第90話 俺はアイなろがプロダクション代わりだと信じた
みゆちゃん、そしてSheShockガールのデビューは成功した。
「『アイドル革命』すごい人気ですね」
「ああ。予想を超えてしまった」
CDデビューも急遽決まって、昨日発売になった。
音源はすでに用意されていたから、CDプリントだけだからすぐに出来た。
もっとも、弱小レーベルからの発売だから、そんなに期待はしていなかった。
最近はCDを買わないファンも多く、『アイなろ』ファンもきっとそうだろうと。
しかし、その予想は驚いたことに外れてしまった。
3万枚用意した最初のCDは出荷前に予約で売れ切れてしまった。
予約だけで5万枚以上。
急遽、生産を増やすことになった。
オリハルコンのデイリーランキングにいきなり1位で登場した。
もちろん、大手プロダクションが手掛けるアイドルを軒並み抜き去っての結果だ。
この結果に注目したのがネットニュースだった。
「『アイなろ』はアイドルの革命児になるのか?」
そんなタイトルが躍った。
元々、ネット発の文化は好意的に取り上げるネットニュースだから、『アイなろ』の話は未来につながると書かれていた。
ただ、それだけではなかった。
スポーツ夕刊紙も取り上げ始めたのだ。
取り上げ方は、大手プロダクションVS『アイなろ』。
大手プロダクションが手掛けて失敗したアイドルが、『アイなろ』で再デビュー。
大成功を手にした話を面白おかしく書き立てた。
おかげで、夕刊紙を買うおっさん連中にみゆちゃんの知名度が格段にあがった。
『アイなろ』にファン登録するおっさん連中が急激に増えた。
『アイなろ』は年齢や写真を公開するかどうかが選べる。
特にファン登録している人は非公開が多い。
ただ、年齢等の登録はしてくれている人が多く、運営側では確認することができる。
「すごいですよ。一気に40歳以上の男性ファンが増えました」
運営からのメール連絡で俺はそのことを知った。
だんだんと、『アイなろ』が一部のアイドルオタの世界から国民的な人気になっていっている感じがする。
さらに、男性アイドルの登録も増え始めた。
元々、スタートした当時は、運営が女性アイドルオタ中心だったこともあって男性アイドルは少数だった。
それが男性アイドルも、『アイなろ』の知名度が上がると共に参加を始めた。
同時にジャミーズファンと呼ばれるアイドル好きな女性もファン登録してきた。
その中には、エンジェル登録する女性も多く、あっと言う間に高額支援をするアークエンジェルに進化する女性も出てきた。
アイドルとアイドルファンが創る『アイなろ』は国民的な人気を博するところまできた。
『アイなろ』が急成長!
どんどんとお話は加速していきます。




