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幸せなポーションライフを  作者: 空野進
2.1.蘇生ポーション
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6.小鳥

 屋台の店主に何度もお礼を言われながらレフィ達は去っていった。

 その帰り道、レフィは地面に倒れている小鳥を見つける。


「あれっ、こんなところにどうして?」


 その小鳥は傷だらけで誰かに怪我をさせられたような感じだった。

 小鳥を手で抱え上げると、回復ポーションをゆっくり飲ませていく。


「こんな町中でどうやって怪我をさせたんだろう?」

「流石に人前で襲うようなことはしてないと思うぞ?」


 たしかにかなりの町民が行き来している往来のど真ん中で倒れていた小鳥。


 周りを見渡してみるが特に変わった様子もない。


「とりあえず、傷はもう治ったわけだから家に連れて行こう」

「それもそうだな。ただ、私は少し警戒しておくぞ?」

「うん、お願いね」


 レフィは小鳥を連れてそのまま家へと帰っていく。

 途中何度もリルが振り返り、周りを警戒していたが、特に異変は何もなかった。


 ◇


 家に戻ると目を覚ますまで小鳥をテーブルに寝かせておく。


「ポーションを飲んだのになかなか目を覚まさないな」

「あくまでも傷を回復するものだったからね」


 もっとしっかり回復するべきだったけど、あの場だと危険があったかもしれないからね。


 とにかくもう傷は治ってるわけだから後は待っていたら目を覚ます筈だ。


「早く目を覚ましてくれるといいね」

「ただ目を覚ましたらまたこの鳥を狙ってくるかもしれないぞ。まずはこの鳥の正体を調べておく必要がありそうだな」


 ただの小鳥ではなさそうだね。

 レフィは興味深くいまだに眠りについてる小鳥を眺めていた。

 茶色い毛並み。ただ一部が金や赤に変わりつつあるので、成長をすると鮮やかな色の鳥になるのかもしれない。


 ただ、それ以外は他の小鳥とまるで変わりがない。


「特におかしいところはない普通の鳥だね」

「そうだな。ただどこかで見たことがある気がするのだが……?」


 リルが首をひねっていた。


「まぁ、気のせいだな」

「……?」


 自分の中で結論付けたリルに対してレフィは不思議そうな目で見ていた。


 ◇


 翌朝、眠っていたレフィは何かの鳴き声で目が覚める。


「ピヨっ、ピヨっ……」


 起き上がり、まだ眠い目をこすって声のした方を見てみる。

 するとそこには元気そうに鳴いている小鳥の姿があった。


「よかった、もう元気になったんだ……」


 安心したレフィはゆっくり小鳥を抱き上げる。

 すると小鳥もくすぐったそうに目を細めていた。


「おっ、元気になったんだな」


 どうやらリルもこの声で目が覚めてしまったようで、扉をあけて部屋を覗いていた。


 しかし、どういうことか小鳥はリルを見た瞬間に緊張感をもって、睨み始める。


「な、なんだ? い、いたいっ、お、おい、レフィ、止めてくれ!」


 小鳥はリルに向かってつつき始める。


「ど、どうしたの!?」


 レフィは慌てて小鳥を捕まえる。


「はぁ……、はぁ……。助かった、ありがとう」


 リルは呼吸を荒くしてお礼を言ってくる。

 ただ小鳥は未だにレフィの手の中でバタバタと暴れている。


「リル、何かしたの?」

「いや、何もしてないと思うんだけど……、あっ!?」


 何か思い出したのか、リルは大きく口を開けていた。


「やっぱり何かしたんだ……」

「ち、違うぞ! ただそいつの正体がわかった。そいつは多分不死鳥の子供だ!」


「不死鳥……?」


 それにしては傷を負って死にかけてたような気がするんだけど……。

 それに不死鳥はもっと色鮮やかな気がするし……。


 レフィは小鳥を見て眉をひそめていた。


「本当に不死鳥なの?」

「あぁ、小鳥だからまだ分かりにくいが、赤と金色の毛、あとは私を見て威圧してきたところだな」

「それが何か関係あるの?」

「あぁ、元々神狼と不死鳥はあまり仲が良くないんだ。本能的にそれがわかるんだろうな……」


「それじゃあ、ますますこの町にいた理由がわからないよ」

「だから何者かが連れてきたんだろうな……。つまり、今頃必死に探していそうだ」


 その言葉にレフィは不安になり、窓の外を眺めていた。


「大丈夫だ。一応気配は探ったが近くにそれらしい気配はないな」


「それじゃあとりあえずは大丈夫だね。ただ、注意はしておかないと……」

「ピヨっ、ピヨっ」


 心配するレフィをよそに小鳥は呑気に嬉しそうに鳴いていた。


 ◇


「とりあえずこの子のご飯を買ってこないとダメだね。何を食べるのかな?」

「鳥なら虫じゃないのか?」


 リルが皮肉混じりに答えるが、小鳥は首を必死に横に振っていた。


「ピヨピヨ。ピヨっ、ピヨっ!」


 何か必死に伝えようとしてくれているが、何かはわからない。


「仕方ない、一緒に買いに行くしかなさそうだね」

「大丈夫か? さっきも言ったけど、そいつを連れてきたやつがどこかにいるわけだからな」

「とりあえず姿は消えておいてもらうよ」

「その手があったな」


 一人キョトンとしている小鳥をよそにレフィは透明化ポーションを生み出して、小鳥に飲ませていった。

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