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幸せなポーションライフを  作者: 空野進
1.3.パーティ
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29.魔法使いレフィ?

「い、一体何を飲んだんだ!? お前が魔力をまとえるなんて……」


 驚きのあまり一歩後ろに下がるライバルド。


「……ただの魔法ポーションですよ。効果は魔法が使えるようになること――」

「う、嘘だっ!? だ、だってそんなものがあるなら……」

「えぇ、正直これは使いたくないんです。だって、制御ができなくて常に高威力の魔法しか放てないから――」

「くっ、こんなはずでは……」


 突然ライバルドは走り出してレフィのそばから離れて行く。

 もちろん本当なら戦うつもりでいた。ただ、あの魔力量を見た瞬間に本能で悟った。

 どうやっても自分では勝てない……と。


 それほどの魔力を操って放つ魔法。

 興味はあるものの身に受けたいわけじゃない。

 ここはひいて、一旦体勢を立て直すしかない。


 そうだ、ミリサと一緒ならなんとか対抗できるかもしれない。

 わざわざ牢まで来てくれて魔法無効化を治してくれた上で、外に出してくれた彼女なら――。


 ◇◇◇◇◇


 ライバルドが逃げ去ってから、レフィは呆然とその場に立ち尽くしていた。


「どうした、レフィ? 早く追わないのか?」

「えっ、うん……。追わないといけないよね」

「何か不安なことがあるのか?」


 レフィが顔を俯けているとリルが心配してくれる。


「ちょっとね。それよりも今は追いかけようか」


 レフィもライバルドが走って行った先を追いかけて行く。


 そして、町を出たすぐ側の木の下でライバルドの姿を発見した。


 彼の隣にはミリサの姿もあった。

 ただ、その様子はどこか変であった。どこか目に光が宿っていないように見える。


「やっぱりミリサの回復魔法はよく効くな。これならあいつにも勝てそうだ!」

「えぇ、勝てますよ。私の回復魔法がありますから……」


 まだ怪我もしていないライバルドに回復魔法をかけるミリサ。

 いたって普通に見える二人だが、それでもどこか違和感を抱くのはレフィが今までずっと過ごしてきたからだろうか?


 首をかしげるレフィ。

 すると手を前にしたライバルドが魔法を放ってくる。


 幾重にも分かれた雷の魔法がレフィに襲いかかる。


 えっと、これを防ぐには……。


「ファイアーボール!」


 魔法の中で覚えている名称を唱えてみる。

 すると、レフィの手から巨大な……、レフィの家ですら飲み込みそうなほど巨大な火の玉が現れる。


 これを投げればいいんだよね……。


「えいっ!」


 火の玉を放り投げると襲いかかってくる雷を飲み込んで、そのままライバルドに向かっていく。


「う、嘘だろ!? お、俺の魔法は上級雷魔法だぞ? それをあんな初歩的な魔法にやられるなんて……。と、とにかくあの魔法を防がないと!」


 ライバルドは両手を前に突き出して、全力で魔力を放出する。


 バチバチと体から雷の魔力が放出されながらライバルドの目の前に薄い壁が作り出される。


「魔力で作った魔法障壁だ! これは流石に破れないだろ……」


 火の玉が魔力障壁にぶつかり激しい音を鳴らして爆発する。


 ドゴォォォォン!!


「ぐ、ぐぉぉぉぉ……」


 吹き飛ばされていくライバルド。


「そ、そんな高威力の魔法が使えるなんて……。それなら勘当なんてするんじゃなかった……」


 ライバルドが力尽きて地に伏せる。

 しかし、ミリサは回復魔法を使いに行こうとはしない。

 このままだとライバルドの命が危ういのに……。


 放っておいても良かったのだが、流石に死なれては夢見が悪いので、回復ポーションを飲ませておく。

 ついでに魔法無効化のポーションも軽くかけておく。


 ミリサの方にも魔法無効化のポーションを使うと、あまりに様子がおかしいことを不思議に思い、別のポーションも使ってみる。


 おそらく何者かに催眠か何かを使われたのだろうと、精神異常の回復ポーションを飲ませてみる。

 ついでに同じものをライバルドにも飲ませる。


 するとしばらくしたらミリサの目に光が宿る。


「あ、あれっ、ここは?」


 不思議そうに目をぱっちり開ける。

 そして、周りを調べた後にライバルドが倒れていることに気づく。


「あ、あなた、ど、どうしたのですか!?」


 まるで今までここにいなかったような反応を見せるミリサにレフィは首をかしげる。


 するとライバルドもゆっくり目を覚ます。


「ぐっ、俺は一体……? 確か牢に入れられて……、ってお、お前はレフィ!? どうしてここに?」


 二人ともなぜか記憶が曖昧な様子だった。


「むしろなんでここにいるのか、僕が聞きたいですよ! どうしてですか?」

「そんなこと知るか! だれか牢に来たかと思うと気がついたらここにいたんだ!」


「私は少しだけ記憶があります。確かユグニ……みたいな人と最後に会いました」


 ミリサが教えてくれる。

 どこかで聞いた名前だな。

 レフィが首をかしげていると、町の方から兵士が走ってくる。


「こ、こちらですごい爆発が起こりましたけど……って、アールデルス男爵!? こちらにおられましたか。一緒にご同行願います」


「あぁ、連れて行ってくれ」


 兵と一緒についていくライバルド。


「わ、私も同行します」


 彼らを追いかけてミリサもついていく。


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