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なろうラジオ大賞7

異世界サバイバルは突然に


「どこ? ここ」

神社に向かって森の中を歩いていたはずが、見たことのない種類の木々に囲まれていた。


「何の木なんだろ」

『鑑定を始めます』

聞いたことのない声が頭の中に響いた。

『鑑定完了。モーランド王国シェンネルの森に群生しているサカメの木です。秋になると美味しい実がなります』


「まさか、異世界?」

キョロキョロと辺りを見渡す。

「やば。森しかないじゃん」

服装も荷物もそのままに、異世界転移してしまったようだ。

「よりによってなんで森の中なのよ! シェンネルの森って何よ!」

『検索を始めます。検索完了。シェンネルの森はモーランド王国にある広大な森で、果物の木が多く、それを目当てに人も魔獣も集まります』


「はあ? 魔獣って何よ!」

『検索を始めます。検索完了。魔獣とは、この世界固有の生き物で、邪悪なものが多いです。魔法での討伐推奨です』

「魔法? どうやって?」

『検索を始めます。検索完了。呪文を用います』

「私が使えるやつあるの?」

『検索を始めます。検索完了。炎、ぬいぐるみ化が使えます』


「ぬい? 使い方を教えて」

『使い方を検索します。検索完了。言葉を唱えます』

「ヤバ。これからどうしたらいいのよ!」

『TODOリストを確認します。確認完了。特に予定はありません』

「そんなこと分かってるよ! この状況をどうサバイバルするのかって聞いてんの!」


『状況を分析します。分析完了。ここはシェンネルの森です』

「それは分かったってば。面倒だなぁ。あ、もしかしてアレ? よし。『ステータス、オープン』」

『ステータスを開きます。開示完了。小宮山由美、Lv36。職業、渡り人。家族、なし。HP1500、MP6000、使用済魔法、鑑定、検索、分析』


「文字で読みたいなぁ。画面とか出せる?」

『PAD形態に変わります』

空中に四角くて薄い機械が現れた。落ちる! 咄嗟に掴んだ。

「危なかった。急に変わるんだもん」

慣れた手つきで操作をする由美。

「見知ったアレな感じね。地図もあったけど、えー、森のど真ん中にいるよ。一番近い街は、と。あれ? この見知った歯車、設定じゃない? 言語設定、え、もしかして通じない感じ? やば」


突然背後に気配を感じた由美は走り出した。距離を取ってから素早く振り返る。

「怖っ」

大きな魔獣が由美に興味を持ったようだ。


「ぬいぐるみになれ!」


ポンッ。

「え。可愛い」

ニヤリ。


出会った魔獣は全てぬいぐるみにして、辿り着いた街で販売。由美は大金持ちになった。


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