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ことことおつまみ一鉢煮☆

 蒸し暑い盛りから一気に涼しくなってまいりました。それでもまだおでんや鍋物が恋しい季節…とまではいかなくて、とは言え夜のお供には、ちょっと体が温まるものを食べてみたい、そんなアンビバレッジな季節の端境。一杯飲み屋さんなどでは、お通しにするような一鉢ほどのちょっとした煮物、などが重宝だったりします。

 よく思い出すのは池波正太郎などの小説に登場する小鍋立て。一人か二人分の差し向かいで食べるような小さな鍋に蛤を置いて、酒を振りかけただけ、潮の汁で煮て食べるなどの粋な食べ方などありますが、まあこちらは先立つものが要りますので、ちょこちょこ安いもので仕立てます。

 例えば狸豆腐。夕食に少し余った豆腐と揚げ玉をめんつゆで煮ただけ、しかし輪切りのネギに七味を散らして小椀に上げれば、晩酌のちょっとした腹ふさぎにお腹を暖めるのには最適です。

 またこの時期、旬の過ぎかけた生鰹を食べ頃に切って、そのままでは冷たいので、甘めの酒と生姜、醤油で煮付ける。こちらは元が刺身なので、半煮えくらいにしたてますと、中々食べごたえがあります。

 そしてちょっとお客前には出せませんが、お酒の座が持つおつまみと言えば、コロッケ煮です。立ち食いそばのお好きな方などは、天ぷら代わりにおそばにコロッケをトッピングで浮かべるのが好きな方がおられると思いますが、かつおだしの利いたおつゆを少し甘くして、コロッケを煮詰めますと、これがまた長持ちお酒のおつまみに。だしが沁みた衣がふやけて、ともするとパサパサのポテトコロッケが変貌します。コロッケ用にマッシュしたポテトも、普通にジャガイモを煮付けるより、よりつゆが染みるのですねえ…( *´艸`)

 さてそんなちょっとしたおつまみを、こまめにこしらえて夜半ちょこっと飲み。おつまみしたてながらビールなんかも悪くなかったりします。煮込んでひと晩、お汁がしゅんだおでんが恋しくなる季節も、もうすぐ。本格的な秋の楽しみを思いつつ、今夜も乾杯です(`ー´ゞ-☆

(2016年9月12日掲載)


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