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第8話 俺はちょっとだけ反省をしたぞ

ローファンタジー日間ランキング2位になりました。ブクマは510に増えました。

さらにストーリー評価が平均4.7だって。良すぎてびっくりです。高評価してくれた方、ありがとうっ。


嬉しいので、更新回数上がって今日は3話更新予定です。笑

「うーむ」


畳敷の6畳間、あと、押し入れ。


築55年のボロアパート。

風呂無しトイレ共同。


それが俺が住んでいる部屋だ。


板橋だから、ちゃんと23区内。

それなのに、家賃2万5千円。


それには、ちゃんと理由があるのだ。


まず、普通の人はそんなボロアパートに入るとは思えない。

そんな部屋だから、超格安で借りられている。


そのボロアパートの一室で俺は考えていた。


昨日は、前にむかついたキャバ嬢に対抗してみた。

その結果が31万円という料金。


もちろん、全然問題はない。

財布から取り出せばいいだけだから。


だけど……


「それでいいのか?」



俺にそんなことをする力がある訳ではない。

単に使っても無くならない財布を拾っただけだ。


アリサの客が入れたドンペリには、その分を稼ぎ出す労働時間という重みがあった。

俺のドンペリにはそれがない。


ただ財布から取り出すというだけ。

同じドンペリでも重さが違う。


「もしかしたら、昨日の俺はすごく失礼なことをしたんじゃないか」



キャバクラで豪遊する。


これはいい。


キャバクラの女の子たちは指名料とかで給料が増える。

お店も儲かる。


豪遊することで誰にも迷惑を掛けている訳ではない。



しかし、重さを持ったドンペリを頼む客に対抗する。

それはとんでもなく失礼なことだったんじゃないか。



「もしかして。俺は異世界にいるのか?」



『なろう映画』のプロローグのようにトラックに轢かれた覚えはない。

美しい女神にチートスキルをもらった訳でもない。


だいたい、ここは令和になったばかりの日本。

異世界なんかじゃない。



「だけど、一昨日の俺とは全く違う世界にいるな」



すでに、仕事はすべてキャンセルした。


元々、ネットで日払いのアルバイトを探してやっているだけのフリーター。


1週間くらいは仕事の予定が入っていたが、やる気がなくなった。


俺にとっての仕事とは、お金を得る手段にすぎない。

やりがいとか無関係だからな。


とにかく、贅沢をあきらめて、最低限の生活をする。

それを支えるだけの仕事をする。


そんな生き方をしてきた。



その結果、去年の年収は180万円。

週の半分くらいは仕事をした。



その収入だと結婚はできない。

彼女ができてもデート費用もない。



贅沢といえば、月に2回のキャバクラにいくこと。

それも、指名ドリンク延長なしで。


他にはアニメDVDをレンタルするくらいか。

なろうアニメは全部見ることにしている。


なろう書籍は買ったことがない。

WEBで無料で読めるものに金を払う人がいるというのが信じられない。



そんな世界に俺はいた。

ところが今の俺がいる場所は異世界だ。



欲しいとちょっとでも思ったものは「とりあえず買うか」となる。


とりあえずビールではなく、とりあえず購入。

そんな単語ができてしまいそうだ。



しかし、なんだろう。

いくらでもお金を使えるとなると、本当に思考が止まるな。


1000万円くらいだったら、ちゃんと思考できる。


1000万円をどう使えば、一番喜びが最大になるのか。

もし、それがキャバクラ豪遊だったとしてもいい。


喜びとお金は隣り合わせにある。



しかし、いくらでも使えるとなると…



お金を使う喜びが分からなくなる。


「単に我欲のために使うのはどうなのだろう」


そんな、考えたこともない問題があがってくる。



そんなことを考えていたら、何もする気もなくなった。



まぁ、腹は減るから買い置きのカップラーメンを食べた。

今日したことと言えば、それだけ。


そして寝た。



翌朝。


朝の陽ざしを浴びて考えるのをやめた。



「まずは、考える前に行動するか」


俺は決心した。

考える前に贅沢する行動をしてみようと。


俺は中古で買った2万円の6年落ちのノートパソコンを開いて検索をした。


情報を分析して、贅沢する計画を立てた。


正確に言うと違うか。

贅沢をするための準備の計画だ。


もちろん、ひとりでは限界がある。

スマホを取り出すと、サイトに書いてあった電話番号にコールした。


「あーもしもし。コーディネーターの美咲さんですか?」


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