第115話 俺はアニメに登場するアイドルと原作者を選んだ
「しかし、すごいな。本当に原作者になってしまうなんて」
「いや、僕はちょっとずるいポジションですから」
「そんなことないぞ。俺も他の審査員も満場一致で決定したんだからな」
なろうアニメ『アイドル大革命』で、翔は、みゆちゃんの原作者として参加することになった。
みゆちゃんの原作者を選ぶ書類審査で3人選んだときは原作者に翔を選ぶのは無理だと思った。
なんと「なろう」の神5と呼ばれている人気作家5人衆のひとりが応募してきたからだ。
神5は本当に人気作家で書籍の人気シリーズをもっている人も多く、さすがに『アイドル革命』に参加できないだろうと予想されていた。
だから、そのうちのひとり、自由さんが参加してきたとき、驚きをもって迎えられた。
当然、みゆちゃんプロフィール短編のブクマ数は断トツだったし、クオリティもさすがの一言。
みゆちゃんの担当原作者を面接するときには、ほぼ決まっていたというのが現実だ。
問題があるとすると、みゆちゃんとの相性くらいか。
だから面接はみゆちゃんも面接官として参加することになっていた。
「翔!」
3人の面接の最後に現れた神5の自由さんが翔だった。
みゆちゃんも翔とは顔なじみだし、一発決定。
驚いたのは、「アイなろ」開発リーダーの誠人が賛成したこと。
元々、アイドルに人気がある翔に対して誠人は反感を持っていた。
それなのに大賛成をしたからだ。
「だって、自由さんですよ。みゆちゃんを担当してもらいたいじゃないですか」
元親衛隊長として、みゆちゃんの人気が上がることに反対なんてできない。
特にビーペックスに行って苦労したみゆちゃんを知っている彼としてはね。
「それでは、みゆちゃん担当原作者は自由さんに決定しました」
翔の希望で、自由が翔だってことはトップシークレットになった。
なろうオーナーが原作者に入っているというのは、つまらない詮索を受ける原因になりかねない。
あくまでも、謎の人気作家という形で参加することになった。
「しかし、翔はすごいな。インチキなしで人気作家なんだろう?」
「さすがに自分がオーナーしているサイトだからって、インチキなんてしませんよ」
「だよな」
翔が作り出すみゆちゃんのアイドルキャラ、なんか面白そうだな。
どんな話を書いてくれるんだろうか。
翔は人気作家でした。
できすぎな奴だぁー。




