第38話 必要な物を大人買いしてみた
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「これがアイドルプロデューサ用のコーディネイト一式よ」
「そんなの、いるか?」
「なに言ってんのよ、芸能界こそ、なめられたら終わりよ」
「そうなのか」
伊勢丹メンズ館で、他にも、ビジネス用の小物とか。
いくつものコーディネイト一式を美咲さんが持ってきたてくれた。
もちろんも支払いは二コニコ現金払いだ。
俺は1億円入りデイバックから現金を出した。
「じゃ、次は家具ね。一度、戻りましょう」
「はいはい」
自宅に戻る前に、ひとりの女性と待ち合わせした。
美咲さんの友達、絵梨さん。
家具やインテリアのコーディネイトの専門家らしい。
眼鏡はしていないけど、スマートな美人さんだ。
美咲さんの友達はみんな美人だな。
絵梨さんと美咲さんは一緒に俺の所に来て、家具やインテリアのデザインをしてくれるらしい。
☆ ☆ ☆
「うわぁ~、広い。ここのインテリアプラン、任せてくれるんですね」
「おう。頼んだぞ」
「どういう形にしましょうか」
困ったな。
何も考えていない。
最初の時の美咲さんに洋服選びしたときと一緒だ。
「お任せで」
「うわっ。本当にいいんですか? 私の好きな形にしてしまいますよ」
「そうして欲しい」
「予算はどのくらいでしょう」
うーん。どのくらいかかるのか。
予想もつかないな。
「絵梨さんの理想的な形にすると、最大いくらかかります?」
「えっ、理想? そうですね。あれとあれと」
あ、頭の中で計算が始まったみたいだ。
「理想って言われてしまうと、5千万円くらいになりますね」
「じゃ、それで」
「嘘!?」
絵梨さん、ヒートアップしてあちこちの箇所の計測をし始めた。
うん、すべて任せてしまって、大丈夫そうだ。
「だいたい計測とデザインプランできました」
「次のステップはどうなるんだ?」
「早く欲しいということでしたので、次はお店に行って実物を見てもらいます」
「それがいいな」
「家具とかですと、写真では伝わらないものが多いので。実物を見てください」
「どこに行けばいい?」
「まずは青山のお店です」
それから絵梨さんと美咲さんと3人で家具を見に行った。
そこは、家具の海外メーカー直営店だ。
俺は例によってデイバックにお金を詰めて同行した。
5千万円というから、とりあえず1億円。
お買い物の標準セットだ。
このデイバック1つで十分ということだな。
☆ ☆ ☆
「これよ。この渋い茶色のソファーがあの部屋にはぴったりね」
「うむ。座りごごちいいな」
「そうなの。あと、手触り。私、大好きなの」
高い家具というのは、何が違うのか。
まだよくは分からない。
しかし、専門家に任せておけば安心。
きっとベストなものを選んでくれるはずだ。
「あとは、これね。ローテーブル」
「おう」
「配送手配するわね」
「そうしてくれ」
俺は大きな財布として一緒について回った。
指示にしたがって現金払い。
絵梨さんの選択したものはすべて一流品だ。
よくわからない俺でも、一流だとわかる。
「こんなに一遍に買うのは私でも初めて」
「そうなのか」
「ここのお店の物だとひとつ買うにも、私の私物だったら1年かけて吟味するわ」
「そうなのか」
前の俺だと一生かかっても買えないな。
どうみても縁がなさそうだった物ばかりだ。
「家具もひとも出会いなの。どっちも心を豊かにしてくれるわ」
家具はどうだかわからない。
でも、ひとはそうだな。
いろんな人と出会って、何かをする。
その結果、心が豊かになっていく。
絵梨さんみたいな女性もそう。
闇金の人たちだってそう。
芸能界もそうだろう。
「絵梨さんとの出会いも、そうなっていくといいな」
「嬉しい。私もこんな経験させていただいて、心が豊かになるわ」
「そうなのか」
この日は、家具選びで夜までかかってしまった。
だけど、最高の家具を選ぶことができたぞ。
超大人買いは楽しいね。
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