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番外編第4話 俺はキャバクラを作ることにした

HJネット小説大賞、入賞を記念しての番外編です。


読者のあなたのブクマや評価等々が、審査員さんの目に留まるきっかけになったんです。


ありがとうございました。


で、

お祝いの番外編と言えば、やっぱり、キャバクラでしょう。笑

俺はキャバクラが好きだ。

俺は毎日でもキャバクラに行きたい。


しかし、問題がある。


「キャバクラは駄目よ」

「何を言っているんだ。仕事だよ。仕事の付き合いでキャバクラに行くだけだ」

「キャバクラは駄目」


なぜか、奥さんになったみゆちゃんはキャバクラに行くことを認めてくない。

こっそり行けばいいんじゃない、と言う連中もいるが、そういうことは俺がしたくない。

なかなか、俺も面倒な性格だと思うがな。


そこで考えたこと。

キャバクラに行くのはあきらめる。


ただし、キャバクラに居ればいいんだ!


つまり、俺がキャバクラを作ってしまえば何の問題もない。

遊びに行くんじゃない。

自分の経営するキャバクラを管理、運営するためにはキャバクラに居る必要がある。


それは、経営者として絶対必要なことだな。


☆   ☆   ☆


「いらっしゃいませ。キャバクラ『エデン』にようこそ」


驚いたことにたった1週間でキャバクラはできてしまった。


オープンしたてのキャバクラがあったのだが、オーナーと店長がケンカしてうまくいかなくなっていた。

お客の入りが悪く、女の子達も沢山辞めていってしまっていた。

オーナーがキャバクラ運営に幻滅し、経営権を手放したいと言っていた。


「悠斗さんが引き継いでくれるなら、大喜びですよ」


話を持ってきたのは、元々、みゆちゃんも働いていたキャバクラの黒服店長。


黒服店長によると、場所は上野広小路。

場所的にも、お店の造りも悪くないそうだ。


「ただ、うまくいっていないのは噂で広まっているから、それを吹き飛ばすオープニングをしましょう」


それは俺も大賛成だ。


「悠斗さんは、どんな店にしたいんですか?」

「それは……誰にとっても居場所になれる店だ」


そう。

みゆちゃんと結婚するまで、キャバクラが俺の居場所だった。


「アイなろ」をはじめ、いろんな活動をしていたが、ほっと一息入れられる場所は麻布のタワマンではなく、キャバクラだった。

どんなにお金をかけて居心地の良い場所を作っても、自分だけしかいないタワマンでは居場所にはならなかった。


きっと、当時の俺のように金はあるが居場所がない人たちはきっといるはずだ。


もっとも、今の俺はちゃんとみゆちゃんと暮らす居場所がある。


だけど……やっぱり、違うんだ!

キャバクラだって居場所なんだ!


ということで、男にとっても、女にとっても居場所になれる。

そんなキャバクラ。


料金は安くていい。

指名もレディードリンクも入れなくてもいい。


セット料金だけだったら、安く楽しめる場所。

逆にお金があるなら、ガンガン豪遊もできる場所。


開店時間なら1時間2900円ぽっきりなのに、1本600万円のロマネコンティがメニューに載っている店。


どんな遊び方もできる場所。


世間のしがらみに疲れて、そこにいけば暖かく迎え入れてくれる。

そんな楽園みたいな場所だから、エデン。


エデンにいる人たちは天使であるべきだ。

まずはオーナーの俺が最初に天使になる。


そして、店長、女の子達、黒服さん達。

従業員はみんな天使になる。


人間の世界の面倒くさいルールで疲れてしまった人たちを癒すために。

天使達に迎え入れられた人間たちは、これまた天使になる。


天使に囲まれて、楽しく過ごせる居場所、キャバクラ『エデン』。



思わず、熱く語ってしまった。


キャバクラを禁止されて、もう1年。

俺のキャバクラ愛が暴走しまくってしまった。


あちこちにキャバクラを開店することを吹聴しまくったら、働きたいって女の子がたくさん現れた。


その中には、俺とドンペリでキャバクラ対決をしたアリサもいた。


「悠斗さんがお店をやるなら、私がいなきゃ駄目よ。悠斗さんのお店でもNo.1になるのよ」


今は、六本木の繁盛している高級キャバクラでNo.1になっているのに、それを捨てて参加してくれた。


闇金の借金で知り合った女性の中には、キャバ嬢をしている人もずいぶんいて、「悠斗さんに恩返しがしたい」と続々集まってきた。


もちろん、アイドルをしている女の子の中には、「悠斗さまのお店なら働きたい」と申し込んできた。

ちゃんとメジャーデビューもしているのに「大丈夫なのか」と聞いたら、「事務所の許可はもらってある」と言う。


どうも俺のキャバクラというだけで、そこにいれば『ミラクル』が起きると噂が広がっているらしい。


俺がキャバクラ愛を熱く語ったのが影響しているのかもしれないが、ビジネス関係者の中には男のくせに参加したいと言ってきている人もいる。


その筆頭が、翔だ。

人気作家にして、いくつもビジネスを廻している投資家。


「悠斗さんが店をやるなら私も参加させてくださいよー。きっといろんな人がお客さんとして来るんでしょうし。何より、何が起きるか分からない場所になるはずなんだから」


いつも思うんだけど、すごく軽いんだよな、翔は。

まぁ、それがいいとこでもあるんだけどな。


翔が参加するというんで、有名ユーチューバーや、男性アイドルも参加したいって言ってきた。

なんか、やばそうな話になってきているな。


そんなことを思っていたら、元パラジウムコンシェルジュで、現悠斗カンパニーの渋川社長から連絡が入った。


「悠斗さん。ヤホーニュースを見てください」


それだけ言うと、電話が切れた。


すぐにスマホでヤホーニュースを確認すると、トップ記事に出ていた。


「あのミラクル悠斗が今度は、キャバクラを開店する。開店日は令和3年7月7日。明後日に決定!」


あ、完全にマスコミにバレてしまっている。


それもキャバ嬢やホストとして参加する面々の大多数が掲載されてしまった。


それみたら、「うわー、とんでもないキャバクラができるんだ」と俺も思ってしまった。


うわ、もしかして、もうみゆちゃんにバレてしまっているのか。

ヤバイ、開店前に邪魔されてしまうかもしれない。


それから2日間。


みゆちゃんからお叱りの電話が掛かってくるんじゃないかと、ひやひやしていたんだが、何故か連絡は入らなかった。


すでにソロデビューも果たしたみゆちゃんは、今は全国コンサートツアー中というのもよかったんだな。


たしか、今は、奈良県桜井市にいるはずだ。

三輪山ライブが開店前日に入っているから、忙しくてそれどころじゃないはずだ。


こうして、俺のキャバクラに行きたいって想いで始まった、キャバクラ『エデン』。


いよいよ、今日、開店だ。


満員御礼になるのは、確実だが、大丈夫なのか?


大騒ぎになりすぎて心配だ。

うわー、終わらない。


というか、まだキャバクラ開店までで、番外編1話分になってしまった。


番外編として、連載することになったー。


よろしくねっ。

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