第21話 俺は「なろうテンプレ」で人助けプランを作ってみた
ブクマ5170件になりました。続けて読んでくれている方、ありがとうです。
「困っている人を助ける」
昨日、一晩中考えて出した答えだ。
深夜3時まで考えていて。
そこから記憶がない。
寝てしまったらしい。
朝起きたら、六畳間だった。
ということはなく。
47階のタワーマンションの最上階。
ベッドルームからリビングに行くと、ちょうど朝日が昇るところだ。
「きれいだな」
結局、夜景は見ないままだったな。
だけど、この朝日は5億8千万円の価値がありそうだ。
「よし。やってやるぞ」
今日のテーマは、困っている人を助ける。
どうやって助けるのかはわからない。
どうやって困っている人に出会うのか、それもわからない。
ただ、ひとつ。
困った人を助ける。
それだけが決まっている。
まずは、軍資金がいるな。
☆ ☆ ☆
「まぁ、こんなものか」
ポロアパートに戻って、デイバックに1億円を詰めた。
1000万円の束を8つ。
100万円の束を20。
それとは別に30万円入りの封筒を3つ。
10万円入りを5つ。
1億円と140万円。
デイバックのポケットには、100万円の束3つと封筒入りを全部。
残りはデイバックに詰めて準備完了。
コーディネイトはモテファッション。
昼間用だから、おしゃれだけど抑え目。
もちろん、美咲さんコーディネイトだ。
「さて、どこに行こう」
俺はスマホで、『闇金』と検索してみた。
名付けて「人助け作戦」は、時代劇テンプレからヒントが出た。
時代劇の主人公が旅をする途中で立ち寄った町。
歩いていると、借金取り強面が町娘相手に脅しをかけている。
「だめです。これは病気の父さんの薬代で」
「なんだぁ? 借金返さないで何を言っているんだ?」
不思議なことに、あちこちの街でそんなとこに出会う。
なろうアニメでも、馬車がいると盗賊や魔物で襲われている。
主人公が助けると、馬車にはヒロインが乗っていて、となる。
だけど、現実だとそんなことまず起きない。
街を歩いていても、馬車代わりのバスに乗っていてもダメだ。
どこにいけば、困っている人に出会えるのか?
答えが今、検索している『闇金』だ。
間違いない。
そこに行けば、きっと困っている人に出会える。
後は実行するだけだ。
いよいよ、新展開になります。




