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荒廃した世界を救うもの  作者: あさしおやしお971号
技術の発展した世界
9/90

口は悪くてもいい人

雪樹もこちらの世界に馴染み始めたいつもの日々。

アパートの住民は各自仕事や学校などがある。

なので雪樹とは手が空いている人がいろいろと見せている。

今回もそんな手の空いている人が付き合ってくれる様子。


「ありゃ、ティッシュが切れてる、樹希ちゃん!少し頼んでもいいかい!」


「んだよ、オーナーも意外と抜けてんな」


「そう言わずに、まかないおまけするから」


どうやらラーメン屋のティッシュが今出ているもので最後らしい。


なので買ってきてくれという事のようだ。


「む?お前は」


「お、お前噂に聞いてる雪樹だろ、少し付き合え」


「それは構わんが、どこへ行くんだ」


「近くのドラッグストアだよ、ティッシュの補給だ」


「承知した、それぐらいなら」


店の前で鉢合わせた雪樹と一緒に近くのドラッグストアへ向かう。

ちなみに店の場合はケースで買うのだが、それが油断になった様子。


店の人に言えばケースでも売ってくれるのだそうな。


「にしても忍者って本当にいたんだな、異世界ってすげぇな」


「こちらの世界にも忍者はいるだろう、書物で見たぞ」


「あー、なんていうかな、あれは創作物だ、実際の忍者は今は珍しいだろ」


「そうなのか?」


「忍者って今はエンターテイナーみたいなもんだからな」


現代における忍者は創作物の中の存在である。

また忍者もそういったエンターテインメントとして確立されている。


雪樹のような本当の意味での忍者は現代にはいないのだ。


「忍術みたいなのって出来るのか」


「出来なくはない、まあ実際に使ったら騒ぎになりそうなのでやめておくが」


「そりゃそうだ」


「それに忍術というのは魔法ではないからな、そこは勘違いするな」


「一応使えんのか、やっぱ凄いもんだな」


そんな話をしているとドラッグストアに到着する。

樹希が店の人にケースでも売ってくれと交渉する。


それから店員が奥に行ってティッシュのケースを持って出てくる。


「うっし、無事に買えたな」


「箱で買えるというのは便利なものだな」


「一応店の人に言えばケースで売ってくれるもんはあるぞ」


「そういえばここでは薬を扱っているのだな」


「そりゃドラッグストアだからな、処方箋があればその薬も出してもらえるぞ」


こちらの世界で言う薬は雪樹の世界で言う薬とは少し違うようでもある。

雪樹の世界では薬といえば主に怪我などに使うものだとか。


その一方でこっちの世界では病気に使うものだという。


「薬は誰でも買えるのか?」


「市販薬ぐらいならな、ただ本格的なもんは医者が出す処方箋がないと無理だな」


「つまり医者が許可を出さなければ効果の強い薬は買えないのか」


「そんなところだな、薬には副作用もあるから免許のない奴が扱えるもんでもないし」


「こちらの世界では薬というのも難しいのだな」


そんな中店の中を見渡すと食品なども置いている。

薬屋で食べ物まで売っているのが雪樹には珍しい様子。


こちらの世界の薬屋は食べ物まで扱うという事は驚きのようだ。


「薬屋なのに食べ物まで扱うというのは凄いな、僕の世界では考えられん」


「実際調剤薬局でも食い物売ってたりするもんなぁ、今では普通なんだろ」


「しかし低カロリーだの減塩だの、よく分からん単語も多いな」


「アタシはバンドやってるから低カロリーとかないんだよ、消費カロリーやばいし」


「それだけエネルギーを使うという事か」


樹希はバンドもやっているので、エネルギーの消費も凄い。

そのため低カロリーの食事なんかでは本格的な場合は持たないという。


バンド自体そういう仕事なのでメンバーはあれでみんなガッツリ食べるのだ。


「帰るぞ、こっち持ってくれ」


「分かった、これぐらいなら軽いものだな」


「お前頼りになるな、こういう仕事の時は頼もしいぜ」


「お前、口は悪いのにただのいい人だな」


「うっせ、それより帰るぞ」


その足でアパートに帰る。

ケースのティッシュを軽々と運ぶ雪樹はやはり異世界の人という感じだ。


そのまま店の物置にケースのティッシュをしまう。


「お疲れさん、はい水」


「すまない」


「サンキュ、オーナー」


こっちの世界の薬の事情は雪樹の世界とはだいぶ違う。

また薬屋としての役割も違う。


技術だけでなく文明についても学ぶ事は多い。


雪樹が持ち帰るものは想像以上に多そうである。

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