ハテノ村盗難事件
去年の六月に書きかけで放置していた番外編を発掘しました。
このまま置いておいても続きを書きそうにないな、と思ったので。
いっそのこと、ここに投入。
既に投稿してしまったのなら続きを書かざるを得まいという、自分への追い込みです。
それはある日のこと。
近づく夏の気配に、晴れ渡る青い空。
洗濯物を干すのも楽しくなるような、爽やかな風。
そんな時に事件は起きた。起きてしまった……。
ハテノ村に、下着ドロが現れた。
この時点で既に惨劇の気配しかしない。
主な被害者は女性。
無作為に犯行に及んだのか、うっかりか、中高年のご婦人も被害に遭っていた。
ついでに何故か勇者様の下着も盗まれていた。便乗犯なのか、同一犯なのかが悩ましい。
それは、珍しく長く続いた雨模様が上がった日。
あまりにも気持ちの良い日だったから、ほとんどのご家庭は洗濯物を干していた。
それがこんな事態を招くとは……一体誰が思うのか。
無防備に見えてガチで危険なハテノ村の警備状況を犯人は知らないのだろうか。
下着ドロが捕まった後には悲惨な未来しか予想は出来ないというのに。
それを良く知っているからだろう。
今まで、村人間で下着ドロが発生した例は少ない。
洒落にならない犯罪を犯した者の末路は、火を見るよりも明らかだからだ。
精々が報われない恋に悩んで思い余って……という変態的な例くらいだろうか。
捕まった後のことを思えば、到底軽々しく行える犯罪ではないだろうに。
そして、より最悪なことに。
下着ドロはリアンカちゃんの下着も盗んでいた。
ハテノ村に、血の雨が降るかもしれない。
惨劇の幕開けだった。
此処まで書いて、放置していた私。
絶対に楽しいことになるだろうに、なんで放っておいたんだろう?
きっと同時に思い浮かんだ他の二つのネタと、どれを優先して書くか迷ったせいです。
ちなみに一緒に冒頭だけ書いて放置していた他の二つのネタ↓
「薬師房繁盛記」
リアンカちゃんの薬師としての日常を書こうと思って何かを間違えてしまった一品。
「24時間密着潜入! ドキッ☆男だらけの自警団」
本当に村の治安維持に勤めているのか、今一つ不透明な自警団(エロ紳士の温床)。
村民から苦情が寄せられ、その真偽を確かめるために潜入する……というネタ。




