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122 フルメルト国ダンジョン ③

「ハルヤ!」


俺が覚悟を決めて空に向かおうとすると後ろからアズサの声が聞こえて来る。

そして振る向くと同時に俺は抱き着かれ一般人なら鯖折によって背骨が粉砕されるであろう程の力で強く抱きしめられた。


「間に合って良かった!」

「ここは危険だから町の外で待っててくれた方が良かったのに。」

「それであなたが死んだらどうするの!?私だけ逃げるの!?」

「俺はそれでも良いと思ってたんだけどな。」

「馬鹿!・・・バカ馬鹿!ハルヤの大馬鹿!」


するとアズサは俺の覚悟を大声で罵倒し涙を流しながら睨みつけて来た。

しかし、それでもアズサに生きて日本に帰ってもらいたい。

俺にとっては大切な人の死は自分の死よりも辛い事なんだ。


「アズサ、もうじき上の奴が動き出す。だから今の内に逃げてくれ。その時間くらいは俺が稼いで見せるから。」

「嫌!私はここから絶対に動かないんだから!だからハルヤはアイツを倒して迎えに来て!」


俺もそうしたいけど流石ににそれは難しい注文だ。

今の俺の力だと捨て身で挑んでも首の一つも斬り落とせないだろう。

するとアズサは涙を拭うと何かを決心したように瞳に強い力を宿し、俺の両肩を掴んだ。


「そこにしゃがんで!」

「でもそな余裕は・・・。」

「しゃがみなさい!」

「はい。」


俺はアズサに言われるままにその場に膝を付き、低くなった身長でアズサを見上げる。

するとアズサはそんな俺の顔に手を添えると少し体を前傾に傾けて俺の額と自分の額を合わせた。


「我は汝を--と認める。絶望を切り裂き希望に変える刃となれ。如何なる困難にも立ち向かい、汝が朽ち果てるその時まで我を守る刃と盾になれ。」


アズサはそう言って互いに視線を交わすと今までに無いほどの深いキスを交わした。

その瞬間、体に力と勇気が湧いてくるのを感じる。

今なら上でこちらを見下ろしている大蛇も簡単に倒せそうだ。


「アズサ。いったい何をしたんだ?」

「え~と、聖女が1人の相手に1度だけ与える事の出来る称号を与えたの。その・・・。もっと早くあげても良かったんだけど、ちょっと厨二病ぽいから遠慮してたんだよね。」


俺はアズサの言葉に嫌な予感を感じるとステータスを開いて確認をしようとした。

しかし、流石に大蛇もそこまでは待ってくれず、首の1つが俺に向かって襲い掛かってくる。

そして俺は邪魔された事によって苛立ちを感じ、高揚感も相まって全力で木刀を振り下ろした。


「シャーーー!」

「今は大事な確認の最中なんだから邪魔をするな!」


すると接触と同時に蛇の頭部が完全に砕け散り、黒い霧となって吹き飛んだ。

しかし、それには大蛇だけではなく俺も同様に驚いた。

でもおかげで追撃が来る事は無く、大蛇が警戒して襲ってこない間にステータスを確認する。


「確か称号がどうとか言ってたな。」


そして、そこには確かに厨二病の奴なら飛んで大喜びしそうな名称が追加されていた。

ハッキリ言ってラッキースケベの称号と合わせると何処かで聞いた事のある主人公の爆誕を見ているようだ。


「なんて恐ろしい事を・・・。」

「だからなるべくやりたくなかったんだよ。でもこれで私とハルヤとは一蓮托生だよ。」

「・・・どういうことだ?」

「私が死んでもハルヤの称号が消えるだけだけどハルヤが死んだら私も死んじゃうの。」


するとアズサはいつもの落ち着いた口調で驚愕の事実を教えてくれる。

しかし、それは互いにとって一大事なことで俺だって不慮の事故で死ぬ事だってある。

それは以前に1度起きている事なので覆しようのない事実だ。


「これって取り外しや契約変更は出来ないのか?」

「取り外しは出来るけど1度しか付けられないから今外すと生きて帰れないよ。」

「ごもっとも・・・。なら後で考えるしかないか。」

「そうだね。それと早く戻って来てね、私の勇者様。」


どうやらアズサの中で俺が負けるという可能性は完全に消え去っている様で明るい笑みを浮かべている。

それに最後の言葉も俺を揶揄っているのではなく、さっきのやり取りで追加されたのが勇者の称号だからだ。

それにしても別に俺TUEEEーーーをやりたい訳では無いのにいつも状況がそれを許してくれない。

素直に言えば大事な人さえ守れるなら称号がモブの方が俺らしくて似合っていると思う。


しかも効果は文字化けして読めず、分かるのは勇者の称号が着いた事と能力が飛躍的に向上した事だけだ。

通常ならデメリットの分からない能力は使いたくないけど、これが無ければ勝てそうにない。

それに説明も読めないのでどういう発動条件なのかも不明なままだ。

そのため俺はすんなり諦めてまずは手頃な所にある問題解決を優先させる事にした。


「それならちょっと行って来るよ。」

「いってらっしゃい。」


そしてアズサはその場で軽く手を振り、まるで玄関で見送りをする新妻の様に送り出してくれた。

きっと父さんもこうやって毎日の仕事を頑張っていたのだろうな。

素直な感想を言えば、勇者の称号よりも気分が高揚してくるのを感じる。


そして空に上がると更に巨大化した大蛇が8つの頭で俺を睨みつけてきた。

どうやら攻撃してこなかったのは警戒をしていただけではなく、さっき吹き飛ばした頭の再生を優先していたからのようだ。

しかし、こうして近くで見るとマジでデカい。

まるでアナコンダとアマガエルくらいの違いがありそうだ。


そして、睨み合っていると大蛇は俺を半円に取り囲み、それが終了すると同時に口を開いた。


「先程はよくもやってくれたな!」

「もはや容赦はせんぞ!」

「貴様は首だけを残し我らが神への供物としてくれる!」


すると頭ごとに言葉を発して個別に罵倒を浴びせて来る。

どうやらそれぞれの頭が個別の意思を持ち、さっき頭を1つ吹き飛ばされたのを怒っているようだ。

しかし、これで1つ分かった事がある。

コイツを倒すには最初に倒した頭から最後の頭まで3分以内に倒さないと次々に頭が再生して倒す事が出来ないと言う事だ。

以前にハルアキさんが封印していた百足も頭を二つ持ち、高い再生能力を備えていた。

あの時はリリーと一緒に倒したけど、かなりの苦戦を強いられたのを覚えているので今回も速度が求められるだろう。

しかし、言われてばかりというのは俺の主義に反する。


「言い残す事はそれだけか?頭が8つもあるんだ。遺言も8通り考えてあるんだろ。」

「貴様こそあの方と敵対した事を後悔するがいいーーー!」


そして、叫びと共に4つの口が大きく開かれ、そこから水のブレスが吐き出された。

恐らくは体内に溜められた水を一気に吐き出しているのだろうけど、体の大きさもプラスされて巨大な壁が迫っているようだ。

しかし俺の手には天羽々斬の剣レプリカがある。

これをどう防ぐのかまでは分からないけど、腕に力を込めると迫ってくる水の壁に向かい剣を構えた。


「愚かな!そんな棒切れでこの攻撃が防げるものか!」

「俺もそう思うよ。」


言っては悪いけどアマテラスが寄こした物なのでまったく信用はしていない。

しかし避ければこの攻撃は後ろに居るアズサへと向かってしまう。

俺はアイツの盾なので、それだけは何があったとしても防がないといけない。


そして水のブレスと天羽々斬の剣が触れ合った直後にそれは起きた。


「なに!」

「攻撃が消されているだと!」


確かにブレスに使われている水は綺麗に虚空へと消えて行っている。

俺としては良くて切り裂く程度だと思っていたので目の前の光景に驚きを隠せない。

しかし目を凝らすとキラキラした何かが俺の周囲をまるで薄っすらとした霞の様に動き回っている気がする。

最初は水飛沫かと思ったけど、それにしては空気の流れに影響されている様子もない。

そう言えば、この国の空気中には既にナノマシンが飛び回って作業をしていた。

きっと周囲の乾いた大地を潤すのに蓄えた水を使い、補給のためにここに集まっているのかもしれないな。

そう考えればこの現象は天羽々斬の剣だけの効果では無いのだろう。


しかし、全てとはいかない様で下に居るアズサが少し濡れてしまっている。

そのせいで着ているシャツが水を吸い、その下の下着が透けてきているようだ。

こんな時にも余計な称号が無駄に全力で仕事をしている事が伺える。

あまり見ていると気付かれてしまい後が怖いので観賞はそろそろお終いにして次の行動に移ることにした。

それにようやく溜めた水が尽きたのか、蛇口を閉めたホースみたいにブレスが勢いを無くしている。


「もう終わりか?」

「おのれ初撃を防いだだけで良い気になりおって!」

「こうなれば、先程の奴同様にこの牙で噛み砕いてくれる。」


すると8つの首が四方八方から俺に向かい鋭い牙の並ぶ口を開いて襲ってくる。

しかしその巨体が逆に仇となり、更に空という戦場も味方してそれぞれの頭には死角が多い。

各頭がその死角を埋めてはいるけど意識がバラバラなために連携も出来ておらず、躱すのは難しくなさそうだ。

そして俺が躱し続け、奴は追い続ける事で不測の事態が発生した。


「グッ!どうなっている!」

「首が絡まっているぞ!」

「邪魔をするな!」

「ええい、一度冷静になれ!」


俺を追うのに夢中になり過ぎて自分達の体が絡まるのに気付けなかったみたいだ。

もしかするとコイツは戦闘面において経験が不足しているのかもしれない。

エリス達の話によれば、コイツが潜んでいた事は知られていない様だし、人が帰って来ないのも山脈を越えて他国へ脱出した事になっていた。

そうなればハルアキさんやツクモ老の様な人間と戦う機会は無かったはずだ。

それに高い再生能力にこの巨体、最初に放ったブレスもあればまともな戦闘は今日が初めてであってもおかしくはない。

さっきのアイツは完全に不意を突かれたから簡単に死んでしまっただけで、そうでなければあんなに呆気なくはやられなかったはずだ。

確かにあの時の感覚では攻撃力は脅威に感じたけど今はそれ程でもないのでこのチャンスに勝負を着けた方が良さそうだ。


「覚悟しろ!」

「こうなれば・・・!」


すると頭の一つが首の根元へと噛み付きそのまま無理やり引き千切った。

そのおかげで絡まった部分が緩くなり隙間が出来て動きやすくなっている。


「まさか自分の首を犠牲にしたのか!」


まさかそんな方法で絡まった首を解こうとするとは思わなかった。

しかし、それは噛み切られた首についている頭も同じだったようで下から罵倒が飛んで来た。


「貴様!血迷ったか!」


そして体から切り離された頭はそのまま消える事無く地上へと落下していった。

すると、どうやら目的はそれだけでは無かった様で噛み切った方の頭が落ちて行く頭に向かい声を上げる。


「そのままお前は下にいる女を殺せ!」

「後で覚えておけよ!」


どうやら頭を破壊するまでは切り離されても簡単には死なないみたいだ。

それに断面を見ると傷は次第に体を伸ばし始め、1匹の蛇として姿を変え始めている。

どうやら心臓も一つではなく別れた頭ごとに個別で備わっているみたいだ。

しかし自由落下をしていると言う事は能力に関してかなりの制限があると見ても良いだろう。


「地面まで命があると思うなよ。」


俺は落ちて行く奴を追いかけ距離を詰めると一番力の入りやすい上段に木刀を構える。

そして追い付くと同時に頭に1撃を入れて粉砕するとそいつは霞へと変わって行った。


「おのれーーー!」


しかし、その直後に上から更に切り離された頭が堕ちてきて巨大な口を限界まで開き襲い掛かってくる。

その後ろには本体の大蛇が残った首を必死に動かして絡まった首を解こうとしている。

元々、紐と違い細い訳では無いのでそんなに時間を掛けずに自由を取り戻しそうだ。


「お前も自己犠牲ご苦労さん。」

「クソがーーー・・・!」


俺は落ちて来た頭にも止めを刺すと再び上空へと戻って行った。

すると千切られた首の断面は既に再生が始まり、目に見えて肉が盛り上がっている。

ただし俺が吹き飛ばした時と違い首全体の再生と量が多いので時間が掛かりそうだ。

そのおかげでコイツの頭を全て潰すチャンスはまだ失われてはいない。


「犠牲になった奴らがあっちで首を長くして待ってるぞ。」

「馬鹿にしよって、こちらはまだ2つ減っただけだ!それも数分で復活することになり、そうなれば今度こそ貴様を血祭りにあげてくれる。」


それは2つの頭が復活するまでお前らが生きていられればの話だ。

残念だけど俺はそこまで待つ程お気楽でもお人好しでも無いんだよ!


「まずはお前からだ!」

「クソ!お前たち俺を守れ!」


この頭はさっきから率先して行動しており一番喋っている奴だ。

きっと頭にも優劣がありコイツが一番上なのだろう。

その証拠に切り離された頭も他の頭も指示に従い行動している。

しかし今の状況で行動に制限を掛けるのは良い判断とは言えない。

どうせ復活するなら自身が犠牲になったとしてもその事を隠すべきだった。


「動きが単調になってるぞ。」

「舐めるなー!」

「それはお前の事だ。俺は常にお前を観察し、分析し、最適な倒し方を模索している。スキルを最大に活用し相手の思考を掻き乱し、油断を誘う。お前ら魔物は人間を見下し過ぎだ。」


俺は指示に従って向かって来る他の頭を1撃で吹き飛ばしながら冷たく冷静な視線を向ける。

そして一番後方で身を隠す頭へと一直線に向かって行った。


「これで終わりだ!」

「こんな馬鹿な事があるかーーー!!」


俺は最後の頭を吹き飛ばすとゴーグルを起動させるると、その体にある巨大で黒い魂が今も燃え上がっているのを確認した。


「やっぱり簡単には死なないよな。」


これは想定の範囲内だ。

ゲイザーですら首を全て斬り落としても第2形態が存在したのにコイツ程の存在がそれをしないはずはない。

そして、もちろん相手が攻撃して来ないからと言って悠長に待つような俺ではないので、この巨体を少しでも削ってダメージを与えておく。

既に実体化していれば次の形態が存在しようとダメージが入る事は巨大百足で実証されている。


「まずは再生しない首は放置だ。このまま胴体を滅多打ちにしてやる。」


俺は天羽々斬の剣を振りまくり道路で言えば8車線以上はある大きさの胴体へとダメージを与えて行く。

そして雲に隠れた尻尾へと向かって行くと突然目の前に今までの数倍はある巨大な口が迫って来た。


「もう変身を終えやがったか!」


俺はギリギリでその口を躱すと首元へと1撃を入れる。

しかし、あまりの大きさに切断までは至らず3割程を抉るに止まった。

コイツの首を斬り落とすには同じような所にあと3発以上は入れないといけないみたいだ。


「・・・いや、違うな。これはアズサの強化魔法か。」


そう言えば聖女はバフが得意なので魔法のおかげで更なる力の上昇を感じる。

そして、もう一つ別の力を感じるけど、これは初めての感覚でまるでライブに参加したような高揚感が体を包んでいる。

しかし、こんな事が出来そうな相手は1人しかいない。


「これはエリスか。」


見ると丘の上でエリスは預けたままになっていた踊り子衣装を纏い舞を舞っている。

どうやら今までの戦闘でレベルが上がり職業を選べるまでに成長したみたいだ。

きっと選んだのは歌姫の様な支援職で踊っている所を見ると踊り子とかそんな所かもしれない。

そして2人の強い強化を受けて俺の力が急激に高まるのを感じる。


「これなら2撃で行けそうだな。」


俺は奴の体を駆け上ると先程の攻撃箇所へと向かう。

すると、大蛇はそれに気付くと体を捩じり、左右に大きく蛇行しながら俺を振り落とそうと動き回る。

しかし俺は別にコイツの体に足を着けているのではなく、体に沿って走っているだけだ。


そして到着して速攻で先程とは反対側から1撃を加えた。


「グオアーーー!」

「やっぱり骨が一番硬いか。」


しかしどんな体をしているのか、首の周りに肉は残っていないのに骨だけで体を動かしている。

そして巨大な尻尾を振ると先程までは首だった部位が鞭のように襲い掛かってくる。

しかし今の俺ならそれを躱す必要はなく、迎撃によってその全てを粉砕した。

まさに攻撃は最大の防御と言う奴だが、そちらに気を取られたせいで先程まで見える所にあった首が遠くまで行ってしまった。

デカいのはそれだけで本当に厄介な事だ。


「次で終わりにしてやる。」


そして2度目の追い駆けっこが始まり、程なくしてようやく追いつく事が出来た。

しかし既に再生が進み、骨を中心にして肉が盛り上がっている。

早くしないとこのままではずっと追い駆けっこが続きそうだ。

俺は天羽々斬の剣を強く握り締めると最後の一撃を放つために肉と肉の間に飛び込む。

そしてトラック並みに太い首の骨へと天羽々斬の剣を振り下ろした。


「ギャーーー!」

『ボキ!』


すると最後の一撃で剣は折れてしまい僅かに残った部分で繋がっているだけだ。

それでも何とか首の切断は成功し、手元で何とか繋がっている天羽々斬の剣を見ながら消えて行く大蛇と同時に視界に収める。


「やっぱり不良品だったか。問題は首を落として死んでくれるかだな」


これで後は第3形態が無い事を祈るだけだ。

一応ゴーグルで見ると先程まで燃え盛っていた魂は次第に小さくなり、今にも消えそうな程に弱々しい。

しかし、油断はせずに最後まで睨むように見詰めていると蝋燭が燃え尽きる様に消えて行った。


すると驚くほど巨大な魔石と大量のドロップ。

そして最後に何やら光る剣のような物を残した。

俺は魔石と剣、それと実体化しては落ちて行く蘇生薬を幾つか集めて行く。

恐らく、これだけあればかなりの人間を蘇らせる事が出来るだろう。

しかも、この蘇生薬は今までに見た物の中では最高品質で初めての上級蘇生薬となっている。

ただし、その効果は限定されており、邪神に関わって死んだ者となっているようだ。

それに期限は無く、体の一部からでも蘇生は可能のようだ。


もしかするとこれは今までコイツに犠牲となった人たちからの贈り物かもしれない。

あまり多く取ると恨まれそうなので予備も含めて30本ほど頂戴しておく。

これくらいならこの国に眠る人たちも許してくれるだろう。

それに今も周りには蘇生薬が実体化し続け、まるで雪の様に地面を覆い隠している。

俺はそれを見ながら地上に戻るとアズサの許へと向かって行った。

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