第114話 俺は翔と一緒に企画を練った
第86話の白蛇さんと出会った場所が変更になりました。
板橋の公園から、石神井公園へ。
実在の公園の方が面白いな、と。
「どうだ? このあらすじは」
「すごいですね。アイドル物のはずなのになろうアニメです」
今回の企画は「アイなろ」と「なろう」の全面協力が前提の企画だ。
だから、なろうのオーナー、翔とはしっかりと話を合わせておかないといけない。
別に翔に会いたいから、そんなことをしているんじゃないからな。
そこんとこ、間違えないでくれよな。
誰に対して言っているのか分からないが俺の内側からそんな声が出てくる。
無視しておくに限る。
「それで『なろう』では、まずはアイドルプロフィールを作る作家を募集したいんだが」
「どういうことですか?」
「『アイなろ』ではアニメに登場したいアイドルはすでに募集していて、参加するアイドルはキーワードに『アイドル大革命』と入れてある」
「やることが速いですね」
「『なろう』の作家でアニメ原作チームに入りたい人は『アイドル大革命』とキーワードが入ったアイドルのプロフィールを作ってもらいたいんだ」
まず、企画のスタートはアイドルの選択にある。
全部で5人のアイドルを選ぶ。
そのうち2人は俺が選んだ、みゆちゃんと美尾ちゃんだから、残り3人。
そのアイドルを選ぶために、アニメに登場する際のプロフィールを作る。
アイドル本人とプロフィールをセットにして俺と翔も含む選考委員達が選択していく。
「では、まずは書類審査ってことですね」
「ああ。『なろう』では短編としてアイドルプロフィールをその他ジャンルで投稿してもらう」
「なるほど。そういうことですね」
「その中でブックマークがある程度ついたものだけを書類選考で絞っていく」
「その上で面接ですね」
「ああ。その面接はアイドルとプロフィール作家セットで行う」
「いいですね、それ」
「最終的に3組を決めてアイドルはアニメのキャラもなると同時に声優にもチャレンジする」
「ではプロフィールを作った作家は?」
「まずは『アイドルになろう』に登録する前のエピソードを書いてもらって、それがアニメに登場する」
「おおー。それはいいな」
実際、アニメには5人の原作者を用意するつもりだ。
なろうアニメだから一人称視点で物語は進んでいく。
アイドルの視点で作られるエピソードは基本、アイドル担当原作者が書く。
それ以外は5人のうち誰かが代表して書く。
「しかし、5人が平均的に登場する訳ではないでしょう」
「そこはもちろん「なろう-アイなろ」提携企画だから、人気投票で決まってくる」
「面白いですねそれ」
「だが、難しくもある。週一回の放送だから、放送日の投票結果によって、3つ後の回の話が決まってくる」
「うわ、それは大変ですね。作り置きができないって訳ですか」
「そう。だから、アニメーターは普通の3倍は用意しておかないと」
予算だけは十分に用意してある。
もし、足りなくなっても補充すればいいだけだ。
こんなことができるのはチート財布があるからだな。
「ちなみに私も原作に参加していいですか?」
「えっ、小説書くのか?」
「ええ。ペンネームでなろうで書いていますよ」
「ペンネーム教えてくれないか?」
「それは言わないことにしましょう」
「なぜだ?」
「公平に参加したいからです。書類選考までは私だと分からないで参加したいんです」
「おお。自信があるんだな」
「分かりません。ただ、やってみたいだけです」
すごいな。
超底辺作家の俺とは違うらしいな。
「よし。それなら翔はみゆちゃんを担当してみてくれないか」
「ええ。そのつもりでした」
「一番人気になるはずだから、ライバルは多いぞ」
「もちろん覚悟の上です」
やっぱり、こいつ、かっこいいな。
なろうオーナーという特権を生かすこともできるはずなのにな。
「だけど、ブクマが集まらないで足切りになっても幻滅しないでくださいよ」
「もちろんだ」
翔が作る、みゆちゃんプロフィール。
どんなものになるか。
興味深々だな。
複雑なシステムにしてるなー。
アニメちゃんとできるのか?




