表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/212

第77話 俺はオーディションの審査員長らしい

ブクマ10749になりました。ありがとうです。

「試食アイドルは、SheShockガールに進化します」


みゆちゃん達が抜けた元トライアイドル。

残った3人で名前を変えて活動をスタートするらしい。


そのためのPVを見ている。


運営している会社が試食販売の会社だから、試食アイドルという設定はもちろん残るがトライアイドルの名前は使えなくなる。


「なんでSheShockガールなんだろう?」

「試食とSheShockを掛けているみたいっすよ」


『アイドルになろう』の開発責任者。

元トライアイドル親衛隊長の誠人が解説してくれる。



誠人は宮古島のサテライトオフィスのリーダーだ。


プログラマやデザイナー達と一緒にサイト作りやサイト運営をしている。

『アイドルになろう』の中核は宮古島にある。


親衛隊長だけあって、オタク気質が強い連中のリーダーをしている。



俺は今、宮古島のオフィスに来ていて誠人と話している。


ビジネスジェットをチャーターして美波さんと一緒に宮古島入りした。


「だけど、残念ですね。トライアイドル」

「ん? トライアイドルはメジャーデビューしたんだろう?」

「はい。でも、デビューシングルはガタガタです」


すでにユーチューブでは人気があったトライアイドルだが、プロダクションの方針で普通のアイドル的になってしまったらしい。


昭和のアイドル感や、試食販売ステージなど、トライアイドルの面白い所がそぎ落されて、あか抜けてはいるけど同時に普通のアイドルになってしまった。

せっかくのデビューシングルも、元々のファンから酷評されて人気が上がらずにいる。


「だいたいがデビュー前のユーチューブ動画を削除させたのがマイナスでした」


元々は俺たちが関わってユーチューバー・シバに作らせた動画がトライアイドルの人気の原点だった。


さらに宮古島で撮影した水着バージョンを公開する寸前にユーチューブからトライアイドルの動画はすべて消えた。

宮古島水着バージョンはお蔵入りだ。


試食販売ステージを個人が撮影して公開していた動画までも、法律的な脅し入りで削除依頼が行った。


それらを消した上で、メジャーデビューのためのPVをユーチューブに公開したが、視聴回数が伸びずにいる。

デビュー前のPVの1/10にもならない。


そういえば、俺もまだ見ていなかった。


「だけど残ったトライアイドルのメンバーはやっぱりパワー不足なんです。人気のある3人が引き抜かれてしまいましたからね」

「それはそうだろう。みゆちゃんもいないし」


たしかに残った3人だけだと、わくわくする感じがない。


「結局、トライアイドルは2つに分裂して、どっちとも駄目になったんです」

「うーん。俺もなにかと応援していたから、残念だな」

「僕だって同じですよ。まぁー、ここでの仕事があるから、試食ステージの追っかけはできないから親衛隊長は続けられなかったんですが」


それは俺に責任があるな。

『アイなろ』の運営として強引にスカウトして、その上、無理やり宮古島に連れてきてしまったからな。


「それで、SheShockガールなんですけど。新メンバー募集するんです」

「おおー。それはいいな。新メンバーが入れば状況が変わるかもな」

「それもあるんですけど、試食ステージの依頼がたくさんあって。3人だけでは人手不足らしいんです」


うん。試食ステージはなかなか面白いから、スーパーやショッピングモールで人気がある。


「新メンバー募集は何人だ?」

「6人増やして、3人チームを3つ作る予定です」

「9人か。それは、いいかもな」

「ええ。その募集とオーディションを『アイなろ』に任せたいと言うんです」


『アイドルになろう』は人気爆発している。


登録アイドルは1000人を超えて、ファン登録数は15万人になっている。

エンジェルやスペシャリストの登録も増えていて、サイトの中でいろんなイベントが立ち上がっている。


すべて利用料は無料で、広告も全く入らない。

アイドルの卵とサポートスペシャリストとファンのためのサイトとして、アイドルファンに認識されてきた。


「それがさっきの動画ってことか。『試食アイドルは、SheShockに進化します』ってやつ」

「そうです。あれでオーディション告知します。審査委員長は悠斗さんです」

「えっ、俺が?」

「もちろん、私達も審査員で参加しますから。形上だけでも審査委員長をお願いします」


俺がアイドルを選ぶのか。

正直言って苦手だ。


選ぶより、なんとなく流して生きてきた俺。

選ばれることも、選ぶことも苦手なんだ。


そんな俺がアイドルを選ぶなんてできるのか?


「楽しいですよ。アイドルの卵ばかりだから、みんなかわいいし」

「それはそうだろうな」


まぁ、決めるのは他の審査員に任せて、俺はもっともらしくうなずいていればいいか。


アイドルオーディション。

合コンと違ってやったら楽しいのかな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
参加中。クリック→<なろう勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ