第62話 俺はケモ耳のアイドルはありだと思う
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大神美尾 → 犬神美尾に変更しました。
同姓同名のバーチャルアイドルがいるみたいだからね。
宮古島にケモ耳アイドルはやってきた。
俺はランチの待ち合わせをした。
「こんにちは。エンジェルさん」
後ろから声を掛けられて振り返るとアイドルがいた。
おおーー。本当にケモ耳だ。
「それは、犬の耳なのか?」
「まっ、失礼ね。犬獣人じゃないわ。狼獣人よ」
「それは、悪かった。狼の耳なんだな」
「そうよ。いいでしょう」
確かにいい感じだ。
ただの耳付きカチューシャみたい安っぽい作りではなく、本当に狼の耳ぽい。
「さて。名前なんだっけな」
「犬神美尾よ。美尾って呼んでね」
そうくるか。
すると、もしかして。
「しっぽもあるのか?」
「いやよ。しっぽはそう簡単に見せないわ」
うーん。そういうものなのか?
「で。なんで狼獣人の美尾さんがアイドルをしているんだ?」
「そこなのよ。異世界転移よ。参ったわ」
現代日本からファンタジーの世界に転移するのが、異世界転移だろう。
その逆のファンタジー世界から現代日本への異世界転移があってもおかしくないか。
「すると日本に転移してきたということだな。そうなると、いろいろと不便だろう」
「そうでも、ないわ。元々はこっちから転生したからね」
えっと、日本から一度転生して、もう一回、転移したって設定か。
ちょっと、ややこしいな。
「まぁいい。せっかくの特典だ。一緒にランチを食べよう。そうだな、ステーキなんてどうだ?」
「わーい、ステーキ。久しぶりのお肉っ」
「やはり、狼だけあって、肉好きなのか」
「もちろんよ。だけど、いつもはお金ないから、野菜中心なの」
ここは、突っ込むところじゃないな。
設定と現実の狭間ということだな。
「ところで、こっちからあっちの世界に転生したんだろ。転生前は女子高生だったとか?」
「なにいってんのよ。おっさんよ」
「性転換ものか。なんか凝っているな」
「大変だったのよ、いきなり狼獣人の美少女よ。その上、奴隷にされて」
あれ。その話、なんか覚えがある。
えっと、なんだっけな。
『人気作家になろう』で読んだ覚えが。
「『狼獣人の美少女にTS転生して奴隷になりました』だっけな」
「あ。なんだ知っているのね。あれ、私の体験談よ」
「おいおい。嘘をつけよ。あれには日本に逆転生なんて話はなかったぞ」
「そうなの。途中でストーリーずれて困っているのよ」
面白いな、こいつ。
あくまでも、狼獣人だって言い続けるんだな。
「確か、主人公の名前、ミコじゃなかったけ?」
「あー。それはいろいろとあるじゃない。ビジネスネームなのよ、美尾は」
だけど、そこまで徹底するなら、ミコを名乗らせたい。
ちょっと提案してみるか。
「あの小説を書いている人に、ミコの名前を使わせてもらえるように交渉しようか?」
「えっ、そんなことできるの? ミコ名乗りたいっ」
よし。それじゃ、聞いてみよう。
「では、あの小説のアイドル権を取得してみるか。まだ書籍化していないから、版権は本人にあるはずだ」
「わーい。人気なろう小説の公式アイドルやりたい」
「書籍化やアニメ化しても、ちゃんと対応するんだぞ」
「はーい」
『人気作家になろう』から生まれたアイドルを『アイドルになろう』で売り出す。
それも面白いかもしれないな。
「よし、その代わり条件がある」
「な、なに? 枕営業はしないわよ」
「ケモ耳なんだから違うだろう。この場合はモフモフだ」
「あ、それならいいわ。特別にモフモフさせてあげる」
よしよし、了解もらったぞ。
ステーキランチの後はモフモフをするぞ。
「人気作家になろう」と「アイドルになろう」の連携が始まった。
どうなるかな。
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