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第81話 俺は引き抜きを実行した

みゆちゃん復帰でブクマ一気に増えましたありがとうです。


ローファンタジー日間2位に落ちてしまいました。残念っ。




SheShockガールのセンターは、みゆちゃんに決めた。


反対が多数出たが、審査員長の権限とサイトオーナー権限を最大限に生かして俺が独断で決めた。


みゆちゃん以外、俺はSheShockガールのセンターは認めることができなかった。


残りのメンバーは、他の審査員たちに選んでもらった。


「しかし、まずいですよ。他のプロダクションに所属しているし、それも最大手ですよ。争うことになると…」

「そこは俺に任せろ。どんな手を使っても移籍を了承させるぞ」


俺には勝算はある。


みゆちゃんの参加しているトライアイドルは、失敗している。


プロダクションが大々的に売り出したのも関わらずオリコンCDランキングが10位どまり。

それもあっと言う間に失速して圏外になった。


この逆境から復活させるには、いろんな物が必要となる。

年に何組もアイドルグループをデビューさせているプロダクションだから、デビューで躓いたグループにそれほど肩入れできるとは思えない。


きっと今は、プロダクションのお荷物状態になっているだろう。


相手プロダクションは、売り出しにかかった費用その他。

それに上乗せする金額を提示すれば、移籍を了承するかもしれない。


移籍交渉に長けている芸能エージェントも手配済みだ。

もちろん、パラコンシェルジュの仕事だが。


そして、そのエージェントには金額を気にするなと告げてある。

パラジウムカードの限度額までは確実に用意が終わっている。


さらに必要とあらば、いくらでも俺が財布から取り出してやる。

それが今の俺の気持ちだ。



 ☆   ☆   ☆


俺はみゆちゃん移籍に成功した。

他の2人のトライアイドルも含めて。


これから、喫茶店でみゆちゃんと会う約束だ。


俺は妙にドキドキしてみゆちゃんを待っていた。

そして、みゆちゃんが現れた。


「悠斗さん、ありがとう」

「よく来たな。みゆちゃん」


それだけ言うと、それ以上の言葉がでなかった。


「また、一緒にアイドルできるのよね」

「もちろんだ。そのために移籍を完了させたんだからな」


思ったほどお金も手間も掛からなかった。

移籍金の交渉を少ししただけでエージェントは移籍交渉を成功させた。


特別、こだわるアイドルではないと言うことなのだろう。


「でも、どうして、そこまでしてくれたの?」

「なに言っているんだ。俺はな。SheShockガールのセンターはみゆちゃんしか考えられなかったんだ」

「うれしい。なんかね、『アイなろ』を裏切ったみたいになってしまって。すごく辛かったの」


涙をこらえているんだろう。

みゆちゃんは、ゆっくりとそう言った。


「違うよ。メジャーデビューはアイドルならだれでも夢みることじゃないか」

「それはそうだけど」

「ただ、プロダクションの連中が見る目がなかっただけだ」

「そんな」

「みゆちゃんはもっと輝くことができるんだ。俺が輝かせてやる!」


ちょっと前まで、アイドル関連のことに本気になれなかった。


それは、みゆちゃんが俺の手から離れてしまったのが理由だったみたいだ。


「アイなろ」トップランカーのアイドルと合コンしても熱くなれなかったしな。


だけど、今はみゆちゃんと一緒に喫茶店でお茶している。

それだけで俺は満足しているのが分かる。


「いろいろとしてくれた悠斗さんに何かお礼しなくちゃ」

「お礼なら、SheShockで活躍してくれればいいことだ」


あれ。どうしたんだ。

なぜ、そこで目をそらすんだ?


「それはね。もちろん、がんばるわ」

「それが一番の俺に対するお礼だぞ」


カッコよいセリフを言った、そう思った。

しかし、なぜか、みゆちゃんの顔は曇っている。


何か間違ったのか? 女心は難しいな。


「みゆ、悠斗さんに助けられたのは、これで2度目ね」


みゆちゃんは、俺たちの出会いの頃の話をする。

なぜ、いま、その話をするんだ?


その話をする理由が分からない。

俺はただ「そうか」と相槌を続けるだけだった。


完全に主人公は、ジャ〇アン状態ですね。


だけど、恋心には相変わらず、鈍感だった。


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