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秋味ぷるぷる!白子初挑戦☆

 いやあ、例年近くのスーパーの鮮魚コーナーに、鱈の白子と一緒に並んでいて、そっちより美味しそうだから気になってはいたんです。


 秋味、『鮭』の白子。


 産地の方々には普通の食材らしいのですが。私淑しております、かの北王子魯山人も『知らずや肝の美味』で魚の肝の旨さを説きましたが、鮭の肝のそれはなく。わたしたちの地元は鰻の肝はありましても、鮭の白子が店頭に並ぶようになったのはごく最近のようです。旨いに違いないと今年は意を決して買いました。それが畜肉でいいますと肝臓のような片身。

 手のひらに余るほどの立派なサイズです。しかしピンク色にほどよく薄皮が張り切って、切り身の鮭から想像しますと、この豊かさは、中々想像しがたいほど。

 いやはやわたし、以前、近隣の牧場から豚の生の肝臓の仕入れたやつをよく食しましたが、臓物は新鮮なほど張り切って柔らかく、血のいやあな臭いなど、一切しないのですなあ。

 とは言え、魚の臓物です。ちゃんと下処理を致しませんと、生臭さが気になるかも知れません。お料理にする前に、塩をふって、のめりをとって、酒で煮て氷水で〆ます。血あいを抜き取って、バットで乾かすと、初々しいピンク色は薄い皮膜をまとって、固く突っ張ってしまったかに思えます。見た目は湯がいた鶏ササミに近く。ぱさぱさにしてしまったかなあ(゜ロ゜)

 しかし杞憂でした。湯で洗って氷水でしめて。食べる前に念のため、二、三分湯がいてみたのですがそれでも秋味は、なお、豊かでクリーミーでした☆ごく単純におろしポン酢で和えたのですが、これ。おろし要らないかも( *´艸`)

 ぷつんと弾ける皮は、獲れたての豚の生レバーにも中々ない心地よい抵抗で、濃厚な白子の旨味は、あんこうの肝よりもきめ細かく、鱈の白子のこくを超えました。ポン酢の酸味だけで、後は白子の豊かさなこくだけが、わたしを実りの秋へ連れて行ってくれます。久しぶりに、とっときの大分麦焼酎をロックで開けました。

 ポイントはやはり白子の鮮度と、下ごしらえの仕様ですな。あまり煮すぎると、煮魚の子持ち卵のごとくなってしまう。煮るのは大きさもありますが、下ごしらえの湯通しを含め、三分以内が良いようです。鮭の白子のポン酢和え。文句なく、我が家の酒席メニューにランクインです。やってみるものですねえ。これから冬まで楽しめるのがまた嬉しい☆

 例年スルーしていた鮭白子ですが、今年の秋は早速、思いがけない、出会いが出来ました。まだまだ知らないことばかり。新しいものにはどんどん目をつけて吉、この秋ももっと豊かな出会いをしていきたいなあと思いつつ傾ける涼しい秋の暮れの酒☆さて今夜も乾杯です(`ー´ゞ-☆

(2016年9月24日掲載)


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