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163 宿での出来事 ②

俺はアケ、ユウ、ミズメを寝かし付けた後に好奇心が強過ぎたこの宿の従業員に注意を行った。

ただ今回は誰も怪我をしておらず、掠り傷すら付いていないので俺にしては平和的な対応だっただろう。

これがアンドウさんなら逆さ吊りにされたうえでドラム缶に漬けられ、美味しくない水を沢山飲まされたはずだ。(偏見)

そして、ツバサさんによって着る意味があるのか分からない様な際どい衣装を着せられて人通りの多い道にでも亀甲縛りをされて捨てられていたに違いない。(偏見)


そこから考えれば提供された美味しい料理(毒)をお裾分けして解放してやったんだから手緩過ぎたくらいだ。

まあ、そんな事はどうでも良いとして今の目的はコイツになる。

俺は先日ユリが落として行った刀身の無い刀を取り出すとゴーグルへと声を掛ける。


「精神力を少しずつ注入して修復と供給は可能か?」

『Yes。ただしその場合にはどちらか片方のみ可能です。どちらを優先しますか?』


それならまずは精神力を供給して100パーセントにしてから修復するか。

そうすれば溜まっている精神力を使って修復も可能だろう。


「それなら段階的に10パーセント刻みで供給を開始してくれ。俺にとって精神力の消費は初体験だから程度が分からない。」

『Yes。それでは開始します。』


すると目の前に画面が浮かび、そこには簡易的な表示で刀と人型が映し出される。

そして、人から刀に矢印が浮かびその上に数字が表示された。

それは0から始まりゆっくりと10へと近づいて行く。

今のところは何かを吸われている様な僅かな感覚の他に何も感じるものは無い。

魔刃を使って魔力を消費している状態に似ていて全身運動をした後の様な独特な疲労感が湧いてくるくらいだ。

きっとこのまま限界まで精神力を使用すると肉体的な疲労ではなく精神から来る倦怠感や無気力と言うかやる気が何も起きなくなってその場に倒れてしまいそうだ。

しかし既に供給量は50パーセントを越えているので、これなら余裕で100パーセントまで行けそうだ。


「供給後はそのまま修復を行ってくれ。」

『Yes。』


そして供給が終わり次は修復が開始された。

鞘に付いている傷や罅割れが消え始め、ボロボロの柄が綺麗に整って行く。

とは言っても俺が出来るのはエネルギー源として刀を持ち続けるだけなので問題があるとすれば直ったとして中身が正常かどうかだろう。


『修復が完了しました。メモリー解放。コンタクトを開始します。』

『コンタクト成功。対象が覚醒しました。』

『対象が会話を希望しています。』

「分かった。繋いでくれ。」

『Yes。』


するとゴーグルの画面を通して人型のシルエットが浮かび上がる。

ただ、白い影の様な姿なので明確な輪郭はなく、きっと今は体を持っていないからだろう。


「こちらの声が聞こえるか。」

『聞こえます。ただその前に幾つか聞きたい事が有ります。』

「何が聞きたいんだ。言っておくが簡単な質問にしか答えられないからな。」


恐らくはそう来るだろうと思っていたけど初対面なので一応は釘を刺しておく。

こちらが答えられるとすればアイツとの関係や俺自身のことくらいだろう。


『まずアナタはこのゴーグルを何処で手に入れたのですか?これの登録番号は私の娘の持ち物のはずです。』

「まさか娘だとは思わなかったけど実は今から400年以上先の未来から時空を超えてここに来てるんだ。このゴーグルはこの時代に来る前にハクレイと名乗る奴から借りた物で返す暇が無くてここまで持って来ている。」

『どうやら殺して奪ったのではない様ですね。しかし、ここは私の知らない世界の様です。いったい何年この中で眠っていたのか。』


それについては俺に聞かれても分からないな。

でも、もしかしたらこのゴーグルなら答えられるかもしれない。


「教えてくれ。現代でハクレイの母親はどういう扱いになっている。」

『ハクレイの母親である8907342019・・・は547年の長期に渡り行方不明となっています。但し、この時代において僅かな反応が観測されたため我が所有者はこの世界へと調査にやって来たのです。』


どうやらハクレイには邪神の完全封印の他に目的が有ったみたいだ。

言ってくれれば協力のしようは有ったけど、そこまでの時間も無かったので仕方ないだろう。

それにこの母親の宿ったSソードが現代でもこうしてこちら側にあるとは限らない。

もしかすると現代では今も邪神の手にあるかもしれないので探す事が不可能だったとも考えられる。


「と言う事は今で100年くらいか。でも本来の年数が500年以上なら、お前の娘は諦めの悪さが一級品みたいだぞ。」

『そうですね・・・。』


すると嬉し泣きなのかすすり泣く様な声が聞こえてくる。

でも刀がシクシク泣くと不気味にしか聞こえないので出来れば後にして欲しいところだ。

そして落ち着いた所で互いに自己紹介を済ませ今度はこちらから質問を投げかける。

もちろん今は何歳ですか?なんてつまらない事ではなく、聞きたいのはこのSソードの性能と何故こんな状況になっているのかだ。


「クオナ。鑑定してある程度は分かっているけどこの武器の性能は本当なのか?」

『もちろんです。これは元々が対精神生命体用の武器です。邪神に関しては私の力不足もあり通用せずに負けてしまいましたがその眷族には十分に効果があるはずです。私も目覚めさせてもらった以上は協力を惜しみません。』


それならユリの事にも希望が湧いてくる。

これを使えばあの忌々しい実体のない鎖も斬り裂けるかもしれない。

ただし、それには俺の精神力が鍵となる筈なので楽観は出来ないだろう。

次に会う時が何時になるか分からないけど準備だけはしておく必要が有る。


「でも、その言い方だと一度は邪神と直接戦ったのか?」

『はい。奴は色々な世界を周り多くの魂を奪う事でそれを配下として操っています。そのため私達の議会があの者の封印を決定し本当はもっと早い段階で封印してしまうはずだったのです。しかし、予想を大きく上回る成長速度に私の居た部隊は敗北し、ある者は殺され、ある者は取り込まれてしまいました。私はそれを避けるためにこの武器のメモリーに隠れ長い間眠っていましたが再び機会が巡って来たようです。』


しかし封印の手段は100年近く前の物だろう。

更に成長した邪神を封印しきれるかは微妙な所だ。

もしかするとそのせいで俺の居た時代に邪神が復活したのかもしれない。

それにこの世界の神々が苦戦している相手を簡単に封印できるのだろうか。


「その封印手段は確実に奴を封印できるのか?」

『いいえ、今の状態では確実に不可能でしょう。直接見てみないとハッキリとした結論は出ませんが弱らせない限り封印をしても1年もせずに復活してしまいます。』


そう言えばハクレイも封印するには相手を弱らせる必要が有ると言っていた。

この時代も現代とやる事は変わらないと言う事なので戦闘は免れそうにない。

それに出向いて簡単に封印できるなら部隊なんて引連れて行かないだろう。


「そう言えばクオナに代わりのボディーは無いのか?」

『作る事は可能ですがこの姿だからこそ出来る事もあります。ボディーを作り直すのは奴の封印を終えた後でも良いでしょう。』


するとクオナからは覚悟を決めた様な強い思いが伝わってきた。

一度は負けたけど再戦の機会を得てやる気を出しているのかもしれない。

でもこれはなんだか死をも辞さない覚悟と言うか、まるで張り詰めた糸のようだ。

ハクレイの事もあるのでちょっと気にかけておこうと思う。


その後はクオナから邪神がどういった存在なのかなどのレクチャーを受け、適度な所で休む事にした。

それにこれでこのSソードを他人に奪われる心配が無くなった。

これからはクオナが管理をしてくれるので知らない奴が持ち去ろうとすれば容赦なく制裁が加えられる。

彼女が宿っているのでアイテムボックスに入れられないのが心配だったけどこれで一安心だ。


そして次の日の朝になって目が覚めると周囲を見回し3人の様子を確認してみる。

するとどうやら無事に状態異常は解除されているみたいで揃って穏やかに寝息を立てている。

俺は一安心して立ち上がると昨夜に施錠しておいたこの部屋の鍵を開けて廊下へと出た。

すると周囲が若干騒がしくなっていてドタドタという足音が聞こえてくる。

聞き耳を立てると、どうやら宿の女性従業員の一部が乱心して男性客に夜這いを仕掛けたらしい。

男性客の方は一夜の夢として気にはしていない様だけど宿側としてはそうもいかない。

ここは真っ当な普通のお宿なのでそんな噂が流れると勘違いしている客も来る様になるかもしれない。

そうなると宿側としても対応に困るだろうから、どれ程の被害が出ているのかを聞いて回っているようだ。


そして、その足音はこちらにもやって来て俺の前でピタリと止まる。


「お客様の方には失礼な者が訪れなかったでしょうか?」

「ああ、あの3人か。」

「も、もしかして何か粗相を!」


確かこの人は爺さんと来た時に一番先頭で土下座して海賊退治をお願いしていた人だ。

きっとこの宿の女将さんなんだろうけど変な人間を雇っているので苦労してそうだ。


「いや、こちらで撃退しておいたから問題ない。その後は鍵も掛けてたから被害はないですよ。」

「そ、そうですか。それは良かったです。それでは私は確認がまだありますので失礼します。」


そう言って女将さんは俺が見ている前では足音を立てず、見えなくなると同時に一気に駆け出した。

あれは顔には出てなかったけどかなり焦っていたようだ。

そう言えばその問題の従業員は何処でどうしてるのだろうか?

まさかその辺で斬り捨てられてなんていないだろうな。

流石にそこまで行くと罪悪感は無いけど少しだけ可哀相に思う。


そして、しばらく歩いていると庭の奥の方に巨大なミノムシが3匹ほど木の枝から並んでぶら下って居るのを発見した。

それに気配からすると彼方はアンドウさんが泊まっている離れの方向になる。

それにミノムシはこの寒い中で碌な衣も着せられず、極小の布面積しかない水着の様な服を着せられ、亀甲縛りをされている。

どうやら、あの3匹はお楽しみ中であった2人の邪魔をして逆鱗に触れてしまったようだ。

ただそれで命が残っているなら運が良いのかもしれないけど、女将さんも知っていて放置するとは何気に酷い事をする。


しかし今はツバサさんが鞭の様な物でビシバシとお仕置をしているのでしばらくは放置でも良いだろう。

ミノムシの方もなんだか嬉しそうにしていて声に艶があるし、怪我もしていないので音ほどには痛くないのかもしれない。

または一晩で新たな扉を開いてしまったのかもしれないけど、どちらもアケとユウが真似をしたら大変なので見せず聞かせずで行こう。

ただ放置した身としては、この宿をクビになった時に少しくらい助けてやろうと思ったけどアレは必要なさそうだ。

何かあればその時は尾張に戻るあの2人に押し付けてしまえば良いだろう


そして現状の確認を終えたので俺は何も見なかった事にして部屋へと戻って行った。

すると3人の姿はなく、代わりに奥の浴室から声が聞こえてくる。

きっと寝る前に変な汗を掻いていたので気分転換に朝風呂へでも入っているのだろう。

ただ、アケとユウは脱衣所ではなくここで脱いで入ってしまったようで小さな服が散乱している。

流石にミズメのは無いのでちゃんとあちらで服を脱いだようだ。

なので足元に落ちている服を拾い上げるとサッと畳んで脱衣所にある籠へと入れておく。

これで裸で飛び出して来る事は無いだろう。

それに聞こえてくる声からすると3人の仲も良好のようだ。

時々何かで競い合ってるみたいだけど、これならこの先の旅も無事に乗り越えられそうだ。


俺は鉢合わせしない様に素早くその場から離れて後ろ手に扉を閉めると壁に立て掛けてあるクオナに声を掛けた。


「調子はどうだ?」

『問題ありません。それでこれからどうするのですか?』


クオナはこれから共に戦う仲間になる。

今後の事についてと、こちらの目的は話しておいた方が良いだろう。

俺は3人が風呂に入っている間にその説明をしておく事にした。


「・・・と言う訳で今は力をミズメに集めている最中だな。」

『そうですか・・・。これから彼女には苦難が訪れるかもしれませんね。』

「ああ。でもその苦難は俺が全て踏み砕いて更地にしてから進んでもらうつもりだから大丈夫だ。問題は最後に上手くやれるかだな。それにここに来た本来の目的である知り合いの存在すら確認できていないからな。これからはそちらにも力を入れないといけない。」


今のところツクヨミたちもユカリの存在を把握していないそうだ。

何処かに居るであろうこの時代の自分と一時的に同化しているはずだけど、もしかすると俺の様に意識が覚醒していないのかもしれない。

そうなるとこの時代の自分として行動してしまうので見た目の変化は無いだろう。

ただ、精神生命体は簡単に死ぬ事が無いのできっと無事だろうとのことだ。

または俺とアンドウさんの様に時間差が生まれてまだこの時代に来ていない可能性もある。

なのでユカリの捜索はツクヨミたちへ完全に任せている。

流石に俺も何処に居るか分からない神を1人づつ探して回るのは不可能だからだ。

一応、ユカリと出会った地元では少しだけ探してみるつもりだけど情報がなさ過ぎて目途すら立っていない。


そして少しして脱衣所の扉を開けてアケとユウが飛び出して来た。

しかし、せっかく服を置いておいたのに裸で出て来てしまっているので本当に困ったものだ。


「おに~ちゃんお帰り~。」

「起きたら居ないので心配しました。」


そう言って2人は揃ってダイブすると座っている俺の胸に突撃してくる。

それにしても熊とはいかないけど普通の大人なら今のでノックダウンか、壁を突き破って外に吹き飛んでるかもしれない。

すると今度は2人の後を追いかけて慌てた様にミズメが姿を現した。

しかもこちらも服を着ておらず、タオルすら撒いていない。


「待ちなさい2人とも!体を拭かないとダメでしょ!」

「確かにな。でもお前も似た様なものだろ。」

「へ?」


するとミズメの方は俺の存在に気付いてなかったのか、こちらと視線を交わすと途端に動きが止まる。

そして湯上りの体を更に赤く染めると後ろ歩きで脱衣所へと戻って行った。

しかし、この時代の日本でムーンウォークが見られるとは思わなかったけど、もしかすると今の時代なら一番最初にした人物と言えるのではないだろうか。


「お、お帰り。今日は良い天気ね。」

「ああ、陽光が白い肌に反射して綺麗だな。」

「ちょ、ちょっと、人がせっかく話を逸らしてるのに何言い出すのよ!」


すると、せっかく隠れていたのに再び姿を現すと肩を怒らせながら睨んでくる。

しかし、それ体勢だと前面が丸見えなんだけど良いのだろうか。


「見えてるぞ。それとも見せてるのか?」

「そんな訳ないでしょ!バカ!!」


するとミズメは勢い良く扉を閉めてしまい脱衣所で身支度を始めてしまう。

でもあの部屋にはアケとユウのタオルや服もあるのにそれくらいは取ってもらいたかった。

でも今の状態で声を掛けるとミズメを更に怒らせてしまうかもしれない。

俺は仕方なく新しいタオルを取り出すと2人の体や髪を丁寧に拭いてやる。

風邪をひく心配も寒がる心配も無いとは言っても、やっぱり濡れたままという訳にはいかない。


「にゅ~くすぐった~い。」

「兄さんの手が気持ちいです。」


なんだか他人に聞かれると誤解を招きそうな事をユウが言ってるけど、子供の言う事を気にしていたら何も出来ない。

俺は頭の上から爪先までを丁寧にタオルで拭くと新しい服を着せてやり準備を整えた。

そしてミズメも少し不貞腐れた顔で出て来たけど、ある程度は落ち着いたみたいだ。


「準備が整ったらアンドウさんの所に行ってみる・・・いや、玄関に向かうか。朝食はあのらうめん屋で食べよう。」

「なんで途中から言い直したの?」


流石にあの状況をどうやって説明すれば良いだろうかと思い上手い言葉が浮かんで来なかった。


状況を思い出してみても・・・。

・3人の女性が裸同然の姿で亀甲縛りにされて吊るされてる。

・それとも巨大な害虫を2人が捕まえてお仕置中。


どちらの選択肢を選んだとしても後の説明が大変そうだ。

それにアケとユウにはあの光景を絶対に見せたくない。

すると丁度良いタイミングでこの宿の女将が部屋の扉の前に現れ声を掛けて来た。


「お客様、申し訳ありませんが少しよろしいでしょうか?」

「あ、はいはい。すぐに出ま~す。」


そして扉を開けて廊下を見ると困った顔の女将さんが立っていた。


「どうかしましたか?」

「はい、それが勝手ではありますがこちらにトラブルが有り朝食の準備が出来ていないのです。ですから朝食が必要なら外でとさせていただきたく。」

「それについて丁度話しをしていたんです。連れがこの町にあるらうめんを出す店と仲が良いのでそちらで食べようと思っていまして。」


流石にアンドウさんがあそこのボスとは言えないので適当な位置付で説明をしておく。

すると女将さんは嬉しそうに笑みを浮かべると大きく頭を下げて来た。


「それは願ってもない事です。今回の宿泊料金はお安くしておきますのでよろしくお願いします。」

「ええ、それと出来れば裏から出たいんですけど良いですか?」

「は、はい。確かにアレをお子様には見せられませんよね。履物を裏に回しておきますのでそちらへお回りください。」

「ありがとうございます。」


そして俺は会計をこの場で済ませると3人に声を掛けて裏へと移動を始めた。


「どうして裏から出るのよ?」

「ちょっとした理由があるんだ。」


そう言って2階の廊下にある窓から見える光景を指差した。

その窓は少し高い場所にあるのでアケとユウだと身長が足りずに覗く事は出来ない。

離れと言ってもそれほど遠くにある訳では無いので簡単に見る事が出来るだろう。


「・・・理解したわ。確かに2人には見せられない光景ね。」

「そうだろ。」


ちなみにさっきのミノムシ3人衆は完全に変な扉を開いてしまったのか、今も嬉しそうに鞭を受けている。

しかも途中から奇声を上げ始めたので口には猿轡をハメられ酷い絵面だ。

あれはもはや18禁ではなく20禁と言っても差し支えが無いだろう。

そして一番見せてはいけないのはそんな事をしながらサディスティックに笑うツバサさんの姿だ。

もし2人がアレを見て楽しそうな遊びと誤解してしまうと大変な事になる。

恐らくそんなあり得ない未来が訪れたのなら、次のミノムシはツバサさんとなるだろう。

もちろん鞭を振るうのは鬼の形相をした俺だろうけどな。


「ねえねえ何が見えるの?」

「後の参考のために知りたいです。」

「だ、ダメよ!2人にはまだ早いわ!」


早いじゃなくて一生縁のない様にしたいんです!

ミズメもいったい何を考えているんだ!


そして俺は2人と手を握って(今は絶対に抱っこはしない)裏口へと向かって行った。

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