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第145話 俺は評価の現実を知ってしまった

「これは、これは。悠斗さんですね」

「そうだが。どんな用件だ?」


見た感じ、崩れたようなイメージの男が俺に会いに来た。

買って欲しいものがあるというので。


つまらん売り込みなら秘書の美咲さんが断るはずから、聞くだけの価値があるということだろう。

半信半疑でその男の話を聞いた。


「買って欲しいのは、スクープ原稿なんだが」

「スクープか。俺の醜聞なら、いまさらだぞ」

「そうじゃないんですよ。買って欲しいのは悠斗さんの敵側のスクープさ」


その男の話によると、アニメ『アイドル大革命』の評価が悪いのは、誘導している人たちがいるという。

だから、そいつらの動きをなんとかしないと、酷評がどんどんと増えてしまうらしい。


「評価を悪い方向に誘導しているのは口コミサイトの書き込みを専門とする会社でしてな」

「そんな会社があるのか」


料理店やマッサージ屋は口コミサイトの評価でお客さんの入り方が大きく変わるらしい。

だから、良い評価のためには、お金が掛かってもしかたないと考えるオーナーはいるのだろう。


「その書き込みチームが今、総力を挙げて『アイドル大革命』の評価を低い方へ誘導しているらしくて」

「そんなことが起きていたのか」

「その証拠は撮りました。あとは雑誌に持ち込むだけなんだがな」

「誰なんだ? 仕掛けている奴は」

「まぁ、予想できると思いますが、某大手プロダクションです」

「あー、あそこか」


みゆちゃんが一時的にいたとこだな。

自分達が売り出したら失敗したくせに、妙に絡んでくるからな。

もちろん、弁護士軍団に任せてあるので法律的なガードは万全だ。


「それで俺に何をしろというのか?」

「正直に言おう。目的は金だ。こういうネタは人気がでるんだが、雑誌はあまり高評価はしてくれないものなのさ」

「そうなのか?」

「要はスクープ相手がマスコミ関係だからな。そういうスクープは下手をするとボツになる」

「なるほどな」


要はその記事が出ることでメリットがある俺なら、金を出すのではということだな。


「100万円でどうだ?」

「100万円!?」

「足りないか。それなら200万円」

「200万円???」

「まだ足りないか。そうだな。500万円でどうだ」

「どうだと言われても。もちろん、十分だ」


目を白黒しているな。

まぁ、こういうことにはケチらないことだな。


「500万円あれば、大手の雑誌にも載せられるかもしれないぞ」

「そうなのか。それでいこう」


どういう具合にやるのかは分からない。


まぁ、その世界の専門家なのだろう。

もちろん、お金だけもらってトンズラの可能性はあるな。


しかし、俺はおいしい金づるに見えるだろう。

簡単に手放すのは、おしいと感じるかもしれないしな。


まぁ、スクープが出て、アニメ『アイドル大革命』の評価もあがればいいのだがな。


ちゃんとスクープは出るんだろうか。


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