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204 診療所 ①

俺が部屋でどんな仕事が出来るだろうかと考えていると外から声が掛けられ襖が開いた。


「ここに居ると聞いて来たのだが少し良いか?」


現れたのは後奈良天皇の息子である方仁ミチヒトで、位置的には第一皇子になる。

温厚で我慢強い性格をしていて、貧しい生活にも文句一つ言わずに家事すらこなしている。

俺が知る天皇家の人間で一番働き者で縁の下の力持ちと言った存在だ。

そして最も重要なのがコイツは妹の面倒見が良くてとても好かれている。

まあ、年齢は既に40くらいの良いオッサンなんだけど妹に好かれているのが好感ポイントだ。

それに天皇家は生まれた時から神からの加護がありミズメの影響も受けないらしい。

それもあって今はここに住まわせてもらっている。


そんなミチヒトが珍しく困った顔を浮かべていて少し言いにくい事があるようだ。

住む場所を提供してもらっているので余程の無茶なお願いでもない限り聞いても良いとは思っている。

ただ、中々話を切り出さないのでこちらから声をかけてみる事にした。


「どうしたんだ?とち狂った大名でも攻めて来たのか。それなら百万人でも追い返してやるぞ。」

「いや、それなら織田家を頼るから大丈夫だ。お前に頼むと大事になるとゲンさんが言ってたからな。」


それは酷い風評被害だな。

攻めて来た奴らの前に軽く地割れを起こして追い返すだけなのに。

もちろん、その後はちゃんと魔法で修復しておくぞ。

そうしないと最近は下手に暴れるとミズメが怒るからな。


「それなら近くで火山でも噴火したのか?ちょっと大変だけどなるべく穏便に鎮めてやるぞ。」

「いや、そんな兆候はない。陰陽寮もしばらく自然災害は無いと言っていたぞ。」


陰陽寮だと占いだから絶対とは限らないけど余震も無さそうだから大丈夫か。


「それならどうして困った顔をしてるんだ?世話になってるから少しくらいの無理は言っても良いぞ。」

「お前のちょっとが怖いから頼みにくいんだけどな。」

「なんだ。やっぱり何らかの破壊活動か。それで何処を消し飛ばせば良いんだ?幕府か、それとも富士山か?」

「だからどうしてそっちに話を持って行くんだ!?アンドウのおかげで幕府は順調に機能を果たす様になっているし富士山を無くすとどれだけの人が困ると思っているんだ。それでなくても毎年多くの信仰を持った人が上ってるんだぞ!」


確か山岳信仰とか言う奴だったか。

ちょっと北海道の時に似てるけどこれは山に対してと範囲は狭い。

山を神聖なモノとして信仰し登ったり崇めたりするものだ。

ただ、何でも富士山は女人禁制とかでアケとユウを連れて登る事が出来ない。

・・・やっぱり富士山を破壊するか。


「そう言う危険な事は口に出さないでくれ。」

「またちょっと本音が漏れてたか。なるべく気を付ける。」

「だからそこで本音とか言うな。信仰はしている奴等からすれば本気なんだから誰かに知られたら大変・・・。お前の場合は周りが大変なんだ。」


確かに俺に何かしてくるならまずは人間を止めておかないと傷も付けられない。

それに周りに被害が飛び火しては大変なので富士山への怒りは忘れる事にしよう。

いざとなったらこの時代のルールを破壊してから登れば良い事だ。


それにしても何故かミチヒトの顔色が段々悪くなっている。

四国では魔物に襲撃されて大変だったから疲れが出ているのかも知れない。

アンドウさんに聞いた話ではコイツが次代の天皇になるらしいから、ちょっと回復魔法をかけて肉体面だけでも元気になってもらおう。


それと、さっきからちょくちょくアンドウさんがらみの話が出ているけど、ここでも歴史に変化がある。

実はモモカさんや爺さんと早い段階で出会っているアンドウさんは以前よりも1年以上早くにツバサさんと出会い、あの周辺は既に平定されて尾張となっている。

そして2人はこの京に愛の巣という名の住居を構えて生活をしているのだ。

更にはこの町の職人たちと結託して新たな文化を開花させようと奮闘中らしい。

ちょっとアニメっぽいデザインだけど、あの人は何気に手先が器用でその手の職人たちと仲良くなる才能がある。

下手をするとあの2人が本気を出せば印刷機を作り漫画だって連載させそうだ。

その場合は識字率を高める必要があるけど、漫画は字を覚えるには良い手段だと思う。

俺だって漫画を読みながら字を覚えたからな。


話しが逸れたけどコイツに回復魔法をチョイチョイっと。


「は~、何で話が進まないんだ。」


すると回復しているはずなのに更に疲れた顔に変わってしまった。

しかし無駄話をしていても仕方がないのでここは俺が仕切って話を進める必要がありそうだ。


「それで、そろそろ何を話に来たのか教えてくれないか?」

「やっと本題に入れるな。それでだ、良ければ診療所を開設してもらえないだろうか。この町に活気が戻ったのは良いが復興作業で怪我人が多くてな。他にも診療所もあるが通常の治療では時間が掛かる。」

「それを俺達の魔法でどうにかすれば良いのか。」

「そう言う事だがお前達の力は他にはない特殊なものと聞いている。無理なら断って貰っても問題ないのだが。」


ミチヒトはそう言いながらも色々と条件を言って来る。

診療所となる場所はこちらで手配するとか治療報酬についてなどだ。

こちらとしても仕事を探していたのでこれが渡りに船と言う奴かもしれない。

ちなみに話の中で一般人の治療費はとても安く設定してあった。

ただし別料金で優先治療費というのが設定されていているけど、その金額がかなり高い。

その代わり待たなくてもすぐに治療してもらえるので、お金があればこちらを選ぶだろう。

どうやら今の時点から大量に人が来る事を想定しているようなので、これはその為のものでもあるようだ。

しかし、魔法なら数秒で治療が終わるので、それを考えれば割り込まれたとしてもそれ程時間の差は無い筈だ。


「これならやっても良いぞ。」

「それは助かる。それなら早速で悪いが1人目を見てくれないか。」


そう言って俺が了承すると1人の女性が部屋に入って来た。

その腕には幼い少年が抱えられていて苦しそうに荒い呼吸をしている。

服も見ただけで血に染まっているのが分かるのでかなりの重傷者のようだ。


「これはどうしたんだ?」

「我が家の厩から馬が逃げ出してしまいこの子が撥ねられてしまったのです。やっと生まれた男の子なのに・・・。どうかお助け下さい!!」


着ている服もかなり立派なので良い家の奥さんとご子息なのだろう。

何処で聞いたのか俺の事を聞いてここに駆け込んで来たという訳か。

ミチヒトに視線を向けると申し訳なさそうな顔をしているのでさっきまでの表情はこれが原因みたいだ。

そうなると診療所の話はオマケと言う訳かもしれないけど、今後の事を考慮しての提案でもあるのだろう。

それに天皇と言っても下の者達を蔑ろには出来ないだろうから冷たく断る事も出来ないのかもしれない。


「まあ、生きてるなら簡単に治るから問題ない。」


俺は軽く手をかざして回復魔法を使う。

ついでに細菌が傷から入っていると後になって病気になるかもしれない。

傷を治してから浄化も使い更に毒の治療もしておく。

これくらいなら一つの工程が1秒くらいなので合わせても3秒しか使用していない。

子供の体が魔法をかける度に光っているので母親は少し心配そうだけど終われば傷痕すら残らず回復していた。


「これで終わりだ。確認すれば分かると思うけど起きればすぐに走り回れるぞ。」

「ほ、本当ですか!ありがとうございます!」


女性はそう言って深く頭を下げると穏やかに眠る息子の顔に微笑みかけながら部屋から退室して行った。

きっとあの怪我だとこの時代なら助からなかったかもしれない。

たとえ助かっても後遺症が残りそうなのであまり良い人生は歩めなかっただろう。


そして状況も落ち着いたので再び仕事の話へと戻って行った。


「それで俺が仕事をする所は既に確保しているのか?」

「それに関してはモモカさんが既に手配済みだ。何やらノブコも張り切っていたらしいから了承が取れれば今日にでも来てくれと言っていたな。」


確かノブコはツバサさんの事だけど、あの人が関わると碌な未来が見えないのは俺だけだろうか。

今日にでもと言うことは俺が断るとは思っていなくて、尚且つ準備万端と言うことだ。


「ちょっと怖いけど様子を見て来るよ。」

「頑張ってくれ。俺にはあの者の感覚は良く分からん。」


ここで俺だってよく分からないと言いたいけど、そこは我慢して言葉を飲み込んでおく。

俺たちは揃って溜息をついてから立ち上がると部屋の外へと向かって行った。


「それとこれがそこまでの地図と診療所の名前だ。」

「ああ、ここならすぐに行けそうだな。」


場所はこの町にあるモモカさんが経営する店の近所だ。

と言うか、この地図に書いてある周辺はモモカさんとアンドウさんの傘下になっている店しか無い。

それにちょっとした商店街になっていてこの町では最も活気のある所だ。

確かにここに診療所が出来れば更なる集客が見込めるかもしれないので、この選択は明らかにモモカさんの仕業だろう。


そして、こちらに関しては明らかにツバサさんの仕業と思わせる文字が記されていた。


「何だ、この萌え萌え診療所って言うのは。俺にここで働けと言うのか?」

「・・・すまん。」


謝って欲しい訳では無いのだけど申し訳なさそうに視線を逸らしたと言うことは直前まで知らなかったのだろう。

言葉の意味は分からなくてもツバサさんが着けたと言うことで何処となくよろしくない名前である事には気付いているはずだ。

そう言えば信長は色々な事を天皇に要求したりして困らせていたんだったな。

こんな所で歴史の修正力が働くとは逆に可哀相になって来る。


「行ったらどうにかしておくよ。」

「そうしてくれると助かる。」


そして、俺は屋敷から出ると目的の・・・問題の診療所へと向かって行った。

するとそこには診療所を取り囲むように人垣が出来ていて入り口を塞いでいる。

そのため向かいの家の屋根に降り立つと何が起きているのかを確認した。


しかし入り口の上にはデカデカとした立派な看板に萌え萌え診療所と書いてある。

そして、その前には膝上くらいまでしか裾の無いカラフルな着物を着た女の子たちが死んだ目をしてビラを配っていた。

なんで元気にする所であんな死んだ目をしているんだと突っ込みたいけど明らかにあの服装が問題なのだろう。

ミズメ達で無かったのが唯一の救いだけど、あれは流石に可哀相かもしれない。

宣伝効果は高そうだけど逆に警戒して見に来てもビラを受け取る者は少ないみたいだ。

あれなら普通の格好で配らせた方が効果は高くなるに違いない。


「ちょっと行って止めさせないとな。」


そう思っていると表の入り口が開き、そこからツバサさんが姿を現した。

それだけでなくその後ろからはアケにユウ・・・だけでなくミズメとエクレまで。

俺は皆が姿を現した瞬間に動き、魔法で旋風を巻き起こすと周囲の視線を完全に潰してから中へと連れて行った。

そして全員を診療所に入ると3人の姿を脳内に焼き付ける様に観察する。


「よし、これで問題ない。」

「自分は良いんだ。」


すると横に居るエクレからツッコミが飛んで来た。

しかしそれの相手をしている暇は今の俺には無い。


「その恰好はどうしたんだ?」

「食べ歩きしてたらノブコさんに捕まっちゃって。」

「捕まったの~。」

「有無を言わせぬ早業でした。」

「ハハハ、そうかそうか。てっきり変な仕事でも始めたのかと思って心配したぞ。それなら少し待っててくれよな。」


俺は笑顔で3人の頭を順に撫でると後ろへと振り向いた。

そして振り向いた瞬間に表情を鬼に変え犯人を睨みつける。


「何をしてるのかな?」

「え、その・・・思ってたよりもビラが受け取ってもらえないから最終兵器を出そうかなと。」

『ガシ!』


俺はツバサさんの頭を掴むと息の掛かるくらいまで顔を寄せて睨みつけた。

きっと今の言葉から最初は表に出すつもりは無かったんだろうけど、その言い訳は既に手遅れだ。

もう少しで可愛い3人の姿が大衆に晒されてしまう所だった。

もしそうなっていれば不特定多数の男共の視線にさらされる事になっていただろう。

それでなくても目立たせたくないのに、この人は趣味に走ると本当に見境が無い。


「少し反省してください。」

「ちょ、待って!ぎゃ~~~痛い痛い痛い!ギブギブもうしないから助けて~!」

「聞こえんな~~~。」


その後、数分程のお仕置を終えて皆には着ている服を着替えてもらう。

ビラを配っていた女の子たちも同様で報酬を上乗せしてから再開してもらった。

すると報酬の上乗せが効いたのか、とても爽やかな笑顔でビラを配り始め、周りに集まっていた人たちも順調に受け取っては周囲へと散らばって行く。


「ここは始末しとくからミズメ達は自由行動に戻っても良いぞ。」

「それならここで少し休憩して行くね。その・・・ハルヤも居る事だし。」


ミズメはそう言って恥ずかしそうにするとチラチラとこちらを見て来る。

それは横に居るアケとユウも同じでこちらは分かり易い様に服をヒラヒラさせながらアピールをしている。

どうやら何時までも着替えないのでどうしたのかと思っていたけど俺の感想が聞きたいみたいだ。


「3人とも可愛いよ。でもあまり人前ではそんな恰好はするなよ。理性を無くした奴が襲って来るかも知れないからな。」

「ならハルヤの前でだけ特別ね。」

「特別だよ~。」

「私は元々兄さん専用です。」


なんだか歴史が変わってもユウの言い方は変わらないな。

少し心配になるけど3人とも喜んでくれてるみたいだ。

ただ横で1人だけ何かを待って居る奴が居るけど、それに関しては何かを言わなくても良いだろう。

こういう事にならない様に護衛という楽な仕事に付けたのにその本人が同じ格好をしているんだからな。


「ハルヤが除け者にする。」

「は~・・・分かったよ。綺麗だからその恰好で出歩くなよ。ここはいかがわしい店じゃないんだからな。」

「うん。中が見たいなら何時でも言って。」


そう言って裾を上げようとするのでお仕置にチョップをくらわせておく。

アケとユウの教育に悪いからそういう事はするんじゃない。

特にユウが真似をしようとしているので優しく手を握って止めさせ、笑顔で頭を撫でておく。

本当にコイツを護衛に付けて大丈夫なのか心配になって来た。


その後は皆で奥の部屋に上がりのんびりとお茶の時間を楽しんでいる。

外でビラを配っている子達には一段落したら終わっても良いと伝えておいたので適当な所で戻って来るだろう。

ただ肝心のツバサさんに関してはお仕置として正座させているので足が痺れた所で悪戯してやろう。

するとミズメが御菓子を食べながら興味あげな顔で話を振って来た。


「それでハルヤはここで働くの?」

「ミチヒトから頼まれてここで診療所を開く事になったんだ。ただ、魔法で治すだけだから怪我人専門だな。それ以外の出産とかの経験のいる事は他にしてもらう予定だ。」

「なら私もお兄ちゃんを手伝う!」

「私もです!」


すると同じく回復魔法を扱えるアケとユウが手を上げてくれる。

もしかすると俺に何かあった時はここを任せる事になるだろうからそれも良いかもしれない。

ただ2人の年齢だと仕事をしている子よりもしていない子の方が多い。

やるとしても手が空いた時にお手伝いとして少しだけといった感じが良いだろう。


「それなら、お昼ご飯の後に少しだけ手伝ってくれるか。」

「「は~い。」」


すると2人が嬉しそうに手を上げる横でミズメも恥ずかしそうに手を上げて来る。

そう言えばミズメは歴史が変わった事で玄武の支部を2年前から手伝っていた。

支部には怪我をした人が良く来ていたそうなので怪我人の扱いにも慣れているだろう。


「それならミズメも出来る範囲で頼めるか。」

「うん。任せて!」

「後はエクレだけど。」

「私は何も出来ない。電気を流すと心臓が止まる。」


そう言えば電気ショックで心臓を動かすと助かる奴が居るかもしれない。

アケとユウにはその辺の力加減が難しそうだから、電気を使い慣れている奴に任せた方が良いだろう。


「お前は心臓が止まった奴が来た時だけ働いてくれ。それまでは寝てても良いぞ。」

「了解。あの枕は至宝。」


昨夜の枕は結局2つともエクレに取れれてしまったから何か新しい物を考える必要がある。

でも確か枕の中身って水鳥とかの鳥の羽だったはずなので、そこで正座している奴に頼めば作ってくれるかもしれない。


「ツバサさん。足を崩したいですか?」

「へ!い、良いの!?」


そう言って体を動かして重心をズラしているのでそろそろ限界なのだろう。

それならそろそろ頃合いかも知れない。


「実は枕を作ってもらいたいんですよ。あと大きめの縫ぐるみとか。」

「枕は大丈夫だけど縫ぐるみは材料が無いからマサトに頼まないといけないわね。」

「作ってくれると約束してくれれば今日の事は許してあげますよ。」

「全力で取り組むであります!」

「約束ですよ。」


そして約束を取り付けたのでツバサさんは足をゆっくりと崩し始める。

既にかなり痺れているのか慎重な動きで少し動かしだけでもとても辛そうだ。


「それではちょっと。」

「ま、ちょっと待って!もしかしてこんなカヨワイ小鹿の様な私の足に触ろおっていうんじゃ・・・。」

「大丈夫ですよ。それは俺の役目ではないので。」


そしてタイミングを見計らっていた様に外でビラ配りをしていた女の子たちが診療所へと入って来た。

どうやら普通に配ればそれほど時間も掛からなかったみたいだ。


「終わりました~。」

「ちょど良かった。ついでだから皆もそこの人と遊んであげて。足が痺れて動けないらしいから。」

「「「は~い!」」」


すると彼女たちは揃ってとても良い返事が返って来ると今までで一番良い笑顔を浮かべてツバサさんを包囲した。

そして、容赦なく足を刺激して楽しそうな声を上げ、その逆にツバサさんからは断末魔の様な悲鳴が響き渡る。


「フフフ、さっきの仕返しです。」

「止めろジョッカ~!」

「フフフ、これも雇い主の命令ですから。」

「キャーーー、マジ止めて!」

「フフフ、グリグリしちゃいますよ。」

「お前らの血の色は何色だ~~~!」


そしてツバサさんも悶えながらも楽しそうなのでこのまましばらく放置することにした。

それに家柄的に友達も少なそうなのでこの機会に同性の友達が増えるかもしれない。

ツバサさんの場合は汚染に近いだろうけど既に職人の中には広がっているみたいなので手遅れだろう。

この際だからその情熱を全力で発揮してもらうのも面白い。


そして俺達はその光景を眺めながら茶を啜ると患者が来るのをのんびりと待ち続けた。

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