第185話 終わるものと続くもの
「誠人さん! なぜなんですか! なんでアニメ打ち切りなんですかっ」
みゆちゃんが涙をためて訴えてくる。
後ろには、他の3人のアイドルも同じ顔で訴えてくる。
「テレビ局の判断だ。あまりにタイミングが合った悠斗さんの事故が呪われたアニメだとクレームが多発したらしい」
アニメの第7話は深夜ではありえない5%の視聴率をたたき出した。
同時に悠斗さんの事故がアニメのシーンと一致していたから、自殺だと噂がネットで流れた。
その後明らかになった当日の悠斗さんの行動がその噂を打ち消した。
大企業の経営者と会合をしていて、いろんな先の話をしていた。
その状態で自殺をするはずがないというのが一般の意見になった。
その代わりに出てきたのが、呪われたアニメ説だ。
そのアニメで描かれたことはすぐに実現する。
その前に煌の件も取り上げられ、アニメ制作サイドは全く知らないはずなのに、あたかも煌が週刊誌にスクープされると描いているようなものだった。
「アニメに描かれたことは実現してしまう呪われたアニメ」
そんな説が大きくなったことで、アニメ放映中止を求める動きが出た。
同時に、熱烈ファンもいて。
「悠斗さんの想いがこもったアニメを放送中止にするなんてとんでもない」
その二大意見のぶつかり合いになった。
もちろん、アイなろの登録者や関係者は放送続行派だ。
しかし、放送局の選んだ答えは放送中止。
放送局の事なかれ主義が勝ってしまった。
結局、アニメ『アイドル大革命』はお蔵入りになってしまった。
最終回で流し、CD発売も予定に入っていたラストソング。
「やりたいを取り戻せ」も同じくお蔵入りになってしまった。
ちゃんと計画通りに進んだものもある。
その筆頭は、「悠斗奨学金基金」。
すでに悠斗さんが100億円を渋川社長に託してあったことが大きい。
さらに、悠斗さんが消えた後の穴を大企業の経営者たちが埋めてくれた。
結局、大企業の寄付もあって初年度200億円でスタートした。
当初との違いといえば、名前からミラクルが消えたことだけだ。
もちろん、アイなろや悠斗カンパニー、タレントブック等は、力強く発展していく。
悠斗さんからの資金援助はなくなったが、すでに自立できるだけの力を持っていた。
特にタレントブックは、東証一部に上場を予定していて、相当な資金が一般株主から投資される流れになっている。
悠斗さんが消えたことは僕らの胸にぽっかりと穴をあけたが、悠斗さんが残した遺産はとんでもなく大きく成長していった。
残念です。
アニメは7話で打ち切りでした。
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