第119話 アイドル大革命がスタートした
「それではアイドル革命プロジェクトミーティング始めます」
アニメ『アイドル大革命』は、複雑な作りのアニメだ。
アイドル大革命に出てくるアイドルは実在するアイドル。
人気アイドルを目指して、活動をする。
アニメでの話と実際のアイドル活動がいろいろとリンクしてくる。
アニメの中で展開されるライブ等は実際に開催される。
アニメの後にリアルライブ。
アニメを見たファンが実際のライブに来るという流れを作るのだ。
「だけど、脚本は複雑ですね」
「そうだろう。うまくまとめてくれ」
原作はアイドル一人にひとりの小説家が書いている。
そのとりまとめをしているのは、みゆちゃん担当の翔。
なろうの神5と呼ばれるだけあって、実力が段違いだ。
他には美尾担当のファンタと、紗夜華担当の十夢だ。
今は3人が共同して原作を書いている。
「それで最初の話はどんな話なんだ?」
「最初は3人のアイドルが別々にアイなろに参加してアイドル活動を始める話です」
「なんか、普通だな」
「そうでもないですよ」
みゆちゃんは大手プロダクションに所属して失敗して出戻り。
美尾は異世界から転帰してきた。
紗夜華は2話から登場で田舎住まいのためネットオンリーアイドルとしてスタート。
「おいおい、盛り込みすぎじゃないのか?」
「そこはなろう作家なのでご都合主義でバッサバッサ進めます」
大丈夫なのだろうか。
まぁ、心配しても始まらない。
無理を承知でアニメとリアルの連携をするんだ。
何かトラブルがあっても、気にせず前に進むんだ。
仮に人気がでなくても、2シーズンは作るつもりだし。
お金の心配がないというのは、アニメ制作にとって重要なことだな。
しかし、第1話にしても、みゆちゃんと美尾ちゃんの話が入るのか。
20分ちょっとのアニメに入れ込むことが本当にできるのか?
もしかして、静止画のカットインの連続か。
それとも。
「ここに来るまで、それぞれ特別なことがあった」
その一言で済ますつもりか?
「第1話のラストシーンはどうなるのか?」
「それは私の方で説明しましょう」
アニメ制作の監督、天河監督が。
大きな作品はあまり経験していないが、オタク心をつかみまくっている知る人ぞ知るアニメ監督だ。
「第1話の最後は紗夜華の登場です。ハープを奏でます」
おおー。それはいい!
あの音は聞いた人を引き付ける魅力がある。
そこで終わると、確かに気になるぞ。
「第1話の放送までは紗夜華が出てくることは秘密にしてください」
もちろんだとも。
ほとんどのスタッフもまだ、みゆちゃんと美尾ちゃんしか、登場アイドルを知らないからな。
第1話が放送になった瞬間、「アイなろ」を中心に3日後の紗夜華ライブの開催を告知する。
きっと、満席になるだろう。
「もしかしたら紗夜華が主役になるかもしれませんね」
「それも面白そうだ」
どのアイドルのアニメ登場が増えるのかは、人気投票で決まる。
今はみゆちゃんが主役になっているが、それも途中で変わることが起きる。
「アイドル革命というより、アイドル戦国時代ぽいな」
しかし、お互いに高めあう競争は歓迎だ。
アニメ制作がスタートしました。
うまくいくのかな。どきどき。




