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幸せなポーションライフを  作者: 空野進
2.1.蘇生ポーション
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8.不死鳥

 接着ポーションでフェニを狙う男たちを捕らえることができた。

 これで何か情報を得ることができるといいけど……。


 そんな考えを抱きながらレフィは男たちに質問を投げかける。


「どうしてフェニを狙っていたのですか?」

「そんなことは簡単だ。不死鳥の羽は万病に効く薬だからな。それを取ってきて欲しいと依頼を受けただけだ」


 そんな効果があったんだとリルの方を振り向くと首を横に振っていた。


「不死鳥にそんな効果はないぞ? ただの眉唾物だ」

「う、嘘だろう……。それじゃあなんのために俺たちはこんな苦労を――」


 がっくりと男達はうなだれていた。


「そ、それならそんな奴はいらない。それよりも早く逃げないと不死鳥の親が――」


 親? レフィが首を傾げていると遠くの方から咆哮のようなものが聞こえる。


「で、出た!? は、はやくこの足の拘束を解いてくれ」


 慌てふためく男達。

 その一報でフェニは嬉しそうな表情を見せていた。


「もしかして、フェニの親?」

「そうだな。忌忌しい声だ」


 リルも警戒した様子を見せていることからそれは間違いなさそうだ。


「うん、それじゃあ会いに行ってみようか」

「お、おいっ、こ、殺されるぞ? 相手は不死鳥だぞ?」


 男が肩を振るわせながら注意してくる。


「まぁどちらにしてもフェニを連れていかないといけないからね。それじゃあ行ってくるよ」


 レフィは男達に向かって手を振ると咆哮が聞こえた方へと向かって歩いて行く。

 それを呆然と見守る男達。


 しかし、しばらく経って自分たちがまだ拘束されていて動けないことに気づいた。


「お、おい、行くのはいいが、俺たちを解放してくれ!!」

「ふ、不死鳥に殺されちまう……」


 するとレフィが振り向いて答える。


「大丈夫ですよ。それよりも帰ってきたらもっと詳しく色々話を聞かせて貰いますからそこでジッとしていてくださいね」


 ◇


 レフィ達は町を出てまっすぐ歩いて行く。

 しばらく歩くとすぐに大きな鳥を発見する。


 赤と金色が混じり合った鮮やかな羽を持った鳥。その体は元の姿のリルに及びかねないほど巨大な体だった。


「あれが不死鳥かな?」

「あぁ、厄介な相手だ。まだ警戒はされていないようだが――」


 不死鳥は近くの木の上に止まると声をかけてくる。


「そなたたちが我が子を奪っていった輩か?」

「いえ、僕たちはこの子が怪我をしていたところを助けただけです」

「ピヨっ、ピヨっ!」


 フェニも嬉しそうに頷いていた。


「なるほど、本当に我が子を助けていただいたようだ。感謝する」


 不死鳥が頭を下げてくる。


 するとフェニが不死鳥の方へ飛び立っていく。


「これは礼だ。人間たちが何でも治ると言っている我が羽をやろう」


 不死鳥が自分の羽を嘴でくわえるとそのまま引きちぎり、レフィに渡してくる。


「えっと……」

「ただの羽だろう?」


 リルが呆れたように言ってくる。


「おや、お前は……神狼か。なるほど、お前がつくほどの人物か……」


「それにしても不死鳥のくせに子供を奪われて情けないな」


 リルが容赦なく言う。


「あぁ、我がいない間に人間が姑息な手を使ってきやがったんだ。そやつには後から悔やませてやるつもりだ……」


 不死鳥は怒りをあらわにしていた。


 ◇


 フェニを連れて不死鳥は去っていった。

 それを少し寂しく思いながらレフィは見送っていた。


「よかったのか?」

「うん、フェニも親と一緒にいた方がいいからね」


 寂しげな目を見せながらリルへと視線を向ける。

 するとリルは溜め息を吐きながら側に近づいてくる。


「私は側にいるから安心するといい」

「うん……」


 もふもふ……。


 近づいてきたリルの体をなでていく。


「な、なんでなでるんだ!?」

「えっと……、側に来たから?」

「そ、それだけでなでるな……」


 口では嫌がっているものの逃げようとしないリル。

 それを見てレフィはしばらくの間リルをなで続けるのだった。


 ◇


 元気になったレフィは街へと戻ってきた。

 すると捕らえていた男たちが安心したように話してくる。


「ふ、不死鳥は去っていったんだな……」

「た、助かった……」


 その場で座り込もうとするが、拘束されていて動かないようだった。


「それでどうして不死鳥を取ってきたのですか? 詳しく教えていただけますか?」

「だからそれは何でも治療できると聞いていたからで――」


 レフィがにっこりと微笑むと男たちは口を閉ざす。


「それで誰を治療しようとしたのですか?」

「……」


 男たちは互いに顔を見合わせる。

 そして、溜め息を吐きながら一枚の紙を取り出してくる。


「この近くに住んでいる伯爵家の娘が難病を患ったみたいで、それを治療したものには望みの褒賞を与えると言う話が回ってきたんだ。それで不死鳥を探し出して、親が出ていったタイミングで捕まえてきたわけだ」


 なるほど……。だから必死になってフェニを探していたんだ……。


 それにしても――。


「なんでも望みのものをもらえる……か」

「なんだ、レフィにも欲しいものがあるのか?」

「うん、もちろんだよ。よし、それじゃあその人のところに行ってみよう」

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