第47話 俺は美女とリゾート旅行に行く
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「ほらほら、悠斗さん。こっちよ」
悠斗と呼ばれた俺は、美波さんに腕を引かれてANAのチェックインカウンターに行く。
ちなみに悠斗と書いて「はると」と読む。
「ゆうと」と間違って読むんじゃないぞ。
「あ、そっちではない。こっちだ」
ファーストクラスの受付カウンターに行く。
普通のカウンターに列ができているのに比べてここは誰も並んでいない。
「えっ、宮古島行きはファーストクラスはないわ」
「いいんだ」
パラジウムカードを見せると、ANA職員は驚いたような顔になる。
すぐに搭乗券を発行して、荷物を預かってくれる。
「そのカードは何?」
「魔法のカードなんだ」
プライベートバンカーが言っていたことをそのまま言ってみた。
多くの場所で特別扱いを受けることができるらしい。
航空会社においては、利用した距離により取得できるダイヤモンド会員と同じらしい。
「いいわね、こういうの。他の人が待っているのに優先してもらえるって」
「そうだろ。魔法のカードだからな」
もっとも俺はもっとすごい魔法の財布を持っているんだがな。
それがあれば、3時間でパラジウムカードが取得できてしまうほどのな。
「搭乗までどうしましょう」
「上級会員用ラウンジがあります。それでお過ごしください」
もちろんだ。
美波さんが好きそうなサービスだしな。
☆ ☆ ☆
「あ、見えたわ。あれが宮古島ね」
「きれいな海だな」
羽田から3時間で宮古島に着く。
ビジネスクラスだが、十分快適なフライトだ。
もっとも、俺は飛行機に乗るのも初めてだ。
落ちたりしないか、ドキドキしていたのは内緒だ。
「ね。これから1週間、ふたりは恋人なのよね」
「そうなるのか?」
「当然よ。若い男女がふたりきりでリゾート旅行。恋人じゃなきゃ変よ」
「そうなのか」
「そうよ。絶対そうよ」
飛行機は何の問題もなく、飛行場に着陸した。
羽田に比べてこじんまりとした空港だ。
屋根瓦がオレンジ色で、宮古島ぽい感じがするな。
「タクシーが来ているはずだが」
「あれかしら」
空港を出るとすぐのところにタクシーが待っていて、運転手が俺達の名前がついている歓迎のパネルを持っている。
「あれだな」
☆ ☆ ☆
タクシーを降りた俺たちは、小高い丘の上にあるリゾートホテルにチェックインした。
ロビーで名前を言うだけで、コンシェルジュが現れて案内してくれる。
俺たちが泊まるところは、リゾートホテル棟の隣にある邸宅のようだ。
「こちらです」
オレンジピンクの外壁の2階建ての邸宅。
それがこれから1週間過ごす場所らしい。
「無駄に広いな」
「ベッドルームが4つもあるんだって」
「それはいいな」
「えっ、1つあればいいでしょう」
「結婚前の男女は別のベッドルームに泊まるのが基本だ」
「なにそれ。昭和じゃないのよ。考えが古いわ」
深く考えて美波さんはここを選んだ訳ではないんだろうが。
まぁ、1週間は美波さんと一緒にいることになるが、別々の部屋があった方が何かと気楽だ。
「まずは、ちょっと疲れたな」
「そうね。プールサイドで一休みしましょう」
リゾートに来たら、プールサイドでトロピカルドリンク。
なぜか、そんなイメージがあるな。
プールサイドには、ビーチパラソルのようなものがあり、その下に寝そべることができるビーチベッドが置かれている。
ウエルカムドリンクということでコンシェルジュが、すぐにトロピカルドリンクをもってきてくれた。
「なんかのんびりするな」
「いいわね。こういうの。贅沢で」
美波さんは本当に贅沢が好きだな。
俺も大分、贅沢に慣れたがそれでもそこまで好きにはならない。
「ねぇ。せっかくだから水着になって泳ぎましょ」
「お、おう」
確かにプールがあっていい天気だ。
服を着ているのは、野暮だな。
「ちょっと待っていてね」
美波さんは彼女のベッドルームだと指定しておいた部屋に戻って着替えだ。
俺もさっさと水着に着替えてみた。
最近、食べるものが贅沢になっている。
だから、下腹に肉がついてきているな。
まだ30前なのに、これはやばいな。
あれか。
専用トレーナーがついた痩身プログラムをやらないといけないのか。
「お待たせ」
真っ白で、きわどい角度のハイレグビキニの美波さんが立っていた。
「それ、水着の面積、やたらと少ないな」
「そうかしら。最新型なのよ」
思ったより胸があるんだな。
巨乳ではないが、もうちょっとで巨乳ジャンルに入りそうだ。
Dカップくらいか。もうちょっとあるかもしれないな。
「ほら、泳ぎましょう」
「おう」
邸宅の前にある広いプールが俺たち専用だ。
この邸宅の敷地は6千㎡もあって、邸宅の建物面積も500㎡もある。
とにかく無駄に広いな。
常夏の島だから、まだ春だが泳ぐにはちょうどいい感じだ。
美波さんは綺麗な泳ぎを見せてくれる。
「ちゃんとね。泳ぎを習ったの」
「俺は中学の体育の授業以来だな」
泳ぎは苦手ではないが得意でもない。
特に好きな訳でもない。
「じゃあ、教えてあげましょうか」
「いや、泳ぐくらいはできるぞ」
プールの端から端までクロールで泳ぐ。
学校のプールよりは小さいが十分泳いでいる感じはあるな。
「うまいじゃない。じゃあ、これならどうかしら」
俺が泳いでいるうえに乗ってくる。
「お、おい! うわっ」
沈んでしまった。
しかし、それよりも柔らかい女の身体が触れたことがやばい。
一部が反応してしまっている。
水着だと誤魔化せないな。
「うふふ、抱き着いてきちゃって、かわいい」
「やったなぁ~」
もちろん、反撃だ。
ついでにおっぱいを触ってしまおう。
「きゃ、やだ」
ぶくぶくぶく。
反撃してやったぞ。
おまけのバストタッチも完璧だ。
「もう。何するのよ」
「そっちが先だろ」
なんか、楽しいな。
こういうのも。
きわどい水着の美女とプールで戯れる。
これこそ贅沢、間違いない。




