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第177話 俺はエンジェルのスカウト行動した

「悠斗さんと話したいという人がたくさんいまして」


久しぶりに翔から電話があって俺は翔がセッティングする飲み会に参加した。


その飲み会に参加するのは投資家として成功している人たち。

翔も含めて、何十億、何百億という金額を動かしている人たちだ。


「もちろん、今の悠斗さんに比べると勝ち目はないとみんな言ってるんですが」


いやぁ、俺とは別だろ。

俺はただ財布から金を出しているだけだ。


翔とそのお友達たちは、投資によって運用資金を生み出した人たちだ。


「俺なんか、全然比較になりやしないよ」

「そんなことありません。最近の世界一ソフトウェアといい、湯編電池といい、悠斗さんの投資手法は僕らであっても度肝を抜かれますから」


それは何も考えていない強みだ。

投資に失敗したところで時給分にもならない金額だしな。


「投資家仲間にも悠斗ファンはすごくいます。一度、会ってやってくれませんか?」


そんな話から飲み会がセッティングされた。

どんな人たちが集まるのか、楽しみだ。


 ☆   ☆   ☆


「悠斗さんですね。会いたかったです」


おおっー、若いな。

20歳くらいじゃないのか?


「君は学生じゃないのか? ここにいるってことは投資をしているってことだよな」

「ええ。高校の頃から翔さんに教わって投資をしてきたんです」

「悠斗さん。彼は蓮人れんと。僕の教え子のトップランナーなんですよ。大学は東大です」


おいおい、東大生で投資家かよ。

俺の20才の時と全然違うな。


中卒で土木作業員だったからな。

そのころの俺は。


「悠斗さんの作ったタレントブック。あれはすごいですね」

「ああ。あれはうちの天才プログラマ達が作ったものだ」

「でもオーナーは悠斗さんですよね」

「ああ。そういうことになっているな」

「実はお願いがあるんです。あれを台湾にもって行っていいですか?」

「台湾?」

「タレントブックの台湾版です。私の活動拠点が台湾にありまして」


どうなんだ? それは。

あれは台湾でも受けるというのか?


「台湾は間違いなくウケます。でも本当の狙いは中国です」

「台湾と中国だと言葉が違うだろう」

「まぁ、いろいろと違いはありますが、文化はつながっているんですよ」


タレントブックは中国とインドで拡張するのがポイントだと彼は言う。


「それはなぜか?」

「単純に人口です。両方合わせると27億人ですよ」

「日本の20倍なのか」

「ええ。才能というのは人の数だけあるんですよね」


タレントブックのキャッチコピーを出してきたな。

その通りだ。


「あと、今、私はタレントブックでエンジェルもしているんですよ」

「おお、そうか」


最近の俺はアイなろやタレントブックでエンジェル行動をあまりしなくなっている。

運営からリクエストでエンジェル行動をするくらいか。

アイドルは直接支援の方が多いしな。


「もっと、エンジェルを増やしましょうよ。タレントブックを強化するために」


なるほどな。

彼が言うにはタレントブックを活かすのは人に投資できるエンジェルを増やすのが一番効果的らしい。


人の隠れた才能を見つけることができるエンジェルが増えたらタレントブックは無限の可能性が生まれるという。


「そのためには、やっぱり実業界の人とつながらないと無理ですね」

「実業界?」

「会社の経営者たちです。僕らの中にも会社を経営している人もいるけど、投資が主だからちょっと違うんです」

「どんな会社の経営者がいるんだ?」

「そりゃ、大きな会社ならば大きいほどいいんですが」

「一度会合をやってみるか?」

「本当ですか? 僕も参加したいです」

「もちろんだ。タレントブックのエンジェルを集めてみてくれないか」


思い立ったら吉日だな。


「あー。渋川社長か。会社の経営者を集めた会合をしたいんだが。大きい会社なら大きいほうがいいらしいんだが」

「それなら、東証一部の会社限定ではどうですか?」

「そんな大きな会社の社長が参加するかな」

「社長だけでなく、相談役でもいいですか? 投資がらみですよね」

「相談役だと実権はないんじゃないか?」

「大丈夫です。創始者で最大株主の人を集めますから」

「そんな人たちが来てくれるのか?」

「ミラクル悠斗が主催の会合なら簡単に集まります。そのとき、ミラクル悠斗奨学金の話をしてもいいですか?」

「なぜ?」

「きっと協賛者がでてくるはずです。基金を増やせますよ」

「それはいいな」


なんだか、大きな話になってきた。


それから翔の友達たちの投資家とバカな話をして楽しんだ。


ほとんどが20代で俺たちより年下だが、投資の結果を出している猛者たちだ。

話していても面白い。


そんなこんなで盛り上がった一夜になった。



この時、悠斗は気づいてなかった。

なぜ、これをしたのかってことを。


無意識のうちに求めていたのだ。

自分の代わりを。

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