第32話 俺はコスチュームを改善することにした
ブクマ6373件になりました。ありがとうございます。
闇金編はコメントで批判が多かったんだけど、終わったらいきなり高評価なコメントが増えた。びっくりです。
「どうだ。なんとかなりそうか?」
「そうね。市販品じゃないほうがいいのよね」
「もちろんだ」
一緒にスマホの写真を見ながら話している。
話している相手は美咲さん。
服関係はプロだから相談しているとこだ。
写真は、みゆちゃんから送ってもらった痛いアイドル姿の写真。
ぺらっぺらのパステルカラーの服で色はピンク。
他にも2人写っていて、レモン色と淡いグリーン。
まるで昭和のアイドルかって感じだな。
「分かったわ。私の友達でコスチュームデザインしているのがいるから紹介するわ」
「おお、そんな友達がいるのか」
「洋服や小物のことならなんでも知っているわ。任せなさい」
心強い仲間を見つけたぞ。
☆ ☆ ☆
美咲さんのお友達は真希さんって名前のファッションデザイナー。
初めて会った喫茶店でデザイン画を描き始めた。
「やっぱり、タータンチェックでいきましょう」
どんなのがいいのかと話をしているうちに、あっと言う間にデザイン画ができていく。
さらさらと色鉛筆を使ってデザイン画は色付きになっていく。
「すると、このコスチュームではエプロンがカギになると?」
「ええ。あまりメイドぽくはしない方がいいのよね」
「ああ、その方向は違うな」
メイドカフェの制服じゃなくて、アイドル衣装なんだからな。
フリフリ多用は安っぽくなる。
大き目エプロンをメインにその下はシャツとスカート。
シャツは半袖にするのか。
おっ、袖口だけ独立してつけるのか。
バニーガールにそういうのを付けた写真を見たことがあるな。
袖口もタータンチェック。
襟も同じくタータンチェック。
「と、まぁ。こんな感じでどうでしょう?」
「すごいな。あっと言う間にデザインが完成したぞ」
「このくらいは、簡単よ」
しかし、みゆちゃんはアイドルグループに所属しているって言っていたな。
メンバーは皆同じ服がいいのだろうか。
「これのバリエーションはできるのか?」
「もちろん考えてるよ。タータンチェックのところは、このデザインでは赤ラインが入ってるけど、このラインがグループのメンバーで別色にして。全部で6色用意すればいいわね」
さすがだ。そこまで考えていたんだな。
真希さんは仕事が速いな。
現在のトライアイドルは6人だ。
みゆちゃんがピンク。
他に赤、水色、緑、オレンジ、青。
それぞれのタータンチェックの生地を用意するらしい。
「いいな、これ。どうだろう。男子大学生にウケるかな」
「そのつもりよ。もちろん、女性からも反発されない程度にするのが腕の見せ所よ」
行けるんじゃないかな。
よし、これで行こう。
「これを作るとなると、どのくらいの時間がかかる?」
「うちのアトリエだけだと、3日ですね」
「もっと早くできるのか?」
「手伝いを他のアトリエに頼めるなら。しかし費用は上がることになるけど?」
「そこは気にするな。必要なお金は用意するから」
突貫作業で1日半。
すぐにとりかかってもらった。
できあがったら、みゆちゃんにプレゼントしよう。
喜んでくれるかな。
それと。
あとは、ステージだな。
さすがに精肉売り場の前はないだろう。
試食販売はアイドルコンセプトだから外せないとして。
もう少しステージらしい場所が欲しいな。
アイドルオタの魂がうずくぞ。
アイドル育成にはまってしまったらしい。ふわっとした人助けはおしまいなのか。
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