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第52話 俺は真っ白いビーチであの連中に遭遇した

ブクマが8448件になりました。ありがとうございます。

「おはよう、悠斗さん」

「おはよう、美波さん」


2泊したから、リゾート3日目の朝だ。

だいたい起きるのが8時くらい。


目が覚めると、邸宅のリビングに行く。

美波さんは俺より先に起きて待っている。


「なんか。美波さんって呼び方、他人行儀よね」

「ああ。他人だからな」

「ここでは愛人よ」

「お試し愛人だけどな」


美波と呼んでもらいたいのは分かる。

しかし、どうもそう呼ぶのは抵抗がある。


「だいたい、愛人なのになんでベッドルームが別々なのよ、変じゃないかしら」

「お試し愛人だからな」

「ちゃんとお試ししてよ。試食も含めて」

「その気になったら、な」


当然ながら、美波さんは経験豊富だろう。

いろんな機会がある場にいる訳だから。


正直言うと男としては自信がない。

久美子さんのときは、それがバレた上でのことだし。

優しく教えてくれる感じがした。


しかし、美波さんだとなんか負ける感じがする。

いくら金があってもパラジウムカードがあっても、男としての自信とは別だからな。


「まぁ、いいわ。それで今日はどうしましょう」

「さすがに、リゾート内でだらだらするのは飽きたな」

「そうね。そろそろ、何かしましょうか。せっかく南の島にいるんだから」

「そうだな。どうだ? 隣のビーチに行ってみるか」


リゾート内にもビーチはある。

リゾートのプライベートビーチ。


しかし、ちょっと歩いて行ける場所に長く続く白いビーチがある。

そこに行ってみようというのだ。


「ビーチでは何をしましようか。アクティビティはいろいろとあるはずよ」

「ダイビングをしてみたいと思う。これだけ綺麗な海だからな」

「いいわね、ダイビング。だけど、あれってライセンスが必要じゃなかったかしら」

「どうだろう。聞いてみるか?」


スマホで確認を入れる。


「大丈夫だそうだ。体験ダイビングなら。インストラクター付きになるがな」

「それじゃ、ロビーに頼んで手配してもらいましょうか」

「いや。それも終わっている」

「えっ」


電話したのは、パラジウムカードのコンシェルジュ。

なんでも電話一本で手配してくれる便利ツールだ。


世界中のどこでもオッケーで、宮古島も手配できる場所に入っているらしい。


「さて。9時ころにタクシーが来るから、それに乗っていけばいい」

「じゃあ、朝食を食べてから行くとしましょうか」


 ☆   ☆   ☆


「うわぁ~、素敵ね」

「すごいな、なんだこの真っ白いビーチは」

「ここは前浜ビーチと言いまして。全長7キロもあるんですよ」


このタクシーの運転手は観光ガイドでもあるらしい。

あのコンシェルジュが手配する人は抜けがないな。


「どうします? 普通に泳ぎますか? それともすぐにダイビングしますか?」

「俺はダイビングをしてみたい。ただし、俺はダイビング、全くの素人だ」

「私は海外で一度だけ潜ったことがあるわ」


あれ? 美波さん、ダイビング経験はあるのか。

ど素人なのは俺だけか。


だいたい中学以来、プールでも泳いでないしな。

海で泳ぐのは小学生のころ以来になるのか


「大丈夫ですよ。優しいインストラクターが付きますので。ボートで最高のダイブスポットに連れて行ってくれます」


おお、なんか楽しくなってきたぞ。

テレビでなら、ダイビングの映像は見たことある。


そして、このエメラルドグリーンの海。

ダイビングで潜るのはすごく楽しそうだ。


「今なら、海亀に出会えるかもしれませんね」


海亀か。浦島太郎が助けて竜宮城に行ったな。


龍宮城ではうまい物たべて綺麗な女に囲まれて。

最高に幸せだったと物語では言っているな。


あれ? すでに俺、やっている気がする。

俺の今の状態は龍宮城の浦島太郎状態?


海亀を助けたんじゃなくて財布を拾っただけだけどな。


「こちらが今日のダイビングツアーをしていただくインストラクターの大樹さんです」


大樹さんは、20代中ごろの若者でいかにも海の男という感じで良く焼けている。

引き締まった身体で背は普通くらいか。


笑顔がかっこいいちょっとだけイケメンだ。


タクシー運転手は、大樹さんに俺たちを引き渡すと帰っていった。


「今日1日、予定ではダイビングを二回、空気ボンベ2本分潜りますのでよろしくお願いします」

「「よろしくお願いします」」


俺と美波さんは、一緒に挨拶をした。


「おひとりはダイビング初めてということなので、初心者向けのダイブスポットにお連れしますね」

「おう、任せたぞ」


しかし、タクシーの運ちゃんといい、このインストラクターといい、パラジウムカードのコンシェルジュが手配する人は感じがいいな。

まぁ、それだけ費用も掛かるんだろうが、パラジウムカードを持っている人が気にする額ではないな。

俺も含めてな。


「それじゃ、機材とボートを用意してきますね」


テキパキと準備を進めようとしたら、邪魔が入った。


「おーいたいた。そんな所で何をしているんだよ?」


いきなり、男達が割り込んできた。

アロハシャツを着た3人組。


この男達、見たことがある感じがするな。


別に知っている人というのではない。

初対面なのは間違いない。


しかし、かもしだしている雰囲気が闇金の人たちと一緒なのだ。


「あ、困ります。今は仕事中なので」

「困るのは俺たちなのよ。今日、返してくれると言っていたじゃないの」


ビンゴ!

やっぱり、闇金の男だった。


宮古島でも、闇金で困っている人と出会ってしまったらしい。


どこにでもいる、闇金・・・あれ、みたい。


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