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蕎麦屋の天むす

所用で新宿駅に参りましたら一際目につく駅弁でした。薩摩芋の色をした包み書きに『大正7年創業 丸政の蕎麦屋の天むす』。よくよく確かめたら、山梨は小淵沢のお店だそうで。しかしまあ江戸前を感じさせる駅弁さんなのですよお☆

包み紙を開けると、侘びた笹皮の包みに、一口サイズの天むすが八つ。摘まめば人差し指と親指に収まるくらい。三つ葉の爽やかな香りに少し酢に慣れた飯、紐状に刻み込まれたキクラゲがまた、ほどよいアクセントなのですよ☆肝心の天ぷらは決して主張せず、ふんにゃり汁に濡れた衣は助演に徹してぷっつり噛みきれる食感命な芝海老こそが立派な看板役者(`∇´ゞ

匹敵する冷酒にあてるに苦労します。米の甘さふくらか、たおやか華やかな一ノ蔵が精一杯なお相手かな。付け合わせ角切りの、しぼれて甘くない切り干し沢庵がまた泣かせます。まさに寿司屋の沢庵ですな。

いやぁ、一期を縁に得難い再会でした(`∇´ゞ

(2015年6月20日掲載)


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