第92話 俺は「なろうアニメ」への参入を決心した
月間総合ランキング6位になって、トップページに出ています。
総合評価4万ポイントを突破しました。応援ありがとうです。
今日は翔と会っている。
麻布の昭和レトロな純喫茶。
レトロ調ではなく、昭和からやっている本当に昭和レトロなお店だ。
俺はここのナポリタンが気に入っている。
翔にも勧めたから、翔もナポリタンをたべている。
翔がちょっと話をしたいというので、ここで会うことにしたのだ。
「実は、面白い企画を考えたんですが」
「企画? アイドルのか?」
「いえ、『人気作家になろう』と『アイドルになろう』のジョイント企画です」
話を聞くとすごく大きな企画だ。
まずは、アイドル小説というジャンルを『人気作家になろう』の中に増やす。
そのジャンルでアニメ化、現実のアイドル化を目指すという企画だ。
「アニメ化と言っても、そう簡単にはできないだろう」
「いえね。前にアニメ投資の打診をもらったことがあって」
「アニメ投資?」
アニメ投資というのは、1シーズン13話のアニメを創るための投資だ。
実際に掛かる費用は、20分ちょっとの1話が3千万円で13話だとざっくり言って4億円。
そのうちの半分程度を投資すると、アニメを創ることができるというのだ。
「おー、そんな手があったのか。では、4億円すべてを投資したら、自由にアニメが作れるのか?」
「もちろん、アニメ制作会社の了承はいります。しかし、制作会社にリスクはないので基本的には通るでしょう」
なるほど、アニメ化は金さえあればできてしまう世界だったのか。
俺は1時間で12億円の収入を生み出せる男だ。1時間で3クール分のアニメ制作代になるな。
「ですから、アニメ化が前提の企画が作れるんです。もちろん、悠斗さんがのることが条件ですが」
「おいおい冗談だろう。俺がこんな面白い話、のらない訳があるまい」
そうか。
俺が『人気作家になろう』とジョイント企画でアニメ化をすると。
『なろうアニメ』を俺が創ることになるのか。
ずっと観る側だった俺が『なろうアニメ』を創る。
それは夢があるな。
なんか急にモチベーションが上がってきた。
これは普通に「アニメ創りました」じゃ駄目だ。
もっと、大々的にやらないといけないな。
どのあたりを巻き込むと面白い企画になるのだろうか。
そうだ。
アニメと言えば「ゴブリ」だろう。
日本アニメ映画の興行収益トップ10に実に7作が入っているアニメ制作会社。
かわいいゴブリンのロゴで有名な「ゴブリ」。
俺も子供の頃は良く見ていたな。
「ゴブリ」のアニメを観たことがない日本人などいないだろう。
アメリカのディスティニーアニメは、あまり好きではなかった。
だけど、子供の頃はゴブリアニメは大好きだった。
今の俺のアニメ好きの原点はゴブリアニメかもしれない。
そのアニメ制作会社「ゴブリ」のスタッフをうまく巻き込んだら、面白いことになるだろう。
さすがに「ゴブリ」本体とか、所属監督とか無理でも、アニメーター達なら参加してくれるかもしれない。
「よし、制作は『ゴブリ』のアニメータに任せたいな」
「ええっ、あそこが絡むと費用が高くなりますよ。品質チェックは半端ないから、3倍になると噂があって」
「よし、それでは製作費12億円とぶちあげよう」
時給分とは、ちょうど切りがいいしな。
驚く翔をほっぽいておいて。
俺はこれから創るアニメの構想で頭が一杯になった。
アイドルアニメを創る!
新しい夢を持って、主人公が走りだします。
応援よろしくです。




