ああ、1個でも5個でも買って行きな。」

「それなら5つほど買わせてもらおうかな。」


ここは金箔を張り付けた金細工が売りで綺麗な櫛に目が行くけど、そちらは既にプレゼントしてミズメ達は持っている。

クレハは持っていないのでそれは別で買えば良いとして、その事に関しては文句も出ないだろう。


「お前は金払いが良いから大歓迎だぜ。」

「それなら、ちょっと見せてもらうよ。」


今回購入する簪は一端に装飾された玉が付いている玉簪という種類の物を選ぶ事にした。

木製だけど鮮やかに染められていて細かな花の絵などが書いてあったり、飾りが付いている物もある。

他にも幾つか種類はあるけど、そちらは別に考えがあるので今日の所はお預けにしておく。

その中から俺がそれぞれに合いそうな物を選ぶと人数分を購入して1人1人に手渡していった。。


「てっきり今日も散財すると思ってたのにどういう風の吹き回しなの?」


すると俺の行動を良く知るハルカが首を傾げて聞いて来るけど俺も好きで散財しているのではなく、その殆どが偶然によるものだ。

気に入った物や贈る相手に似合う物を買うとたまたま高価だっただけだけでいつも無駄遣いしている訳では無い。

現に俺の服なんて基本はアンドウさんからの御下がりか安物だ。


「実はこれとは別に考えてるのがあるんだ。」

「また何か企んでるの?」


すると再び皆から冷たい視線が飛んでくるけど、陰謀を巡らせるような事をした記憶がない。

なんだかハルカの言葉が俺を窮地に立たせているので後でしっかりとお話しておこうと思う。


「別に企んでないよ。実は天皇から家紋を作る様に言われてるんだ。それでツバサさんにちょっと作ってもらってるんだよ。」

「大丈夫なのそれ?」


その意見は御尤もですが俺に家紋なんて思いつくはずがない。

何処かのと被っても良くないだろうからちょっと賭けになるけど仕方なくツバサさんに任せる流れになった。

ちなみにあの2人だけど今は尾張の実家に帰っており、弟が家督を継ぐ事を了承したのでその晴れ姿を見に行っているのだ。

時期的に年の初めの方には戻って来ると言っていたので、アマテラスが何か企てたに違いない。

あの2人が居ればかなりの戦力になっただろうに、連絡すらしている暇がなかった。


「俺も不安ではあるけど付き合いもそれなりにあるからダメなら原案を破り捨てるよ。」

「そういう所はハルヤも大概よね。」

「「「「うん!」」」」


なんだか次第に追い詰められている気がするので早く次の目的地へと向かうことにした。

きっとご飯の途中の人も居るからお腹が空いているのだ。


「それじゃあそろそろ行かせてもらうよ。」

「おう、ありがとよ。それにしてもかわいい子ばかり連れてるな。あんまり色々な子を連れ歩いてると勘違いして変なのも寄って来るぞ。」

「勘違い?」

「ああ、最近は平和だからよ。なんか変な病気が流行ってるらしいぜ。遊び女に多いらしくてよ。そこから周りにも広がってるらしいんだ。」


きっとそれは梅毒という感染症だろう。

現代なら初期治療で治るらしいけどこの時代には治療薬が無い。

そして、それを何故知っているかというと俺の所に来た患者を治療している時に毒状態の者が多く居たからだ。

最初は鑑定して治していたけど途中から鑑定の能力が上がって何の病気なのかも分かるようになった。

それと高校の時に世話になった生活指導のエンドウ先生が指導室で話した事がある。

恐らくだけど成績が悪い俺が女遊びに走らない様にと話してくれたのだろう。

あの人もしつこい位に言ってくるタイプなのでちゃんと覚えている。


しかし、この町の人間は覚醒したので病気はその時に治っているだろう。

ただ周辺の話に耳を傾けているとあの時の力が失われているみたいだ。

気になって鑑定してみると能力封印という文字が書いてある。

どうやら混乱を避けるために力を使えなくしてあるみたいだ。


あんな力を持っている人が大量に居れば再び血みどろの戦国時代に逆戻りするかもしれない。

その辺は神たちもちゃんと考えてくれたと言うことだろう。

それでも稀に封印ではなく抑制や制限と書いてある人も居るので何かあるのかも知れない。

ちなみにこの細工職人であるダイジは制限となっている。

もしかすると職人関係は制限にして制作関係には力を発揮できるようにしているのかもしれない。

次に何かを買う時はちょっとオーダーメイドで作ってもらえば何かの効果があるかもしれないので試してみようと思う。


その後は食べ歩きをしながら町を周り、お祭りを楽しんでから屋敷へと向かって行った。

するとそこには丁度良い事に爺さんたちが集まっている。

死んだと思われたままだと夜に戻った時に幽霊扱いされ、怖がられたり攻撃されると大変なので生き返った事を知らせておこう。


「お~い、皆~。」

「おお、やっと戻って来たか!」

「今お前の事を話しておった所だ。」


どうやらこちらは俺が死んだとは全く思っていなかったみたいだ。

戻って来た時にも祭りに参加していたみたいだし心配してくれていたのは直接お別れを言ったミズメ達だけになる。

これは信頼と受け取っていいのか微妙だけど、ここはポジティブに受け取っておくことにした。


「でも流石に今回はかなり危なかったんだ。こうして戻って来れたのも運が良かっただけさ。」

「そうか。しかしゼクウの所のヤマネとハルアキラの所のルリは少し心配しておったぞ。早めに顔を見せて安心させてやると良い。2人ともこの屋敷でお前を待ておるぞ。」

「ああ、それなら後で話しをしておくよ。」


どうせ気持ちの確認はしておかないといけないからそれについても聞いてみよう。

しかし、そう考えていると俺の両手が誰かに引かれた。


「ねえハルヤ。もしかしていきなり確認しようとしてるの?」

「流石に相手にも心の準備が必要だと思います。ここは私達にお任せください。」


声をかけて来たのはミズメとクレハだけど心を読めないはずなのに読まれている様にピンポイントで指摘してくる。

もしかしてそれに類するスキルにでも目覚めているのだろうか。

そうなると頭が一生上がらなくなって尻に魅かれそう・・・。

ま、まさか鬼嫁に目覚めたのか!

それともアズサと同じ様にな称号で・・・@*$嫁 夫を尻に敷く!!!を覚えたのか!覚えてしまったのか!!


しかし、今の鑑定ではステータスを完全に見破る事は出来ないので、これからは心の平穏を守る為に鑑定をもっと鍛えるしかなさそうだ。

そして屋敷に入り俺達が何時も使っている部屋に入ると、そこでヤマネとルリが心配そうな顔で座っていた。

しかし俺の顔を見るなり駆け出すとそのまま飛び付いて来たので、優しく受け止めて頭を優しく撫でてやった。

どうやらこの2人も本気で心配してくれていたみたいなので、なんだか嬉しい気持ちになってくる。


「ただいま。」

「遅いぞ!どれだけ心配したか分かっているのか!」

「私を助けてくれたのにあなたが死んでは意味が無いのですよ!」


2人とも目に涙を浮かべながら俺の腹に顔を埋め、怒りながらも心配していたと言葉にしてくれる。

両方とも助けたのは成り行きだけど、こうしてみると助けた事に間違いはなかったようだ。


そしてしばらくすると落ち着いて来たので互いに離れると、顔は涙と鼻水でクシャグシャになっていた。

なのでハンカチを取り出して顔を拭いてやると改めてそっと抱きしめてやる。


「ありがとうな。話も色々あるけどまずは皆と一緒に風呂にでも入って来い。」


するとタイミングを見計らっていたハルカが部屋に入って来て2人を連れて行ってくれた。

それに他の皆も続いて行ったので少しすれば戻って来るだろう。

俺はその後姿を見送るとメモを取り出して溜息をついた。


「ユカリはどうするんだろうな。」


ユカリについては全く見当が付かず、ツクヨミはアマテラスと高天原とかいう場所に戻ってしまった。

俺からは行く手段が無いのでクレハに任せるしかないかもしれない。


そしてしばらくすると皆が部屋へと戻って来た。

さっきまで泣いていたヤマネとルリは少し頬が赤いけど何だかソワソワしているのでのぼせた訳では無いだろう。

さっきの様子から脈ありと判断して結婚の件を上手く説明してくれたみたいだ。

2人は部屋に入ると床に正座し姿勢を正して俺に期待の籠った視線を向けて来る。

その後ろでは他の皆が頷いているのでここで告白しろと言うことだろう。

それならと俺も体を向けて座り背筋を伸ばして正面から向かい合う形に変える。


「突然かも知れないけどもし嫌でなければ俺と結婚してくれないか?」

「「はい!」」


そしてあまりに呆気なく、しかし嬉しそうに返事をすると後ろへと移動して行く。

そのまま他の皆の横に並んで座ると俺に向かって両手を揃えて深くお辞儀をしてきた。


「「「「「「「これからよろしくお願いします。」」」」」」」

「ああ、頑張って幸せにするよ。」


その中にはハルカもちゃっかり混ざっているけど結婚してはいけないリストは貰っていない。

ユカリを入れたら8人にもなるけど、だからこそ1人増えたくらいは関係ない。

ただ後は住む所だけどそれはある程度の見当は付けてある。

実のところを言うとクレハはもうじき厳島の社へと戻らないといけない。

今の彼女はあそこから遠くには離れられないらしく、離れすぎると次第に衰弱して行くそうだ。

これはユカリの時に経験で知っているので数日以内に戻る必要がある。

だから俺達の住む場所もあの近辺になるという訳だ。


「それとミズメとハルカとクレハはともかく、他の4人は10年ほど我慢する様に。体が子供だと子作りは無理だからな。」

「「「「え~~~!」」」」

「ダメな物はダメです。体の成長を待ちなさい。」

「ごめんね皆。フフ。」

「お先に失礼しますね。フフ」

「こ、心の準備が・・・。」


そして文句を言っている4人の横ではミズメとクレハが嬉しそうに笑っている。

ただ、ハルカは顔を真っ赤にしながら視線を彷徨わせているので心の準備が出来るのは何時になる事だか。

くノ一だと言ってもハルカは純情なので俺から少し積極的に迫った方が良いかもしれない。

そして、その日は皆で今日という日を祝い直し、夜遅くまで会話を楽しんだ。



そして、その頃の高天原では・・・。


「わ、私がハルヤの子供を!」

「ちょっと待つのじゃ。これは私に来た手紙じゃぞ!」

「今の私とあなたは既に同一なのですからあなたの事は私の事です。わ、私もとうとう生娘を卒業できるのですね!」

「何やら嬉しそうじゃな。これは『私!』に来た話のはずじゃが?」

「良いではないですか。母様の言なら誰も文句は言えないのですから。それではさっそくあちらに向かいましょ~!」

「ノリノリじゃな。」


そう言ってツクヨミはユカリと共にハルヤの居る部屋へと向かって行った。

だがその陰ではハンカチを握りしめて涙を流すアマテラスの姿がある。

しかし、それに気付く事も無くツクヨミは消え、後からやって来たスサノオと一緒にやけ酒を始めるのだった。



朝になり皆が起き始める前に俺は目を覚ますと部屋に1人増えているのを感じ取った。

それは怪談などのホラーな方向ではなく、逆に神聖な気配を放っている。

そのためそちらを見ると、と言うかすぐ横を見ると何故かツクヨミが布団に忍び込んでいた。

しかも現代風のパジャマを着ていて寝顔が微妙にニヤ付いている。

流石に追い出す訳にはいかないけど左右で眠るアケとユウから針の様に鋭い威圧が飛んでくる。

しかし、このままでは一緒に寝る事が出来ないので今日は頭を撫でるだけで諦めてもらった。

これからこういう事もあるかもしれないので2人とはしっかりと話をしておく必要がありそうだ。


「さて、どうやって起こすか。」


ツクヨミは俺の方を向いて横向きに眠っているので俺も横向きになると丁度近くで見詰め合う様な体勢になる。

その顔は一言でいえば美人としか言いようがないんだけど、無防備に眠るその姿はまるで子供みたいだ。

しかも時々寝言でプリンとかカスタードとか言っているのでどんな夢を見ているのか想像できる。

きっとお菓子に囲まれている様な甘い夢でも見ているのだろう。


ただ、良い夢を見れているのだろうけど起こして説明を受ける必要がある。

仕方なく俺はツクヨミの整った顔にある鼻を摘まんでみる事にした。


「う~~。く、クリームが鼻に・・・。お菓子で溺れる・・・。」


すると苦しそうにしているので良い夢が悪夢に変わったのかもしれない。

極度の甘党ならそれはそれで幸せな夢だと思うけど、今のツクヨミにはまだレベルが高いみたいだ。

そして、しばらくするとフガフガ言いながら手足をばたつかせ、勢いよく瞼を開いた。


「おはよう。良い夢は見られたか?」

「きっとアナタに鼻を摘ままれるまではね。」


そう言って頬を膨らませる態度は本当に子供みたいだ。

しかし、ここからは真剣に話をしないといけない。


「それで何をしに来たんだ?」

「あなたと結婚をしに来たの。私とユカリは今のままだと離れられないでしょ。だから子供を作りに来たのよ。」

「詳しく聞こうか。」


そして詳しく聞くとどうやらツクヨミとユカリは魂が混ざり合ってしまい分離は不可能らしい。

だからユカリという新たな神を産む事にしたそうだ。

そうすれば魂の一部と全ての記憶をそのまま移してしまえるので分離が可能らしい。


「そういえばツクヨミはイザナミの目から生まれたんだろ。」

「私に目をくり抜けと言うのですか?」

「俺以外でも出来ないのか?」

「あなたは好きでもない相手に抱かれろと言うのですね。」

「それは告白と受け取っても良いのか?」

「う~・・・ハルヤが虐めます~。」


ツクヨミの場合はハルカとはキャラが違うのであまり揶揄うのは止しておこう。

今の言葉だけでも十分に気持ちは伝わっているので顔を赤くしているツクヨミを抱きしめてやる。


「俺の傍はそんなに住み良くないかもしれないぞ。それにお前程には長生きできないからな。」

「分かっています。でもあなたの傍は今迄よりも楽しそうよ。それにハルヤの場合は死んでもまた会えるから大丈夫。」


確かに死んでも代償を払うまでは大丈夫だろう。

こうして考えると死んだ後でも知り合いに会えるなら少しは良いのかもしれない。


「それなら後でみんなに紹介するよ。」

「よろしくね。」


そして俺とツクヨミは話を終えるとそのまま二度寝を始めた。

この時代も少しは平和になったのだからこれくらいは許されるはずだ。

しかし起きてみると何故か俺だけが叱られる形で正座させられ、お説教をされる事になってしまった。

どうやら俺がツクヨミを抱きしめて寝ていたのが原因らしい。

その後、皆(俺を抜きにして)の話し合いの結果、夜に一緒の布団に寝る順番が決められた。

俺としては喧嘩やお説教が無ければ良いんだけど、今までの様に夜に帰らないとか遅くなるということは許されそうにない雰囲気だ。

これは最低でも一巡するまでは大人しくしておかないとダメな気がする。

それにしても今日は今までに無く緊張を感じさせられる朝だった・・・。

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