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第184話 俺はお金の本質を知ってしまった

元々、お金というのは、物々交換の媒体として登場した。


例えば。


海の近くに住んでいる人が、魚の干物を持っている。

山に住んでいる人が、山菜を持っている。


ふたりが出会って、思うこと。


「その干物を食べたい」「その山菜を食べたい」


ここに物々交換が成立して、ふたりの食べたいという「やりたい」ができるようになる。


だけど、干物を持っている人が果物を食べたいと思っていたら、相手が山菜しか持たないから物々交換が成立しない。


そんなときに、お金があったらどうだろう。


干物を渡す代わりにお金をもらう。


そのお金があれば、次に果物を持った人と出会ったら、果物を食べたいという「やりたい」ができるようになる。


そうか!


お金は「やりたい」を実現するために生まれてきたのか。


すると、目の前の銀色の光がまぶしいくらいに輝きだした。


「やっぱり、そうか。お金はやりたいを実現するツールなんだ」


だけど、それは片方の考え方だ。


お金を使う側。


お金を使うだけだと、そのうち闇金さんがやってくる。

綺麗な女性だと中国送りになる。


当然、やりたいことができなくなる。


反対側がお金を稼ぐこと、


お金を稼ぐためには、やりたくないことをしないといけない。


やりたいことをしてお金を稼げるほど世の中甘くはないな。


「あれ? また、輝きがなくなった」


銀色の光がなんか鉛色になっているぞ。


お金を稼ぐためには絶対、やりたくないことをしないといけない。


「やっぱりだ。もっと輝きが鈍くなったぞ」


そこが間違っているというのか。


では、あれか。


やりたいを取り戻せ!


「おおー。やっぱりだ。きれいな銀色に戻ったぞ」


お金を稼ぐにはやりたいことを思いっきりやればいい!


「いいぞ。いいぞ。素晴らしい輝きだ」


そういえば、三輪山に登った後の俺は、やりたいことをしていたら、どんどんとお金が増えていたな。


もちろん、闇金さんの代理返済とかは減っている分があったが、投資した分はあっという間に何倍にもなった。

ギャンブル姉ちゃんも、俺が資金を出して思い切りやったら、何倍にもなっていたな。


本来、お金はやりたいことをするために生まれてきたんだ!

お金を稼ぐために、やりたいを押さえるなんて間違っている!


「やりたいを取り戻せ」


今やプラチナのような輝きになった光の流れがより早く流れ出した。



そうか。

チート財布は俺がやりたいことを取り戻すために蛇神さんが授けてくれた物だったんだな。


それだけでなく、お金の本質を人々に伝えて、人々がやりたいを取り戻すため。


「俺はその役割をちゃんとできたんでしょうか」


蛇神さんはうなづいてくれた。


よかった、大丈夫らしい。



「しかし、チート財布から出てきたお金はどこから来たのか?」


頭の中にひとつの答えが出てきた。


『未来の俺の金』



あ、蛇神さんが答えをくれたんだな。


だけど、困ったな。


俺はもうお金を稼ぐこともできない。

それでもなんとかなるのか?



うねりが一部大きくなるって、また戻った。

これって、蛇神さんのうなずきポーズかもな。



残してきたサイトやら会社やら。

そのあたりで、ちゃんと未来のお金はなんとかなるのだろう。


あ。

すると、俺は今まで未来の俺の金を使っていたというだけか。


それなのに、今まで使った分を収入証明を作って来年に税金を納める準備をしておいてしまったぞ。


本来も自分の金なら収入じゃないな。

税金を取るというのも変なものだ。


まぁ、お金は天下のまわりものだと言うし。


気にするのはやめよう。



それより、ちゃんとお礼を言わないとな。



「チート財布をありがとう。おかけでやりたいことが思いっきりできました」


蛇神さんはうなづいてくれた。


喜んでいる感じもする。



さて、もうひとつ。



あの天井の光も神様だよな。

なんの神様だろう?


金色の光……金星?


「もしかして、金星の神様ですか?」


おおー、金色の光が強くなった。

あたりだな。


俺は、蛇神さんと金星神さんのご加護があったから、チート財布でやりたいことができたんだな。


「金星神さん、ありがとうございました」


ん?


金色の光は変化がない。

あれ?

喜んでくれていない?


なぜ、だろう。

あ、もしかして。


「金星神さん、これからもよろしくです」


おおー、光った!


もしかしたら、まだ俺は金星神さんの加護を失っていないのかも。


これからということか。


すると……ふっふっふ。


「いよいよ、異世界転生かっ。蛇神さんと金星神さんのチートをもらって!」


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小説のコンセプトをぶち壊すような長々とした無粋な感想があったので、今更、感想を書きたくなりました。 やりたいことをやる生き方を貫いてきました。 もっとも、半分くらいはやりたくもないことをやらざるを得…
[一言] >「その干物を食べたい」「その山菜を食べたい」 >ここに物々交換が成立して、ふたりの食べたいという「やりたい」ができるようになる。 >だけど、干物を持っている人が果物を食べたいと思っていたら…
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