一章 エピローグ
今から考えれば、とても不思議な体験だったと思う。
悪霊だった私に訪れた素敵な出会い。そのお蔭で、私は今ここにいられる。
社長が痛い思いをしながらも私の魂の欠片を持ち歩いてくれたから、外の世界に目を向け自分を知ることができた。そもそも、『相談屋』にこの話を持ち込んでくれた人たちがいたから、私は今も生きてられる。
そう考えれば縁とは不思議なものだ。私はここに私を繋ぎ止めてくれた縁に感謝して生きていければいい。
私はここで書き続けよう。
妖界のこと、『相談屋』のこと、これから起きていく事件のこと、私の知らない過去の事件のこと、社長のこと、私の友人たちのことを。
私のやりたいと思ったことだし、何より誰かに知っておいてほしい。いつになるか分からないけど、もしかしたら誰かがこの本を手に取るかもしれない。その時に『相談屋』があったことを心の隅にでも止めて置いてくれたら嬉しいから。
さあさあ、寄ってらっしゃい、見てらっしゃい。
世にも奇妙なお店の在り方を。
気高く咲いている魂のお話を。
それらは脆く、儚い。
誰かの記憶の中に存在する一粒の泡のような物語。
とくとご覧あれ―――。
始めまして、こんにちは。作者の若葉 美咲と申します。
ここまで読んで下さりありがとうございます。一章、思ったよりも早く終わってしまいました。
主人公の女の子が文に綴る形で書いたのは今回が初めてで、すごく悩みました。始めは女の子が書いているのを隠しておきたかったのですが、そのせいで微妙な文になってしまったこと反省してます。次は上手く生かしていけたらいいです。
さて、一度エピローグと〆させていただきましたが、これは第一章の終わりにすぎません。この後、番外編を挟んだら二章の幕開けです。まだまだ続く予定ですので最後までお付き合いいただければ嬉しい限りです。
これからもよろしくお願いします。




