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第182話 俺は白い部屋にいた

「ここはどこだ?」


真っ白い部屋。


壁と天井と床、全てが真っ白で現実感がない。


自分の身体を見ようとすると、そこにない。


手をかざしてみたつもりが、透明な手があるというのか。

全く何もなく、向こうの白い壁が見える。


「もしかして。あれか」


何度もなろうアニメで見てきた映像。

異世界転生の一歩手前。


トラックにはねられた主人公が女神と出会うシーンだ。


いくつかバリエーションはあるが白い部屋というのが一番多かった気がする。


「そうだ、トラックだ。俺はトラックにはねられたのだ」


思い出してしまった。


みゆちゃんと一緒にアニメ7話を観ると約束して。

間に合いそうもないから、焦って道路を渡った。


その後のヘッドライト。


あーあ。

やっぱり、異世界転生だな。


しかし、女神さんが現れないな。

もしかして、今日はお休みだとか?


それとも、順番待ちか。


「はやく女神さん、出てきてください」


お祈りをしてみた。

それも、想いをこめて。


静かに目を開けてみる。

すると。


光が現れていた。


ふたつの光。

いや、2種類の光か。


ひとつ目が部屋の真ん中、天井近くに浮いている金色の丸い光。

暖かく神々しい金色の光がそこから降り注ぐ。


後光というのか。

仏像の頭の後ろから光っている光と似ているか。


神様の光なのだろう。


もうひとつの光は銀色というのか。

奥の白い壁と今いる俺の場所の間にある。


銀色の光は留まることはなく、蛇行しながら動いている。

部屋の右壁の方から左壁の方へ。

左壁でターンしてまた右壁の方へ。

そして、またターンして…。


「あれだな、メビウスの輪ってやつか」


別に形が似ているというのではないが、なんとなく似ている。

キラキラと銀色に輝いて光が流れている。


まるで小川のようにも見えるな。

水の流れではなく、銀色の光の流れだけどな。



ふたつの光はどちらも神々しく感じる。


あ、これはもしかして三途の川ということか。

あれを渡ると黄泉の国ってことか。


すると転生ではなく、ただの死者の国に向かう途中ということか。


ここにいるというのは、黄泉の国に行くのをためらっているというのか。


なにかやり残したことがあるというのか。

何だろう。


俺はやり残したことを2つの光の手前で考え出した。


転生はできるんでしょうか。


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