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第73話 俺はそういうトラブルとは無縁のはずだ

ブクマ10309件になりました。応援ありがとうです。

「それはおかしいわね」

「でしょう?」


ケモ耳アイドル美尾と、メガネっ娘アイドル友里亜。

合コンで初めて会ったふたりだけど、気が合ってLINEで良く話すようになっていた。


今はカフェでふたりで会って情報交換をしている。


「だいたいがさ。私達の誘い断るなんてありえなくない?」

「そうよね。こんな美少女ふたりの誘いよ。ファンが聞いたら泣くわね」


悠斗の話だ。


「柚月も断られたって。ますますおかしいでしょ」

「じゃあ、合コンの3人とも全滅じゃない。絶対おかしいわ」


悠斗のことになるとアイドル達は真剣になる。

アークエンジェルとしてのブランドもさるものながら、どんな男なのか。

謎が多すぎるのだ。


「悠斗さんは、純粋にビジネスとして『アイなろ』を運営しているのかな?」

「そんなはずはないよ。立ち上げ初期から知っているけど、アイドル好きなのは確実よ」


ますます、悠斗のことが分からなくなっている二人。


「だからね。美尾さんと悠斗さんの謎を探ろうって思った訳」

「だけど、張り込みなんて嫌よ」

「大丈夫。張り込み要員は最高のスキルを持った奴を用意してあるわ」


友里亜にストーカーまがいの行為をしたファンがいるらしい。

「アイなろ」運営部に通報すれば一発で出入り禁止だ。


「だからね。脅してやったの。そしたら、なんでもするから許してって言ったのよ」

「じゃあ、そのストーカー男に悠斗さんの張り込みをさせるの?」

「そう。いいアイデアでしょう?」


 ☆   ☆   ☆


「あっ、LINE来たわ」

「ストーカー男?」

「そう。悠斗さんが動いたわ」

「じゃあ私達も行きましょう」


ふたりは悠斗が住んでいる麻布のマンションのほど近い喫茶店で話していたのだ。

ストーカーが張っているマンション入り口まで走っていく。


「いたわ。気を付けて。みつかんないようにね」

「大丈夫。狼獣人は隠密活動スキルがあるのよ」


ふたりはバレないように悠斗の後をつけた。

どうも、麻布十番駅に向かっているようだ。


「電車で移動するのかもね」

「それは違うわ。駅で誰かと待ち合わせよ。狼の勘がそう言っているわ」


悠斗が麻布十番駅に着くと確かに電車に乗るのではなく、改札の前で待っている。

すると、改札からひとりの男が出てきた。


悠斗に向かって手を上げると、悠斗も応えた。


その男は、翔だ。


「なにあれ? なんで私達の誘いを蹴って、翔さんと会っているのよ」

「信じられないな。頭にきたぞ」


ずんずんと友里亜は悠斗の方へ向かって歩いていった。


「ちょっと。何するのよ、うわっ、友里亜ちゃん、待ってよ」


 ☆   ☆   ☆ 


翔と駅で待ち合わせをして、無事会うことができた。

だけど、翔に会って少し立ち話していたら、なぜかメガネっ娘アイドルの友里亜が現れた。


「どうして、ここに友里亜ちゃんがいるのかな?」

「私だけじゃないわ。美尾ちゃんもいるわよ」


人込みの中から、美尾も現れる。


「ふたりとも、こんにちは。どうしてお揃いなのかな?」

「そうだ。意味が分からんぞ」


俺はちょっと混乱している。

翔もこの待ち合わせ場所をふたりに教えたのではないようだ。


「意味が分からないのは悠斗さんよ。なんで私達アイドルの誘いを断ってこの男の誘いを受けるのよ」


友里亜がクレームを言ってくる。


「えっ、なんのことだ?」

「こんな美少女3人もふっておいて。もしかしたら、男のほうがよかったの?」

「そんなバカな」


そう反論したが、確かにそうだ。

アイドルの誘いにはわくわくしなかったが翔の誘いはちょっとわくわくしたな。


「ちょっと聞いていい? 悠斗さんって実は恋愛経験、少ないんじゃないの?」

「・・・」

「図星ね。美尾ちゃんともさっき、そんな話をしたの」

「どんな話だ?」

「もしかしたら、悠斗さんは素人童貞かもしれないって」


あー。ちょっと近いな。

今は違うが、少し前は童貞だった。


素人童貞対策のプロのお姉さんだけ、とういうのは素人童貞に入るのか?

まぁ、とりあえず違うことにしておこう。


「だけど、違うわね」

「お、おう」

「ズバリ言うわよ。悠斗さんは素人童貞なんかじゃない」

「おう」

「異性童貞よ!!」


ちょっと待て、なんだ、それは。


俺は女が好きだ。

恋愛対象は女だ。


だから、女が近くにいたらドキドキする…あれ?

ドキドキしないな。


翔とさっき会った時の方がドキドキした。


えっ? えっ?


「どう? 名推理でしょ。悠斗さんは異性童貞よ」

「そんなことはないんだが」


自分でも否定する声の力が弱いのを感じてしまう。


「いいのよ。恋愛のタイプは人それぞれだから」

「お、おう」

「だけど、悠斗さんには女の素晴らしさも知ってほしいわ」

「おいおい」

「今日は翔さんじゃなくて友里亜とデートして欲しい。もちろん、最後の最後までよ」


うわ、そんなことまで誘ってしまうのか。

文秋砲にスクープされたら、アイドル終わるぞ。


「いやダメだ。今日は翔との約束だ。お前らは帰れ!」


あれ? 翔が嬉しそうに笑顔になったぞ。

それもうれしく思っている俺。


本当に俺、恋愛対象が女なのか。

だんだんと自信がなくなってきた。


ますます、危ない雰囲気になってきました。


どうなってしまうんでしょう?


続きが気になるって方は、ブクマと↓で評価をよろしくです。

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