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第78話 俺はクラブのいい女を見てショックを受けた

この話は、プロローグの出来事から10日後に起きたお話です。

このお話を書くにあたって、プロローグが一部変更になっています。



「一度、いきつけのお店で奢らせてください」

「どんなお店だ?」

「もちろん、最高の女がたくさんいるお店です」


収入証明でお世話になった星川リゾートの社長が誘ってくれた。

なぜかお世話になっている俺が奢られるらしい。


きっと心優しい社長なのだろう。


「それじゃ、今日の20時に銀座の『ミューズ』というお店に来てください。詳細はメールで送ります」


俺も気が短い方だが、星川社長もそのようだ。

特に夜の予定もないからオッケーした。


「えっ、今夜は銀座なの?」

「ああ、そうだ。送ってくれ」

「私も行っちゃ駄目かしら?」

「駄目だ。男だけの話があるのだ」


本当は単なる親睦が目的だと言っていた。

だから、美波が来ても問題はないだろう。


しかし、最高の女がいる店に、女連れでいくのは食べ放題に満腹で行くのと同じだ。

奢ってくれる星川社長にも、お店にも失礼だろう。


「わかったわ。じゃあ、送迎は任せておいてね」

「ああ、頼む」

「今日は悠斗さんのとこに泊まろうかしら」

「それはなりゆき次第だな」


最高の女がたくさんいる店だ。

どんなことになるのか分からない。


女がいる店は板橋のキャバクラしか行ったことがないな。


銀座で豪遊となると、もしかしたら俺の知らない世界なのかもしれない。


あ。奢りだから豪遊と決まった訳ではないが。


「それじゃ30分前に迎えにいくわ」

「頼んだぞ」


 ☆   ☆   ☆


「ここか」

「ええ、そうね」

「あんまり目立つ店じゃないな」

「このあたりは銀座の中でも有名店が多いとこよ」

「そうなのか」


俺は『ミューズ』の前まで美波に送ってもらう。

もちろん、車はランボルギーニ・アヴェンタドールだ。


こういうとこには、赤い車が似合うからな。


「しかし、この車、実用性がないな」

「そんなこと言わないで。とにかく速いのよ」

「1億円入ったデイバックの置き場がないぞ」

「いいのよ。現金持っていくときはポルシェにするから」

「ああ、そうしてくれ」


今回は星川社長のおごりだから手ぶらだ。

もちろん、パラジウムカードと現金100万円くらいは財布に入れてあるが。


『ミューズ』に着いた。

ランボルギーニから降りようと思っていると、店から客と綺麗な女が出てきたぞ。


「どうも、今日はありがとうございました」


お見送りと言うものだろう。

しかし、いい女だ。

俺と同い年くらいだろうか。


キャバクラと比べるとクラブの女の方が年齢が上らしい。

その分、教養も経験も求められるものだと言う。


まぁ、漫画で読んだ情報だからあんまり当てにはならないが。

しかし、実際に店から出てきた女は30歳になるかならないかくらいだろう。


「また、来るよ」


客はタクシーに乗って去っていった。

そろそろ、いいか。


客が帰るときに、店に入るのはちょっとマナー的にどうかと思う。

良くは知らないが…俺的マナーだ。


「それじゃ、行ってくる」

「帰る前には電話してね」

「もちろんだ」


店のいい女は俺の車を見て立ち止まっている。

俺が店の客だと思っているのか。


俺が車から降りた瞬間、いい女が声を掛けてきた。


「悠斗くん」


なんだ? なんで、俺の名前を知っているんだ?


「車が聞いた話と一緒だから、もしかしてと思って」

「あっ、さえちゃん?」


知っている女だった。

中学2年の時の同級生だ。

そして彼女は俺の初恋の相手。


中学を卒業してからは初めて会ったから、14年ぶりか。


そして今は、真治という名前のエリート夫と7歳の娘がいるはずだ。

なぜ、そんな彼女が銀座のクラブで働いているのだ?


「うちの店、『ミューズ』に来たの?」

「えっと、そうだな」

「私、『ミューズ』で働いているの。案内するわね」


なぜ、ここにいるんだ?


優秀な夫がいてかわいい娘がいるんじゃないのか。

専業主婦だと言っていたぞ、同級会で真治は。


なんで、ここにいるのだ?


「どうしたの?」

「あ、悪い。混乱していた。真治に聞いていた話と違うな」


さえちゃんは下向いてしまった。

なにか、まずいことを言ったのか。


「ごめんなさい。後でお話しするわね。私が付いていいなら」

「お店のシステムは分からないが、指名ができるならお願いしたい」

「はい。今、お客さんが帰ったところだから、ちょうどいいわ」


俺とさえちゃんは店に入っていった。



初恋の人が登場。もしかして、何かが起きるのか?


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