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土用の丑に鰻召しませ☆

は、日本初のコピーライター平賀源内が考え出した、歯みがき粉に次ぐ絶妙のキャッチコピーと言いますが、鰻と日本人、関わり意外やかなり旧いと聞きます。

鰻を食うと言えば、わたしたちにポピュラーないわゆる『蒲焼き』これは文化文政年間、徳川幕府も10代家斉の頃まで進んだ辺りでありまして、以前はと言うと池波正太郎さんなどによると職人や農夫などが夏の過酷な労働を乗り越えるために食べる、言わば下世話な強精食でありましたとか。

あの甘い味わいの蒲焼きの垂れが出来る前は串焼きにたまり醤油を塗ったり、粗塩だけで食していたそうです。今絶滅危惧種の希少価値を考えると隔世の観がありますな。

水田のある綺麗な水の中で育ち、生命力の強い鰻。胸に黄ばみがあることから『胸黄むなぎ』と言われたのが訛ったのとされ、古くは柿本人麻呂の和歌に「夏やせ(バテ)」によい、と歌われておりました。足利将軍家や織田家の饗応の膳にもきちんと登場します。

中世は『宇治丸』と言われ、汁椀として親しまれました。でももしかしたら、強い味付けを好んだ織田信長などは白焼きや蒲焼きがあったなら、そっちを大絶賛したでしょうな。

昨今は鰻の稚魚の希少化で養殖が厳しくなり、似た味の鯰への代用が試みられていると聞きます。明治生まれの曾祖母に聞くと鰻など買うことなど一度もなく、田んぼ仕事の合間に用水路で捕まえては食べていたと言いますが(;´Д`)

今年は炭で焼いた鰻まだ食べていませんなあ。じゅうじゅうと沸く脂に、ほくほく甘辛たれの沁みた身。やっぱり出来立てが一番です。もう少し、盛りを過ぎたら行きつけにいこうかと思っています。凹んだ古畳に風通しいい座敷、冷酒をやりながらお重の鰻ときも吸いをやっつけるのは堪りません。数ある日本の風物詩あれど、蕎麦と鰻と寿司は不滅でいてもらいたいものです。

(2015年8月2日掲載)


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