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第171話 俺はまた文秋に掲載されたことを知った

真治は再生コンサルタントと会って話をしている。


「まんまとやりましたな」

「すごいな、100億だ。5%で5億円だ」

「山分けですな。2億五千万円。何に使うんですか?」

「私も事業でもやってみようか。これだけあればでかいこともできるしな」

「それよりも。悠斗カンパニーにいて。もっと、ゴミ事業の買収させてしまうというのはどうでしょう?」

「おお、それはいい。確実に儲かるからな」

「ですね。実は今、面白い潰れ掛け企業がありまして」


ふたりはいやらしく笑いあった。


 ☆   ☆   ☆


湯編電池への出資が正式に完了した後すぐに、またネットニュースで俺が発売されたばかりの文秋に掲載されていることを知った。


「湯編電池のホワイトナイトはミラクル悠斗」


なんだ、そのミラクル悠斗っていうのは?


ネットニュースを読んでみると、世界一ソフトウェアの大成功の話やアイなろ、タレントブックの話も載っていた。


「悠斗カンパニーの手に掛かるとすべては奇跡のように復活する」


そんな勝手なことが書かれていた。


「その証拠に湯編電池にはデスラ社からの共同開発の話がある」


そんなことが書かれている。


どうも、変だ。

こんなに都合よく物事が進むとは思えない。


たぶん、誰か後ろで糸を引いている奴がいる。

きっと、彼だな。


「渋川社長? ちょっと聞きたいことがあるんだが」

「あ、もうバレてしまいました?」


デスラ社の創始者はパラコンシェルジュの時、知り合っていたらしい。

日本でのデスラ車を広める活動で来日したとき、要望をなんでも応えて信頼してもらっていたらしい。


「悠斗カンパニーが湯編電池を買収したことを話したら興味を持ってくれまして」

「しかし、その話が週刊誌にバレたらやばいんじゃないのか?」

「大丈夫ですよ、最初から了承の上です」


どうやらデスラ社としては、もっと大きな生産施設を作って欲しいと望んでいるらしい。

そのためには、銀行の融資が受けやすいように提携話を広めることを了承したのだ。


「もちろん、まだ打診の段階ですからうまくいくとは限りませんが」

「それじゃ銀行は貸さないだろう」

「だから、悠斗神話が必要なんです」


おいおい。

勝手な神話を広めるのはやめてほしいな。


「何言っているんですか。魔法の財布の持ち主じゃないですか。天の時を掴むミラクル悠斗の称号がひとつ増えても大丈夫ですよ」


なんだ、その称号は。

あんまり期待を大きくすると、こけた時痛いじゃないか。


「ミラクル悠斗はこけたりしません!」


あー、渋川社長が一番の悠斗神話の信者だったのか。


「おかげ様で、湯編電池の株価はもう3倍です。倒産の噂があったから、あっという間に上がりました」


うーん。3倍なのか。


100億円の投資が300億円になったというのか。

ずいぶんと簡単に増えるな。


チート財布の性能があがったから、まだ財布には勝っていないな。


それにしても。

これから、投資話がやたらと舞い込む気がして仕方ないぞ。


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