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第166話 俺は占いを受けてみることにした

今、いろんな企画が同時進行している。

最近はどれがどうなっているのか、把握しきれていないものも多い。


もっとも俺は言い出しただけで、チート財布で資金を用意して、あとは任せるだけ。


チート財布の資金供給力が10倍になったから、対応できているのかもな。

時給12億円じゃ足りないくらいになってきたな。


だから俺は、ちょっとこれから先のことを知ろうと思ったのだ。


「ほう。ここが占い館なのか」


池袋のサンシャインビルに向かうメイン通りから一本横に入ったところにある占いの館。

占いの館と言っても、5階にあるだけであとはまだ準備中だ。

1階にはラーメン屋が営業している。


ゆくゆくは、占いアイドルステージや占いアイドルカフェなどもオープンするつもりで改装が行われている。

占いの館は3階から5階までに増える予定だ。


占いでこれからのことを教えてもらおうというのだ。


「まずは受付だな。ここか」

「いらっしゃいませ。アイドル占いの館にようこそ」


受付もアイドルのバイトだから、なかなかかわいい娘。


「どんな占い師がいるんだ?」

「こちらのパネルから選んでください」


全部で10ブースあるらしく10人の占い師が占っている。

今は空いているのは5人か。


「おっ、美澄が空いているのか。もう一度占ってもらうか」


3番ブースだということで、3と書いてあるパーテーションの扉を開けて入った。


「悠斗さん!」

「どうだ? 調子は」

「おかげさまで、人気出たんですよ。今日も5人も占っています」

「そうか」


アイドルに占ってもらえるというのは、なかなか人気になっているという。

最初は占いの真似事でもいいかと思っていたら、占いをやっているアイドルが思ったより多かった。

占いの館に入りたいという占い師が続々と出てきて、今はブースが足りないくらいになっている。


「今日はこの後、ステージなんです。丁度よかったです」


まだ同じビルではステージはできないが、歩いて1分のところに夜だけ営業のステージ付きのバーがあったので、昼間借りることになったらしい。


「今、タロットの歌を作ってもらっているんですよ。どんなのになるのか楽しみ」


うん、やっぱり占いを活かせるアイドル活動はいいな。

占いを受けてくれた人がファンになったり、逆にファンが占いを受けにきてくれたり。

うまく連動ができているらしい。


「悠斗さん。今日は占いはどうします?」

「もちろん、占ってもらうよ」

「何を占います?」

「運勢を占ってもらうか」

「分かりました」


タロットをたくさん並べている。

ひとつひとつ、開けて解説してくれる。


「仕事はすごいですね。スターです」

「それは?」

「そのままスターのように輝くって意味ですね」

「もうちょっと詳しく占うことはできるのか?」

「ええ」


どうも、これからの俺はビジネスの方がうまくいくと出た。

そっちの方向は、何をしてもうまくいくとタロットは言っている。

アイドル関係は紆余曲折だと言う。


「ビジネスがうまくいくのか。そっちだけ信じておこう」

「はい。ラッキーポイントは神社です」

「おお。神社か。どこの神社に行けばいいんだ?」

「それなら、こっちで聞いてみましょう。日本の神様タロット」

「そんなのもあるのか」

「ええ。どの神様の力を借りたらいいか分かりますよ」


引いてもらった。


「菊理媛ですね。えっと白山神社です」

「あー、たしか、文京区にあったな」

「ええ。白山って駅もありますね。あそこです」

「お参りに行くといいことがあるかな」

「総本山は石川県の白山比咩神社です」


ちょっと遠いな。そのうち行ってみるのもいいか。


「きっと待っていると思いますよ。菊理媛も」


そうだな。

神頼みというのもいいのかもしれないな。


そんなことを考えながら、俺はアイドル占いの館を後にした。


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