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幸せなポーションライフを  作者: 空野進
2.1.蘇生ポーション
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1.日常

 自宅に戻ってきたレフィはまずベッドに飛び込んだ。


「ひさびさにゆっくりできそうだ」


 ゴロゴロとベッドの上で転がる。

 今回は動きすぎた気がする。でも、もうしばらくは面倒ごとも起こらないよね。

 枕をギュッと抱きしめながらレフィはここ最近の行動について考えていた。


「もう厄介ごとは来ないでほしいなぁ……」


 次第に瞼が重たくなっていく。

 その瞬間に突然玄関のドアが激しく叩かれる。


「レフィさん、お戻りになったのですね!」


 扉を開けるとそこには嬉しそうな笑みを見せているミリーナがいた。


「うん、問題は解決したからね……」

「そうですよね……。でも良かったです……。だって、聖教国に行ったらレフィさんは英雄視されて、もてはやされると思ってましたから……」


 目から涙を流してまで喜んでもらえる。


「ただ、すこし疲れたから今日はゆっくり休むよ」

「あっ、すみません。そんな時にお邪魔してしまって……。特に用があったわけじゃないんですよ。ただ、嬉しくて……。では、私は失礼しますね」


 ミリーナは恥ずかしそうにそそくさと帰っていった。


 ◇


「ふぅ……、それじゃあ今度こそゆっくり寝ようかな」


 布団の方へと寝転がる。


 もふっ……。


「あれっ、こんなにもふもふしてたかな?」


 不思議に思いつつももう体が限界で、そのまま眠りにつこうとする。


「なんだ……、レフィか? 私の部屋でどうしたんだ?」


 よく見ると地面に藁がひかれている。

 そして、布団だと思ったもふもふはリルの毛だったようだ。


「ごめんね……。ただ、最近色々ありすぎて眠たくて……。このまま寝させて……」


 柔らかいリルの毛に包まれていると眠気が更に増していき、ついにレフィはそのまま眠ってしまう。


「レフィ? おい、もう寝てしまったのか? 仕方ないか、んっしょ」


 リルはすこし小さくなるとレフィを担ぎ、部屋へと運んでいった。

 そして、ベッドに寝かせ終わると窓の外から珍妙な気配を感じる。


「あれは……?」


 以前レフィたちといった幽霊城……。そちらの方で巨大な魔力の気配を感じ取った。

 ただ、攻撃的な気配ではないので気にする必要はないだろう。


 リルは気を取り直して、自分の部屋に戻っていった。


 ◇


 結局一日何もせずに眠ってしまった。

 レフィは暗くなってきた窓の外を見て苦笑を浮かべていた。

 すると窓をコンコンと叩く音が聞こえる。


「お兄ちゃん、起きてくれた?」

「あれっ、ルルカ? どこにいるの」

「ここだよ……」


 ゆっくりと窓は開くが、その姿は見えなかった。


「お兄ちゃん、ここにいるよ。ただ、聖教国でお兄ちゃんの効果消しポーションを飲んでから実体化出来なくなったの……」


 そっか……。実体化もポーションの効果だから効果消しを使ったら消えてしまうのか……。


「ごめんね、今実体化ポーションを作るから」


 ポンっと手のひらにポーションを作り出す。

 しかし、ルルカは首を横に振っていた。


「また実体になりたいけど、今はまだいいの。それよりも後から付き合ってもらってもいいかな?」

「……うん、いいけど、どうしたの?」

「ちょっと気になるところがあってね。お兄ちゃんも一緒に来てもらえないかな?」


 ルルカがどこか不安そうに頼んでくる。

 その様子からただ事じゃないような気がして、レフィは彼女に付き合うことにした。


 ◇


「ここは……ルルカがいた館だよね?」


 やってきたのは以前幽霊騒ぎでやってきた館だった。


「うん、そうだよ。ただ、前までだれも住んでなかったのに、戻ってきたら誰か住んでるみたいだったの。流石に一人で見にくる勇気がなくて……」


 ここはルルカが住んでいた館だから、中が気になるのもよくわかる。ただ、幽霊騒ぎが終わったわけだから別の人が住むのも仕方ないよね。


 二人で窓から中を覗き込む。

 するとそこには2人の貴族の姿があった。


「まぁ、これだけ大きな館だから貴族の人が買うよね……」


 ルルカを慰めようと彼女を見ると目に涙を浮かべていた。


「お父さん……、お母さん……」

「えっ!?」


 もしかして、あの貴族たちがルルカの親?


 二人で笑い合うその姿。

 それを見て、ルルカは無理やり笑みを作る。


「そっか……。うん、ルルカがいなくてももういいんだね……」


 どこか寂しそうな表情を浮かべ、そして、背を向ける。


「もういいの?」

「うん、行こう……」


 二人、ゆっくりと家に戻ろうとすると中から声が聞こえてくる。


「本当はここにルルカがいたのね……」

「そうだな……。ただ、あの子も今ごろ天に召されて幸せに過ごしているさ」


 ルルカの墓を見ながら二人は慈しみの表情を向ける。

 それを聞いてルルカは動きを止める。

 そして、レフィに向かって言ってくる。


「お兄ちゃん、私、しばらくここの家に戻ってもいいかな?」

「それはルルカが決めることだけど……」

「うん、ありがとう。お父さんもお母さんもルルカがいないとダメみたいだから……」


 それだけ言うとルルカは行ってしまった。


 いつも騒々しかったルルカが家からいなくなると少しだけ寂しくなるな……とレフィが思っていたのだが、家に戻ってくるとそんな気持ちが吹き飛んでしまった。


「れ、レフィさん。よかった……。頼みたいことがあります!」


 家の前にいたのはユーフェリアの町の領主、ユウスだった。


「何かあったのですか?」

「実は以前幽霊を討伐してもらった城なのですが、大変なことが起きてるのですよ! 一緒に来てもらえませんか?」

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