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番外編1話 俺はいつまで財布にお金を入れ続けるのか?

不定期更新の番外編です。


「新札に切り替わる前に悠斗は過去に送るお金を入れ終わるのか?」

って感想欄にあった質問に対する回答なんです。

「また、旧札だけで1億円集めてくれ」


令和6年になって、紙幣がすべて新しくなった。

それから1年経って、だんだんと旧札の入手が難しくなってきている。


「まずいな。まだ財布に入るってことは、返し終わっていないってことだからな」


もしかしたら、旧札を入手するのが困難になってきたら、どうしたらいいのか。


だいたい、新札を入れたらどうなってしまうのか?



さすがにそれを実験してみたいとは思わない。

下手したら、新札の発行前にチート財布を通して過去に送られてしまうかもしれないからな。



「悠斗さん! 大変です」

「なんだ?」

「前に集めた1億円の札束の中に1枚だけ新札が紛れ込んでいたみたいです」

「なんだって!」


やっちゃった。

その新札1万円、どうなってしまったのか?


平成元年の俺の金の使い方を思い出すと、どう見ても1枚くらい新札が入っていても気づかない可能性が高いぞ。


実際、令和元年に俺は新札なんて見た覚えがない。

どこに行ってしまったんだ?


考えても仕方ないことだけど。


気になって仕方がない。



 ☆   ☆   ☆


「親父さん! ちょっと見てください」

「なんだ?」

「ほら、悠斗さんに肩代わりしてもらった700万円なんですが」

「悠斗さんは肩代わりなんかじゃないぞ。たまたま通りがかっただけの善意だからな」

「あー、そういうの、おいておいて」

「駄目だ。おいておけないぞ。日頃どういう言葉を使っているかで現場でどんな言葉がでるかが決まるんだ」

「分かりました、言い直します。悠斗さんの善意の700万円なんですが」

「なんだ?」

「1枚だけ変な1万円札が入っていて」

「変な1万円札?」


確かに見たことがないお札だ。

金額は10000と書いてある。


「諭吉さんじゃないな」

「諭吉さんじゃないですね」


ふたりしてじーっと、お札をみている。


「もしかして」


思いついて、ネットで調べてみた。

やっぱり、そうだ。


「3年後に新しく発行される1万円札だぞ、これは」

「ええーー」


本来、あと3年しなければ世の中に出回るはずがないお札。

それなのに、なぜか俺の手元に1枚だけある。


「どういうことですかね」

「それが分かれば苦労しねーよ」


分からない。

なんで悠斗さんはまだ発行されていない1万円札を持っていたのか?

そもそも、悠斗さんの善意のお金って、どこから得たものなのか?


「もしかしたら、もう日本銀行は新札を印刷しているのかもしれませんね」

「それはあるな。すると、悠斗さんは日銀の金庫から新札を持ちだしたというのか?」


まさかな。


「それで、どうしましょう」

「そうだな……」


そうだ。

どうするか。


それが重要なことだな。


ん?

よし決めたぞ。


「この札は俺がもらうぞ」

「えっ、でも」

「代わりに1万円出すから心配するな」


納得できていない顔だな。

しかし、俺が決めたことだ。


何も言えやしないぞ。


「それで、そのお札はどうするんで?」

「これか? これは俺のお守りにしておこう」


鞄につけている、氷川神社のお守り。

その中へ折りたたんでいれた。


もし、これからどうしても悠斗さんに通りがかってもらわないといけないとき。

俺が追立をしなければいけないのに、相手に同情してしまったとき。


そんなことがないとは言えない。


そのときに、悠斗さんに通りがかってもらう。

だけど、なんらかの理由で無理だと言われたとき。


「実は面白い物を預かっているんですよ」


そう言って切り札に使う。

ありかもしれない。


それまでは、俺のお守りとしておこう。



結果を言うとそのお札が使われる事態は起きなかった。

新札切り替えの時期を迎えたのだった。


番外編にも、闇金さん登場。笑

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