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第131話 俺はゲームが人をつなげられるかを実験した

悠斗カンパニーの初イベント。うまくいくのかな。

「うーん、駄目ですね」

「そのようだな」


一回目の商店街イベントは失敗だ。


実際には人が集まっている。

特に父子のペアが一番多い。


父子でゲームに興じる親子。

父はアイドル、子供はゲーム。


まぁ、それぞれ楽しんでいる。



だけど、高齢者があまりいない。



その中でも、少しいるお婆ちゃんに話を聞いてみる。



「やっぱり、ワシらの世代はゲームはちょっとな」

「おばあちゃん、そんなこと言わないで一緒にやろうよ」



ゲームを教える役の子供は、おばあちゃんにゲームの楽しさを伝えようとがんばっている。

おぼあちゃんは、そこにはちゃんと対応しているけど、ゲームは楽しそうじゃない。



「うーむ。思ったようにいかないな」

「そうだ。賞品を出すのはどうでしょう」

「それはいいな。何がいい?」

「そりゃ、もちろん、最新式のソミーのBS4でしょう」

「だが、おばあちゃん、おじいちゃんが競うんだろう? そんなの欲しがるか?」

「何言っているんです。競うのはおじいちゃん、おばあちゃんだけど、賞品は子供に出すんです」

「あ、なるほど」


それはうまくいきそうだな。



「それでは、これからゲーム大会をはじめます。ソミーのBS4が上位5名に賞品として提供されます」


司会のアイドルが宣言すると、子供達が声を上げた。


「ソミーのBS4! 欲しい」



実際ゲームを教えている子供達は全部で20名くらいか。

4人に1人、最新ゲームが手に入るとなると本気になる。



それからは、おじいちゃんおばあちゃんが子供達に引っ張られて、本気でゲームをし始めた。


「あー。もうちょっと。もうちょっとだよ」

「残念だねー。どうしたらいいのかねー」

「ここで、ジャンプ。できる?」

「あー、こうか。あ、できた」

「やったね、ばあちゃん」



子供が本気になると、おじいちゃんおばあちゃんも本気になる。


そのうち、お父さんやお母さんがアイドルステージが終わって帰ってくる。



「みてみて、お父さん。すごいんだよ」

「ほう。初めてにしては、なかなかだな」

「まだまだ、若い者には負けられないからな」



なんだか、世代を超えてわいわい、やっている。


「うーん、わし、じゃ無理だな」

「ええー。僕のBS4はー」

「心配するな。こういうのがうまい友達を呼んでやるからな」

「やったー」


なんだか、じいちゃんばあちゃんの数が増えてきたぞ。

ひとりの子供が5人くらいの高齢者に囲まれてゲームを教えている。


「すごーい。ランキング3位になった」

「教え方がうまいからじゃな。まだまだ、上にいくぞ」

「うん、1位になっちゃおう」


 ☆   ☆   ☆


「いやぁー、もりあがりましたね」

「まぁな。しかし、まぁ。商店街としては大した売上になっていなさそうだが。商店会長よ」

「いいんですよ。まずは商店街に人がいるのが大切なんです」

「そうなのか?」

「あとは私達、商店街の人たちの問題ですね」

「それはそうだな」

「ゲームを使った人集めの方法、見せてもらいました。これから私達でもやってみますね」


商店街の売上を上げることはできなかったが。

まぁ、商店会長がより元気になったからいいとするか。


結果はいまいち、でした。


しかし、このイベントはその後……それはまた、そのうちお話しますね。


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