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第28話 俺は人助けできたのか?

ブクマ5979件に増えました。


投稿初めて一週間で、ローファンタジー月間2位、四半期9位まで行きました。

          総合日間3位、総合週間3位も達成しています。


ありがとうございます!



借金漬けの彼女まだ、寝ていたのかな。

頭はぼさぼさで、すっぴんで、寝間着姿だ。


だけど、ちゃんとすると、かわいい感じになりそうだ。

巨乳ではなさそうだけど。


そうだ。

それだけは確認しておかなければ。


「一つ、質問いいか?」

「なによ」

「バストは何カップだ?」

「Cよ!」


ふーん。ほどよいサイズか。

巨乳じゃないな。


それから沈黙が起きた。

彼女は何も言わないし、俺も巨乳じゃないと分かったら質問はなくなった。


「あの……」

「なんだ?」

「あのお金、どうなるんでしょうか」

「そうだな。返済したから闇金屋さんのものになるはずだろう」

「そうじゃなくて。私はあなたに肩代わりしてもらったということなんですか?」

「いえ。借用書はあなたがもっているな」

「はい」

「だから、それは終わりだ」


なんか、頭を使っている様子だ。

状況確認をしているのかな。


「あ、分かった!」

「何にが、ですか?」

「もしかして、私のことを助けて善人になりたい人?」

「えっと、困っている人を助けたいのは当たってますが、善人なんでしょうか」


別に善人というほどの者じゃないだろう。

チート財布を持っている、ただの男だ。


「わかったわ。あなた、きっと、善人になりたいのよね。すっごいお金持ちで」

「善人より、人助けしたいだけだ」


説明が難しいな。

分かってもらえるのだろうか。


「だけどね。甘いわ」

「そうなのか?」

「そんな簡単に助けられないのよ。甘いわ」

「そうなのか?」


彼女が急に元気になってきた。

さっきまで崩れるように座っていたのに、すっと立ち上がった。


「私、他にも借金あるの。あいつらのだけなんとかしてもダメよ」

「まだ、困っているのか?」

「あと借金が600万円もあるわ。それもなんとかしてくれるって言うの?」

「おう。困っているなら、解決するぞ」

「あー、もう。やだやだ。お金持ちって。借金さえなんとかなれば、とか思っていない?」

「それは分からないな。借金以外に困っていることがあると?」

「私はね、東北の田舎の出身なの。18才の時上京して専門学校を出て、今は21才よ」


別に年齢を聞いたつもりはないんだが。

女性に年齢を聞くのは失礼だし。


「東京ってとこは、魔界よ。買い物という魔物が住んでいる魔界よ」


えっと、魔物が住んでいるのは、魔界というより異世界じゃないか。

そんな突っ込みをしたかったがやめておいた。


そういうことを言いたいとは思えなかったから。

しっかりと空気が読めるようになってきたな、俺。


「いくら稼いだって、すぐなくなっちゃう。欲しい物が次から次へと出てきて、クレジットで買ったらこのザマよ」


そんなに欲しい物があるのか。


俺と違うな。

いくらでも使える財布があっても、使い道、よくわからないしな。


「今、借金なくなっても、同じよ。また、なんか買ってしまって。どうにもならないわ」

「あ、分かったぞ! 買い物をするお金が足りないんだな」


そうそう、巨乳(確定)人妻さんもすき焼きのお肉代がなくて困っていた。


「そうよ。お金がないのよ。欲しい物はたくさんあるのに」

「じゃあ。お金があれば、解決するんだな?」

「あんた、話を聞いていた? 欲しい物がいくらでも出てくるって」


なんか、さっきと違う言い方したぞ。

まぁ、女性の話ってそういうものだって、聞いたことがある。

あんまり気にするのをやめよう。


「どのくらいお金があったら、解決するんだ?」

「1億円よ、1億円。それだけあればなんとかなるわ。どう? 出せやしないでしょう」

「1億円でいいのか?」


デイバックから出してみた。

1千万円の束がひとつ、ふたつ…全部で8つ。

100万円の束が8つ。


「ちょっと足りないな。8千800万円では足りないか?」

「8千800万円って、冗談でしょう」

「残りは明日、とかで大丈夫か?」

「あんた、ふざけているの? それともバカ?」


なんか、ひどい言われようだな。

1億円にしては、ちょっと足りないだけなのに、ひどい言われ方だな。


明日なら用意できるのに。


「とりあえず、今日8千800万円で、明日、1千200万円。それで手を打たないか?」

「もういいわ。訳わかんない。もう、帰ってよ」

「それでは、足りない分はどうする?」

「どうでもいいわ。あんた、帰ってよ」

「分かったよ。帰るよ。このお金は必要なら使っていいぞ」

「・・・・」

「あと、他にも困っているらしいから、電話番号の紙を置いていく」

「・・・・」

「もう帰るぞ」


俺はそのまま、彼女の部屋を出て行った。


 ☆   ☆   ☆


人助けというのは、なかなか難しいな。

あとは、ポケットに入っている140万円しかなくなってしまった。


今日はもう、闇金屋に戻らずに、帰ろう。


いやー、1軒目はうまくいったが、2軒目はいまいちだった。

人助けというのは難しいものだな、本当に。



しかしまぁ。

今朝、人助けの指針を作っておいてよかった。


人助けにおいては、今の俺の時給感覚を使うってルール。

これは使えるな。


元々、俺の時給は1200円だった。今は、12億円だ。


100万倍になっている。

だから、人助けをするときは、1/100万の価値判断をする。


今日、デイバックに詰めてきた1億円。


1億円の1/100万で、100円。


今日使ったのは、前だったら100円だ。

別に大したことをした訳ではない。


ただし、キャバクラでそんな感覚で使いまくったら、周りの人がおかしくなるだろうな。

だから、お小遣いが1日100万円くらいの感覚でいこう。


普通のサラリーマンだとお小遣いは1000円くらいだろうから、それでも1/1000の価値判断だ。


使うところで価値判断基準を持たないと、ぐちゃぐちゃになってしまうからな。

これからも、このルールは徹底しておこう。


そう考えて、俺はいつものキャバクラに向かった。


大金は暴力だぁー。

どうなることやら。笑

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― 新着の感想 ―
心配なのは贈与税、めちゃくちゃ脱税してね?
[一言] いかれちまってるな
[気になる点] 〇千〇〇〇万円という表現が気になりました。8千800万円ではなく、8千8百万円もしくは8,800万円でいいのでは。
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