第168話 俺は白山神社に参拝をしてみた
「それでなんで白山神社なの?」
「タロットで菊理媛に挨拶しておくようにと言われたからな」
今日は車ではなく地下鉄で移動した。
なぜかみゆちゃんと一緒のときに、美波に送ってもらうのは抵抗がある。
美波は気にしないと思うが俺が気になるのだ。
「最近、一緒に神社廻れてうれしいな」
「ああ。天一神社や三輪山の神様とは縁があるみたいだからな」
「きっと、私達を守ってくれているのね」
守ってくれているというか。
大金を授けてくれているというか。
あと、どうも運も廻してもらっている気がするぞ。
「菊理媛ってどんな神様なの?」
「いや、調べてみたがよくわからなくてな。どうも、神話では夫婦喧嘩を仲裁した神様らしい」
「なら、私達もケンカしたらまた来なくちゃね」
いや、みゆちゃんとケンカなんてするとは思えないぞ。
「また、たくさん、お賽銭入れるの?」
「ああ。習慣だからな」
たくさんと言っても、100万円だがな。
一般人換算だと、1円にしかならない…おっと、違うか。今は時給120億円に増えたから一般人換算0.1円か。
「それじゃ、お賽銭入れよう」
「おお」
みゆちゃんは100円を入れた。
俺はバラバラにした1万円札を100枚、ごそっと入れた。
2礼2拍手1礼。そしてお祈り。
うん、神社はいいな。
気持ちがしゃきっとするから。
あれ? みゆちゃん光っていないか?
「みゆちゃん、頭の先、金色の光が…」
「えっ?」
気のせいかな。
よく見ると消えてしまった。
「頭の先? なんかぽかぽかするの」
「そうなのか」
「天一神社でも感じたの」
「そうか」
「三輪山ではね。お腹のあたりがぽかぽかしていたの」
不思議だな。
神社によって何か違うのだろうか。
「たぶん、天一神社の大白星神と白山神社の菊理媛は親戚かもね」
「ああ、たしかにな。三輪山は白蛇さんだしな」
そういえば、神様とか神社の名前に「白」が入っているとこが多いな。
なにか関係あるのかもな。
「それじゃ参拝もしたし、どこかカフェでもいくか」
「わーい。ちゃんと調べてあるの。パフェがおいしいとこなの」
なんか高校生のデートみたいなノリだな。
みゆちゃんと一緒だと、こういうのも楽しい時間だな。




