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145 海賊

あれから数日後、あの時の男がヨシヒサの屋敷に現れ恭順を示したそうだ。

これで九州も8割が支配されたので後は福岡県や佐賀県などの北部の一部が残っているだけだ。

そして、これによって一つ大事な事が可能となった。

それは大分を手中に収めたことで別府湾周辺もそれに含まれた事だ。

あの辺と来れば温泉地が多く、この時代でも観光地となっているはずなので行ってみたい。


「良し、温泉に行くぞ!」

「突然じゃな。しかし確かにしばらく行っておらんな。」

「そうね~。たまには温泉でのんびりしたいわね。」


そして権力者もとい、年長者の鶴の一声で温泉旅行が決定した。

既にこの展開を予想していた俺は手際よく一番近い港に船を手配してある。

船体の大きさは10メートル程の物で波の荒い太平洋側も通るけど問題はない。

作ったのはアンドウさんで船底には現代の技術が取り入れた加工が施されている。

なんでも海の上を滑る様に走り水の抵抗を最小限に抑える事が出来るそうだ。

そして後部には2つのスクリューが取り付けられているけど、なんとこの船の動力はエンジンではなく人力だ。

自転車の様な機構が取り付けられていてペダルを漕いで動力とする。

しかし、このペダルは普通の人では碌に回す事が出来ない程に硬い。

すなわち俺やアンドウさんの様な特殊な人間以外は使う事が出来ない仕組みになっている。

これを使えばかなりの速度で目的地に到着できるので一泊二日の往復も可能だ。

更に波を避ける為の部屋なども付いているのでこのサイズとなっている。

もちろん部屋にはアンドウさんが作った特殊ガラスが嵌められ、火縄銃程度なら至近距離でも弾き返す特別製だ。

船で走りながら外も楽しむ事が出来る素敵仕様なのでアケとユウも楽しんでくれるだろう。

そして俺達は早速メンバーを集めると船のある港へと向かって行った。


今回は俺とアケとユウはもちろんミズメに爺さんとモモカさんも参加する。

ただ、今回は下見みたいなものなので人数は最小限だ。

ハナ達は店を取り戻して日が浅いし、熊たちは興味ないと自主的に留守番をしている。

アイツらが居ればこの辺で魔物が出ても安心して出掛ける事が出来る。

そして船に乗り込み俺は動力源としてペダル付きの席に座った。


「爺さんは上で操船を頼む。他の皆はそっちの部屋で寛いでいてくれ。」

「うむ、任せておけ。」

「船旅も久しぶりね。ちょっとドキドキして来たわ。」


これから存分にドキドキさせてあげますよ。

ただ、この中で心配があるとすればミズメだけなので座席にはレースなどでも使用される4点シートベルトがガッチリと準備してある。

そして動力室と操船所とは伝声管で繋がっているのでそこから爺さんの声が響いてきた。


「準備万端じゃ!さあ行くのじゃツクモ号!」


なんだか爺さんがノリノリで出港の合図を送ってくる。

俺はペダルに力を込めてスクリューを回して少しずつ陸から離れ、ある程度離れた所で今度はこちらから声を掛けた。


「そろそろ速度を上げるぞ!」

「まっておったぞ!」


そして、ここからペダルを漕ぐ速度を次第に上げていき、それと同時に船が水との抵抗で海面へと押し上げられて速度も次第に抵抗が下がって行く。

すると船が海面を擦る様に走り始め、周りの景色も高速で後ろへと流れ始めた。


「わ~凄い凄い!」

「早いです!」

「フフフ、これなら目的地へ今日中に到着しそうね。」

「こ、これは本当に船でしょうか!?私が此方に来る時に乗った船とは明らかに違うのですが。」


今は海面を滑走する様に走っているので今日の穏やかな海なら揺れも殆どない。

外に居ると車の窓から顔を出した時の様な強い風にさらされていただろうけど、部屋に入っているのでその心配もない。

あえて言えば爺さんが興奮して風になっているくらいだろう。

伝声管からは速度がマックスになった頃から元気な声が響いてくる。

そして俺達は船を進める事3時間ほどで鹿児島から別府へと到着した。


「おお、もう到着してしもうたか。」

「とても乗り心地が良かったわ。」

「楽しかった~。」

「帰りも楽しみだね。」

「次はもっと安全に帰りたいです。」


実は1時間ほど進んだ所で爺さんが単調な運転に飽きてしまい、船の性能試験とか言ってジグザグ走行や急反転などをしていた。

更に船を後ろに傾けての大ジャンプをした時には室内から「キャ~キャ~」と歓声が上がった程だ。

若干悲鳴にも似ていた部分もあるけどきっと気のせいだろう。

その後も島の影から突然出てきて接近してくる船を華麗に躱して置き去りにしたりと色々とやらかしたので普通の感性を持つミズメには少しだけきつかったのかも知れない。

まあ帰りは安全運転をお願いしてどれくらいの時間で帰れるかタイムアタックをしてもらおう。

そして、その後はフラフラと歩くミズメに肩を貸しながら爺さんが以前まで良く使っていたという温泉宿へとやって来た。


「うむ、昔とそれほど変わらんな。」

「でも少し活気がない気がしませんか?以前はもっと色々な人が訪れている地だったのに。」


確かに周りを見ても客は疎らだ。

話しに聞いたところでは船での商売が盛んで人の出入りも激しい街だと聞いていたけどまるで震災後の観光地みたいだ。

道行く人の顔も不景気そうだし、もしかして何か問題があったんだろうか。

ただ魔物関連なら俺達の所に依頼が来るだろうし、人間関係ならこの辺を管理する者がどうにかするだろう。


「それよりも温泉に入ってここの美味い飯ってのを食べてみよう。今回は骨休めに来てるんだからな。」

「それもそうじゃな。」


そして宿に入るとそこに居た従業員が総出でこちらへとやって来る。

しかし、その顔は全て爺さんに向けられており、まるで救世主が現れたと言っている様だ。

それを証明する様に彼らは爺さんの前で地面に膝を付くと「助けて下さい」と頭を下げた。


「何か事情があるようじゃな。ちと話してみい。」

「はい。それが最近になって質の悪い海賊が現れる様になりまして。」


そう言って彼らは海賊について語り出した。

何でもこの辺は以前から海賊が現れない安全な場所だったそうだ。

その理由として過去に爺さんがこの近辺の海賊を皆殺しにしてしまい、誰も恐れて近寄らない様になっていたかららしい。

しかし、それから何年も経って爺さんがここに来なくなったのを良い事に本州の方から海賊が流れて来てしまったそうだ。

しかも船が海上戦で使う様な軍船らしく、商船では逃げる事も戦う事もままならない。

そして通常は荷物を差し出せば無事に解放されるそうだけど、男は容赦なく皆殺しにされ女は連れ去られて誰も帰って来ないそうだ。

そんな被害にあった船が何隻も漂着して次第に客足が途絶えてしまっているらしく、漁師すら海に出たがらない。


「ちょっと待て!それならこの宿で味わえる海の幸は!?」


最近は肉と野菜や川魚は食べているけど海の魚を食べていない。

それにアケとユウにも食べさせてやろうと思っていたのにそれではここに来た目的の半分が達成できないくなってしまう!

そして2人を見ると心なしか表情が暗くなっている気がするので、やはり海の魚を食べるのを楽しみにしていたようだ・・・。


「「おのれ海賊がーーー!」」


この直後に俺と爺さんのセリフが完全にシンクロした。

そして互いに鬼の形相で走り出すと海へと向かって行く。


「爺さん!特殊装備を使うぞ!」

「何じゃそれは!」

「見れば分かるだろうけどちょっとした特別な仕掛けがされた船だ。それにさっき通り過ぎた連中が海賊だろ。」

「恐らくそうじゃな。てっきり見回りかと思っておったが言われてみれば明らかに動きがおかしかったからな。」


そして海に到着すると海上に来た時とは別の船を取り出した。

それは来る時の船の半分くらいの大きさしかなく、外装は黒い金属の光沢を放っている。

簡単に言えば来る時に乗っていたのは木造船で今回は金属船だ。

そして船の正面には巨大な刃が取り付けられ、これ自体が一つの武器として扱う事が出来る。

そして今回は俺が動力を務めるので操船は爺さんが担当する。

来る時にしていたアクロバティックな操船技術を持っているなら十分に乗りこなせるはずだ。


「これで奴らの船を木っ端微塵に粉砕するぞ。」

「おー!こんな物まで持っておったか!任せておけい!これは腕が鳴るわい!」


そして俺達は船に乗り込むとまさにモーターボートの様な勢いで走り出した。

すると先程の海域へと到着し周辺を見回すと少し離れた所から煙が上がっているのが見える。

どうやら俺達が到着する前に別の獲物を襲っている様だ。


「準備は良いか爺さん!」

「任せておけ!」


俺はエンジン全開でペダルを漕いで船を矢のような速度で走らせた。

今は海の幸が食べられない事の恨みとアケとユウの悲しそうな顔でベルセルクが全開で俺の能力を強化してくれている。

ハッキリ言って来る時とは比べ物にならない速度で足が動いているので俺が装備品として扱っていなければチェーンから火花が飛んでいただろう。

そして今は俺の力を受けて強化されているということは、どんなに無茶な使い方をしても壊れる事は無いということになる。

そして俺達は火矢を放って商船を襲っている海賊船へと一直線に突撃して行った。


「喰らえい!この海のゴミ共がー!」

『バキ!バキ!バキ!』

「な、何が起きたー!」

「親方!小舟が突っ込んで来やした!」

「何処の馬鹿だそりゃあ!とっとと中の奴を引き摺り出して始末しろい!」

「それがそのまま突き抜けて行っちまいました!」

「なんだと!」


俺達は更に旋回し、2度3度とまるで巨大な砲弾の様に海賊船へと突撃した。

その結果、何カ所にも巨大な穴が開き、軋みを上げて次第に沈み始める。


「爺さん、そろそろ白兵戦に移るぞ!」

「待っておったぞ!」


そして俺達は少し離れた所で船を止めると、俺はスキルで、爺さんは気に属する技を使って海面に足を着ける。

もしかしてこの爺さんは何でもありか!

まあ、こんな時なので驚くのは後回しにして俺達は船に向かって走り出した。

既に航行不能どころか沈没寸前の船からは海賊たちが我先にと海へと飛び込んでいる。

中にはさっきまで皆殺しにしようと矢を射かけていた船に助けを求める者も居るようだ。

しかし商船も火矢を放たれ、まだ鎮火が完全ではないので海賊に構う余裕はない。

もし炎上して船が沈めば自分達も海賊の仲間入りをして海に飛び込む必要が出て来る。

そうすれば泳ぎに長けている者ばかりではないだろうから確実に死人も出るだろう。


ちなみに俺は泳ぐ事よりも沈む方が得意なのでその気持ちが良く分かる。

本当にあって良かった水上歩行。


そして俺はアイテムボックスに海水を収納して船の上へ、爺さんは海賊を尋問しに向かった。


「火はどんな感じだ?」

「もうじき消えそうなのに海賊が邪魔をして中々消せない!」


見ると水は桶の様な物にロープを結び付けて海から汲み上げている様だ。

ただ、海上から船に上がろうと海賊たちがそのロープを掴み登って来ようとしている。

それを船上から揺り落としたりしながら必死に海水を汲んでいるけど遅れ分で火がなかなか消せずにいる。

海賊も必死なんだろうけど火が消えないとどうにもならない事が分からないのだろうか。

しかし、聞こえてくる声や表情から、どうやらよほど海の中に居るのが怖いようだ。

海賊なのに何か違和感を感じるけど、まずは消火を手伝うことにした。


「俺も手伝うよ。」

「命も助けてもらったのにすまねえな。」


そして俺は上がって来る前に収納しておいた海水を取り出し、火が燃えている所に掛けて鎮火させる。

これで火は消えたので最悪の事態は回避できただろう。

しかし思っていたよりも水が多くて船が少し沈んでしまった。

まあ、次は海水を汲み出せば元の位置まで浮き上がるだろう。


そしてそれを見ていた一部の人が驚いた様な顔を向けて来るけど、俺はそれには取り合わず船の淵から海面を覗き込んだ。

すると先程まで必死に助けを求めていた奴らの数がかなり減っている。

そして、ここから遠くの陸に向かい自分から泳いで逃げ出す者が何人も目に付いた。

その突然な心変わりに不審に思い、船にしがみ付いて離れようとしない1人の海賊へと声を掛ける。


「何があったんだ?」

「た、助けてくれ!海から引き上げてくれたら説明するからよ。」


海賊の男はまるで何かに怯えている様に体を震わせ、声を潜めて返事をしてくる。

俺は仕方なくロープを取り出すと先端にコブを作り船から垂らして海面に付けた。


「た、頼む!早く引き上げてくれ!」

「ほら掴まれ。・・・確かに何か居るな。」


さっきから船の下を大きな何かが泳いでいる気配を感じる。

きっとそれがコイツが恐れている存在で間違いなさそうだ。

しかもそいつは逃げている海賊ではなく、この船をターゲットにしている様で海中をグルグルと周っている。

そしてロープを海賊が掴んだ所で俺は少しだけ海から持ち上げてやる。

ただし、船の淵に手が届かない所で止めてやるけど船には乗せてやらない。

まだ膝までが海に浸かっているので男は大慌てで俺を見上げた。


「話したら引き上げてやるよ。」

「じょ、冗談を言ってないで助けてくれ!早くしないと怪物が!化物に食われちまうんだ!」

「それはどんな奴だ?姿は?形は?」

「そいつは・・・。」


その瞬間、船の側面を掠める様にして巨大な鮫が海面から飛び出した。

その大きさは明らかに今乗っている商船を上回り、20メートル以上はあるだろう。

鋭い歯列は一本で俺の顔よりも大きく、巨大な口は真直ぐに海賊の男へと向かって行った。


「ぎゃああーーー!」

「騒ぐな。」


俺は男を引き寄せ船に放り込むと、刀を抜いて鮫の開いた口の側面から尾にかけてを一気に斬り裂いた。

それにしてもこのメガロドンみたいな鮫は明らかに魔物だろう。

これではどんなに大きくてもフカヒレ一つ取れそうにない。


「っと、ちょっと待ったー!」


そう思っていたけど運の良い事にポーションをドロップしてくれた。

しかもコイツは中級ポーションで最近は消費ばかりだったからとても有り難い。

俺は海へと落ちて行くポーションを追って飛び降り、素早くキャッチ&収納してから海面へと足を着けた。


「後でコイツは検証しないとな。」


それにしても、まさか人間を生餌にして鮫を誘き寄せる日が来るとは思わなかった。

コメディー漫画だと良くあるけど、自分でやっても全然面白くない。


そして海賊が逃げて行くのを見ているとそちらにも巨大な水柱が立ち上がったのが見える。

どうやら鮫は1匹では無かったみたいで逃げた奴らはその餌食となってしまった。

そして商船に目を向けると誰もが先程の出来事で放心状態になっている。

それに回収した海賊は食われる寸前だったので今も目は開いているけど意識が戻って来ていない。

それに爺さんも鮫に気付いた様で海賊を放置してこちらへとやって来た。


「あれほどの大物を倒すのは久しぶりじゃな。」

「俺からすればあれを素の人間である爺さんが倒せる時点で驚愕だよ。それよりもこれを見てくれ。」


俺はさっき回収したポーションを取り出して爺さんへと見せる。


「まさか回復薬が出たのか!?」

「しかも5本だ。もしかするとコイツはドロップ率が高いのかもしれないぞ。」


すると爺さんはまるで悪魔が微笑んだようにニヤリと笑うと体から気を立ち昇らせた。

きっとヤル気スイッチがONに入ったのだろう。

その途端に海面には爺さんを中心に渦が巻き、それを目印にして鮫たちが向かって来る。

もしかするとこれは俺の挑発と似た効果があるのかもしれない。


すると爺さんは向かって来る巨大な背ビレへと真っ直ぐに走り出した。

そして鮫もまるでチキンレースでもするかのように互いが正面衝突する軌道に入ると背ビレで海面を斬り裂きながら向かって来る。

すると、互いに1歩も譲らないと言った感じで直前まで接近すると爺さんは拳を構え、鮫は巨大な口を開けて海面に飛び上がった。


『バク!』

「喰われたな。」


チキンレースでは勝負が着かなかったので結局は超接近戦なインファイトをしてくれるのかと見ていると爺さんは構えた直後に鮫のお腹に収まってしまった。

しかし次の瞬間、勝利を確信して悠然と泳いでいた鮫の背中が大きく膨らみ、体を突き破って爆発した。

これは爺さんが得意な相手を拳で粉砕する技で、直に見るのは初めてだけどアケとユウが話した通り凄い威力だ。

今の俺では素手であそこまでの威力を出すのは難しいので、それ程までに爺さんの攻撃力は高いと言う事だ。


そして、まるでどこぞの拳王の様に空に向かって拳を突き上げ再び姿を現した。

するとその手に向かって3本のポーションが落下し、爺さんはカッコ良く片手で掴み取るとそれを懐へと入れる。

それを見て船で心配そうに見ていた人たちから歓声が上がり、希望の声が聞こえ始める。


「うむ、やはりこの手の輩は腹の中から攻撃するのが一番じゃな。」


とは言っても普通の人は相手の口に飛び込んだりしない。

確かに人が簡単に入れるくらいに大きく、歯も数列並んでいるだけで粉砕機の様に横回転はしていなかった。

でもそれをやる精神が既に常軌を逸している。

恐らくはこの時代の日本で一番ぶっ飛んだ爺さんはこの人で間違いないだろう。

ちなみに子供代表は間違いなく俺で、青年代表はアンドウさんに違いない。


そして残った鮫は恐らく2匹でそちらも爺さんに惹かれて向かっているようだ。

しかし、あのやり方だとしか仕留められないので片方は俺が貰う事にした。


「なんじゃ、お主も同じ技が使えるのか。」

「まあな。それじゃあ一気に片付けて港に帰ろう。海の幸なら俺が大量に持ってるからそれを使えば良いからな。」

「ならば最初からそれを出せばここまで来なくても良かったじゃろう。」

「やっぱりその土地の食材を楽しみたいだろ。」

「確かにそういう考えなら儂も賛成じゃな。」


そして登場して数分しか経過してないのに悪いけど鮫には尊い犠牲となってもらう。

俺達は剣と拳を鮫に向けるとその頭部を問答無用で粉砕した。


「爺さん別に腹の中からじゃなくても余裕じゃないか。」

「うむ。何やら最近は無性に力が湧いて来てな。さっきも意外と簡単に倒せたんで拍子抜けした所じゃ。」


それならもしかするとステータスを得ている可能性があるので落ち着いた頃に確認してもらおうと思う。

そして今回の戦闘で獲得できたポーションは総数で15本

俺が10本で爺さんが5本だ。

そして鑑定すると全てが中級ポーションだったので中々の収穫と言えるだろう。


その後は火災で航行が難しくなった商船を俺達の船で牽引し、海賊の生き残りを回収しながら港へと戻って行った。

それにしても日本で水棲の魔物は初めて見たけどアイツ等だけとは限らない。

邪神の事だからもっと卑猥な触手モンスターやローパーなんかにも警戒しておかなければならないだろう。

まずは蛸と烏賊は足が触手なので注意しておき、見つけたら即座に教育的指導で始末してやる。

そして俺はまだ見ぬ危険な魔物を頭の中で思い描きながらペダルを漕き町へと到着した。

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