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第38話 必要な物を大人買いしてみた

ブクマ7092件になりました。ありがとうございます。


「これがアイドルプロデューサ用のコーディネイト一式よ」

「そんなの、いるか?」

「なに言ってんのよ、芸能界こそ、なめられたら終わりよ」

「そうなのか」


伊勢丹メンズ館で、他にも、ビジネス用の小物とか。

いくつものコーディネイト一式を美咲さんが持ってきたてくれた。


もちろんも支払いは二コニコ現金払いだ。

俺は1億円入りデイバックから現金を出した。



「じゃ、次は家具ね。一度、戻りましょう」

「はいはい」


自宅に戻る前に、ひとりの女性と待ち合わせした。


美咲さんの友達、絵梨さん。

家具やインテリアのコーディネイトの専門家らしい。


眼鏡はしていないけど、スマートな美人さんだ。

美咲さんの友達はみんな美人だな。


絵梨さんと美咲さんは一緒に俺の所に来て、家具やインテリアのデザインをしてくれるらしい。


 ☆   ☆   ☆


「うわぁ~、広い。ここのインテリアプラン、任せてくれるんですね」

「おう。頼んだぞ」

「どういう形にしましょうか」


困ったな。

何も考えていない。


最初の時の美咲さんに洋服選びしたときと一緒だ。


「お任せで」

「うわっ。本当にいいんですか? 私の好きな形にしてしまいますよ」

「そうして欲しい」

「予算はどのくらいでしょう」


うーん。どのくらいかかるのか。

予想もつかないな。


「絵梨さんの理想的な形にすると、最大いくらかかります?」

「えっ、理想? そうですね。あれとあれと」


あ、頭の中で計算が始まったみたいだ。


「理想って言われてしまうと、5千万円くらいになりますね」

「じゃ、それで」

「嘘!?」


絵梨さん、ヒートアップしてあちこちの箇所の計測をし始めた。

うん、すべて任せてしまって、大丈夫そうだ。



「だいたい計測とデザインプランできました」

「次のステップはどうなるんだ?」

「早く欲しいということでしたので、次はお店に行って実物を見てもらいます」

「それがいいな」

「家具とかですと、写真では伝わらないものが多いので。実物を見てください」

「どこに行けばいい?」

「まずは青山のお店です」


それから絵梨さんと美咲さんと3人で家具を見に行った。

そこは、家具の海外メーカー直営店だ。


俺は例によってデイバックにお金を詰めて同行した。

5千万円というから、とりあえず1億円。

お買い物の標準セットだ。


このデイバック1つで十分ということだな。



 ☆   ☆   ☆


「これよ。この渋い茶色のソファーがあの部屋にはぴったりね」

「うむ。座りごごちいいな」

「そうなの。あと、手触り。私、大好きなの」


高い家具というのは、何が違うのか。

まだよくは分からない。


しかし、専門家に任せておけば安心。

きっとベストなものを選んでくれるはずだ。


「あとは、これね。ローテーブル」

「おう」

「配送手配するわね」

「そうしてくれ」


俺は大きな財布として一緒について回った。

指示にしたがって現金払い。

絵梨さんの選択したものはすべて一流品だ。

よくわからない俺でも、一流だとわかる。


「こんなに一遍に買うのは私でも初めて」

「そうなのか」

「ここのお店の物だとひとつ買うにも、私の私物だったら1年かけて吟味するわ」

「そうなのか」


前の俺だと一生かかっても買えないな。

どうみても縁がなさそうだった物ばかりだ。


「家具もひとも出会いなの。どっちも心を豊かにしてくれるわ」


家具はどうだかわからない。

でも、ひとはそうだな。


いろんな人と出会って、何かをする。

その結果、心が豊かになっていく。


絵梨さんみたいな女性もそう。

闇金の人たちだってそう。

芸能界もそうだろう。


「絵梨さんとの出会いも、そうなっていくといいな」

「嬉しい。私もこんな経験させていただいて、心が豊かになるわ」

「そうなのか」


この日は、家具選びで夜までかかってしまった。

だけど、最高の家具を選ぶことができたぞ。


超大人買いは楽しいね。


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